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2015年02月16日00:41
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＜即応衛星元年へ＞という朝雲新聞の特集記事
＜即応衛星元年へ＞という朝雲新聞の特集記事だが、現代の軍事的な指揮・統制は衛星を使って行われている。中共などは此れ等日米の軍事衛星を破壊する事を有事の初動作戦として計画し、準備を進めている。
敵の衛星を破壊する事によって、指揮系統の混乱に乗じて先制攻撃を成功させようというものだ。…これに対処する「即応衛星」の構想が日米間で具体化し、研究と配備を進めようとする動きと考えられる。
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◆ 複数衛星を同時に使い対象地点観測
[日本] 新「宇宙基本計画」に盛り込む [米国] ６日で衛星機能の復旧OK
「衛星の機能が停止した！代替衛星を５日以内に打ち上げよ！」――。宇宙ごみの衝突や衛星破壊兵器で既存の宇宙システムが失われた場合、国民生活だけでなく安全保障面でも重大な影響が出る。これに対処するのが「即応衛星」だ。米国では６日で機能を復旧させるシステムを開発中。日本でも新「宇宙基本計画」に即応型の小型衛星等の導入に関する検討が盛り込まれ、２０１５年は我が国でも「即応衛星元年」となるかもしれない。
内閣府宇宙政策委員会で基本政策部会長を務める中須賀真一東大教授は昨年１１月、技術研究本部のシンポジウムで「即応型小型衛星」について語った。
「宇宙利用は従来の米・ロ・欧を軸としたものから、中国、ブラジル、インドなどが加わり、パワーバランスが変化している」と指摘し、「今後はスペースデブリ（宇宙ごみ）や衛星破壊兵器による衛星の機能停止にも備えておかねばならない」と述べた。
日本で求められる即応衛星は自然災害や安全保障が対象で、（１）必要な時に迅速に打ち上げられる（２）観測したい場所だけを低高度で観測できる（３）短期間で役割を終える――機能が求められるという。
重量１００キロ程度の小型・低コストの衛星ながら、高度は２００キロと低く、分解能は大型衛星に匹敵する４０センチが目標だ。
小型のため宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）のイプシロンロケットに３機が搭載でき、フォーメーション・フライト（編隊飛行）をさせれば詳細なデータが得られ、合成すれば３Ｄ画像化も可能という。
「現在は調査研究中だが、今後はしっかりとした開発計画に転換していきたい」と中須賀教授。「小型でもフォーメーション・フライトや他の衛星と組み合わせることでより大きな能力が発揮できる」と語った。
◆「つなげば使える衛星」モジュール化で対応6デイ･スペースクラフ
地上試験中の米国の即応衛星「タックサット」（米空軍ＨＰ）
米国の即応衛星は「レスポンシブ・スペース」もしくは「６デイ・スペースクラフト」と呼ばれる。６日間で失われた衛星の機能を回復できるからだ。
同システムでは代替衛星とロケットを２日以内に用意し、５日以内に打ち上げ、６日目から運用を開始する。
これを実現するのが各機器のモジュール化だ。可視、レーダー、赤外線など観測センサーをはじめ、各部品をすべてモジュール化して事前に用意しておき、その時の所要に応じて衛星を組み上げ、最後にソフトをインストールして完成だ。まさに「プラグ＆プレイ（つなげば使える）衛星」だ。
その代表的な即応衛星が米軍の「ＴａｃＳａｔ（タックサット）」シリーズだ。重量は５００キロ（できれば２００キロ）以下で、小型ながら高い偵察能力を持つ。ただし低軌道に乗せられるため大気との摩擦が大きく、寿命は短い。このため米国では量産化による低価格化を目指している。
◆「あすなろ」「だいち」「SLATS」安全保障面で期待
即応衛星としても期待できる小型地球観測衛星「あすなろ」（日本電気）
合成開口レーダーを搭載した陸域観測衛星「だいち２号」（ＪＡＸＡ）
イオンエンジンを搭載する超低高度衛星技術試験機「ＳＬＡＴＳ」（ＪＡＸＡ）
日本の安全保障面で期待される衛星に小型地球観測衛星「あすなろ」、陸域観測衛星「だいち２」、超低高度衛星「ＳＬＡＴＳ」がある。
安価、短期間で製造
宇宙システム開発利用推進機構と日本電気が開発中の小型地球観測衛星が「あすなろ」。安価かつ短期間で製造ができ、即応衛星としても期待できる。
「あすなろ」は光学、レーダーなど各種センサーの搭載タイプがあり、重量４００キロ、分解能５０センチの光学衛星「あすなろ１号」がすでに運用中。これに続くレーダー衛星「あすなろ２号」は２０１６年度の打ち上げ予定だ。同シリーズはモジュール化され、短期間での打ち上げが可能となっている。
昼夜、天候を問わず
昨年５月に打ち上げられた陸域観測衛星「だいち２号」はフェーズドアレイ方式のＬバンド合成開口レーダーを搭載する高性能機。昼夜、天候の影響を受けずに地上観測ができる。
高度は約６３０キロで、高分解能モード（観測幅５０キロ）で分解能は３〜１０メートル、広域観測モード（同３５０キロ）では分解能１００メートルとなる。
軌道上を素早く移動できるのが特徴で、日本周辺なら１２時間以内、東アジアなら２４時間以内に移動し、対象地点の観測が開始できる。撮影映像は約１時間で地上に伝送できる。
高い情報収集能力
文部科学省が２８年度に打ち上げを計画する超低高度衛星技術試験機「ＳＬＡＴＳ」（重量４００キロ以下）も即応衛星タイプだ。高度２００〜３００キロの低軌道のため大型衛星に匹敵する情報収集能力を持つ。
また同衛星は小惑星探査機「はやぶさ」と同じ太陽光パネルを利用したイオンエンジンを搭載、その推力で高度の低下が抑えられ、寿命を延ばせる。小型で安価なため、これを即応型のモデルに発展させることも検討されている。
◆ イプシロンロケットは1週間以内の打ち上げが可能に、空自のC2輸送機を利用した発射システムも検討中
米空軍のＣ１７輸送機から空中投下される即応型ロケット（米空軍ＨＰ）
飛行中の大型機から切り離される空中発射システムのイメージ（米ＮＡＳＡ）
準備開始から１週間以内で打ち上げが可能なイプシロンロケット（ＪＡＸＡ）
即応衛星を打ち上げるには同時に「即応型ロケット」も必要となる。
ＪＡＸＡで運用が開始された新固体燃料ロケット「イプシロン」は従来２カ月かかった発射準備期間が１週間に短縮され、即応性が高まった。また、発射管制がどこでもできる「モバイル管制」となり、抗たん性も大きく向上した。
イプシロンは１.２トンの搭載能力があり、小型衛星なら２〜３基を一度に打ち上げられる。このためイプシロンと即応衛星を用意しておけば、最短１週間程度で打ち上げが可能となる。
しかし固定式発射台を利用する場合、この発射台を攻撃されるとロケットの打ち上げは不可能となる。そこで研究されているのが「空中発射システム」だ。米国は１９９０年代からロケットを大型機の胴体下に吊り下げ、空中で切り離し、ロケットを打ち上げる方法を試験している。
「空中発射システム」では、空軍の大型輸送機を使った空中投下方式もある。Ｃ１７など大型輸送機にロケットを積んで飛び立ち、上空で後部のカーゴドアを開き、物料投下の方式でロケットを投下。落下傘によりロケットは垂直になって降下し、この間にエンジンを点火、ロケットは宇宙に向かう。
日本でこの方式をやろうとしても自前で搭載できる大型輸送機がなかったが、技本が開発した新型のＣ２輸送機を使えば、この発射方式も実現するかもしれない。
◆ 衛星の観測データは潜水艦探知にも有効
小型ジェット機の胴体下部に搭載された合成開口レーダー「Ｐｉ―ＳＡＲ２」（電磁波計測研究所）
昨年の技本シンポのパネルディスカッションでは、「日本の宇宙利用」について議論が展開された。
技本の黒沢正樹電子装備研究所長は「衛星に複合センサーを搭載することで多目的に利用できる」と指摘。組み合わせは「中赤外線と遠赤外線」「レーダーと赤外線」「可視光と赤外線と電波画像」などを挙げた。ＪＡＸＡが近く打ち上げる衛星には同研究所で開発された「２波長赤外線センサー」が搭載されるという。
ＪＡＸＡの山本静夫第１衛星利用ミッション本部長は「２波長赤外線センサーと可視センサーを組み合わせれば昼夜問わず地上観測が行える。得られた海水温データなどは漁業などにも役立つだろう」と述べた。
海洋研究開発機構（ＪＡＭＳＴＥＣ）の磯��芳男海洋工学センター長は「気象変動を観測する上で赤外線の役割が期待される。北極海の海氷観測などには特に有効」とし、北極海航路の活用にも大きく関係してくると指摘した。
技本の小口芳生先進技術推進センター所長は「艦船の追尾にも衛星は有用」と語り、「潜水艦のシュノーケル・マストがつくる海面の波も探知できるかもしれない。海洋データと組み合わせれば潜水艦の早期探知が可能となる」と述べた。
情報通信研究機構（ＮＩＣＴ）の井口俊夫電磁波計測研究所長は同所が開発した航空機搭載型の合成開口レーダー「Ｐｉ―ＳＡＲ２」について紹介。「３０センチの分解能があり、自然災害にも即応できる」と語った。同レーダーについて黒沢電装研所長は「ヘリにも搭載できればより大きな機能を果たせる」と述べた。
敵の衛星を破壊する事によって、指揮系統の混乱に乗じて先制攻撃を成功させようというものだ。…これに対処する「即応衛星」の構想が日米間で具体化し、研究と配備を進めようとする動きと考えられる。
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◆ 複数衛星を同時に使い対象地点観測
[日本] 新「宇宙基本計画」に盛り込む [米国] ６日で衛星機能の復旧OK
「衛星の機能が停止した！代替衛星を５日以内に打ち上げよ！」――。宇宙ごみの衝突や衛星破壊兵器で既存の宇宙システムが失われた場合、国民生活だけでなく安全保障面でも重大な影響が出る。これに対処するのが「即応衛星」だ。米国では６日で機能を復旧させるシステムを開発中。日本でも新「宇宙基本計画」に即応型の小型衛星等の導入に関する検討が盛り込まれ、２０１５年は我が国でも「即応衛星元年」となるかもしれない。
内閣府宇宙政策委員会で基本政策部会長を務める中須賀真一東大教授は昨年１１月、技術研究本部のシンポジウムで「即応型小型衛星」について語った。
「宇宙利用は従来の米・ロ・欧を軸としたものから、中国、ブラジル、インドなどが加わり、パワーバランスが変化している」と指摘し、「今後はスペースデブリ（宇宙ごみ）や衛星破壊兵器による衛星の機能停止にも備えておかねばならない」と述べた。
日本で求められる即応衛星は自然災害や安全保障が対象で、（１）必要な時に迅速に打ち上げられる（２）観測したい場所だけを低高度で観測できる（３）短期間で役割を終える――機能が求められるという。
重量１００キロ程度の小型・低コストの衛星ながら、高度は２００キロと低く、分解能は大型衛星に匹敵する４０センチが目標だ。
小型のため宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）のイプシロンロケットに３機が搭載でき、フォーメーション・フライト（編隊飛行）をさせれば詳細なデータが得られ、合成すれば３Ｄ画像化も可能という。
「現在は調査研究中だが、今後はしっかりとした開発計画に転換していきたい」と中須賀教授。「小型でもフォーメーション・フライトや他の衛星と組み合わせることでより大きな能力が発揮できる」と語った。
◆「つなげば使える衛星」モジュール化で対応6デイ･スペースクラフ
地上試験中の米国の即応衛星「タックサット」（米空軍ＨＰ）
米国の即応衛星は「レスポンシブ・スペース」もしくは「６デイ・スペースクラフト」と呼ばれる。６日間で失われた衛星の機能を回復できるからだ。
同システムでは代替衛星とロケットを２日以内に用意し、５日以内に打ち上げ、６日目から運用を開始する。
これを実現するのが各機器のモジュール化だ。可視、レーダー、赤外線など観測センサーをはじめ、各部品をすべてモジュール化して事前に用意しておき、その時の所要に応じて衛星を組み上げ、最後にソフトをインストールして完成だ。まさに「プラグ＆プレイ（つなげば使える）衛星」だ。
その代表的な即応衛星が米軍の「ＴａｃＳａｔ（タックサット）」シリーズだ。重量は５００キロ（できれば２００キロ）以下で、小型ながら高い偵察能力を持つ。ただし低軌道に乗せられるため大気との摩擦が大きく、寿命は短い。このため米国では量産化による低価格化を目指している。
◆「あすなろ」「だいち」「SLATS」安全保障面で期待
即応衛星としても期待できる小型地球観測衛星「あすなろ」（日本電気）
合成開口レーダーを搭載した陸域観測衛星「だいち２号」（ＪＡＸＡ）
イオンエンジンを搭載する超低高度衛星技術試験機「ＳＬＡＴＳ」（ＪＡＸＡ）
日本の安全保障面で期待される衛星に小型地球観測衛星「あすなろ」、陸域観測衛星「だいち２」、超低高度衛星「ＳＬＡＴＳ」がある。
安価、短期間で製造
宇宙システム開発利用推進機構と日本電気が開発中の小型地球観測衛星が「あすなろ」。安価かつ短期間で製造ができ、即応衛星としても期待できる。
「あすなろ」は光学、レーダーなど各種センサーの搭載タイプがあり、重量４００キロ、分解能５０センチの光学衛星「あすなろ１号」がすでに運用中。これに続くレーダー衛星「あすなろ２号」は２０１６年度の打ち上げ予定だ。同シリーズはモジュール化され、短期間での打ち上げが可能となっている。
昼夜、天候を問わず
昨年５月に打ち上げられた陸域観測衛星「だいち２号」はフェーズドアレイ方式のＬバンド合成開口レーダーを搭載する高性能機。昼夜、天候の影響を受けずに地上観測ができる。
高度は約６３０キロで、高分解能モード（観測幅５０キロ）で分解能は３〜１０メートル、広域観測モード（同３５０キロ）では分解能１００メートルとなる。
軌道上を素早く移動できるのが特徴で、日本周辺なら１２時間以内、東アジアなら２４時間以内に移動し、対象地点の観測が開始できる。撮影映像は約１時間で地上に伝送できる。
高い情報収集能力
文部科学省が２８年度に打ち上げを計画する超低高度衛星技術試験機「ＳＬＡＴＳ」（重量４００キロ以下）も即応衛星タイプだ。高度２００〜３００キロの低軌道のため大型衛星に匹敵する情報収集能力を持つ。
また同衛星は小惑星探査機「はやぶさ」と同じ太陽光パネルを利用したイオンエンジンを搭載、その推力で高度の低下が抑えられ、寿命を延ばせる。小型で安価なため、これを即応型のモデルに発展させることも検討されている。
◆ イプシロンロケットは1週間以内の打ち上げが可能に、空自のC2輸送機を利用した発射システムも検討中
米空軍のＣ１７輸送機から空中投下される即応型ロケット（米空軍ＨＰ）
飛行中の大型機から切り離される空中発射システムのイメージ（米ＮＡＳＡ）
準備開始から１週間以内で打ち上げが可能なイプシロンロケット（ＪＡＸＡ）
即応衛星を打ち上げるには同時に「即応型ロケット」も必要となる。
ＪＡＸＡで運用が開始された新固体燃料ロケット「イプシロン」は従来２カ月かかった発射準備期間が１週間に短縮され、即応性が高まった。また、発射管制がどこでもできる「モバイル管制」となり、抗たん性も大きく向上した。
イプシロンは１.２トンの搭載能力があり、小型衛星なら２〜３基を一度に打ち上げられる。このためイプシロンと即応衛星を用意しておけば、最短１週間程度で打ち上げが可能となる。
しかし固定式発射台を利用する場合、この発射台を攻撃されるとロケットの打ち上げは不可能となる。そこで研究されているのが「空中発射システム」だ。米国は１９９０年代からロケットを大型機の胴体下に吊り下げ、空中で切り離し、ロケットを打ち上げる方法を試験している。
「空中発射システム」では、空軍の大型輸送機を使った空中投下方式もある。Ｃ１７など大型輸送機にロケットを積んで飛び立ち、上空で後部のカーゴドアを開き、物料投下の方式でロケットを投下。落下傘によりロケットは垂直になって降下し、この間にエンジンを点火、ロケットは宇宙に向かう。
日本でこの方式をやろうとしても自前で搭載できる大型輸送機がなかったが、技本が開発した新型のＣ２輸送機を使えば、この発射方式も実現するかもしれない。
◆ 衛星の観測データは潜水艦探知にも有効
小型ジェット機の胴体下部に搭載された合成開口レーダー「Ｐｉ―ＳＡＲ２」（電磁波計測研究所）
昨年の技本シンポのパネルディスカッションでは、「日本の宇宙利用」について議論が展開された。
技本の黒沢正樹電子装備研究所長は「衛星に複合センサーを搭載することで多目的に利用できる」と指摘。組み合わせは「中赤外線と遠赤外線」「レーダーと赤外線」「可視光と赤外線と電波画像」などを挙げた。ＪＡＸＡが近く打ち上げる衛星には同研究所で開発された「２波長赤外線センサー」が搭載されるという。
ＪＡＸＡの山本静夫第１衛星利用ミッション本部長は「２波長赤外線センサーと可視センサーを組み合わせれば昼夜問わず地上観測が行える。得られた海水温データなどは漁業などにも役立つだろう」と述べた。
海洋研究開発機構（ＪＡＭＳＴＥＣ）の磯��芳男海洋工学センター長は「気象変動を観測する上で赤外線の役割が期待される。北極海の海氷観測などには特に有効」とし、北極海航路の活用にも大きく関係してくると指摘した。
技本の小口芳生先進技術推進センター所長は「艦船の追尾にも衛星は有用」と語り、「潜水艦のシュノーケル・マストがつくる海面の波も探知できるかもしれない。海洋データと組み合わせれば潜水艦の早期探知が可能となる」と述べた。
情報通信研究機構（ＮＩＣＴ）の井口俊夫電磁波計測研究所長は同所が開発した航空機搭載型の合成開口レーダー「Ｐｉ―ＳＡＲ２」について紹介。「３０センチの分解能があり、自然災害にも即応できる」と語った。同レーダーについて黒沢電装研所長は「ヘリにも搭載できればより大きな機能を果たせる」と述べた。
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