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2015年02月15日11:06

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日録 11

日録 11

やがてきみが語られる
ちいさな傷なんて嘘だから
人はぎりぎりの間であり
切り詰める内側は遠いと
静かに木の枝に吊るされて
抑揚になる右足首の
段差は壊れていくままに
膝から下はやや弱まり
しぶい顔つきで立ちつづけ
きみの右肩は重くなり
誰かが密かに笑っていて
ゆっくりと底辺がすり減り
暖かくなる傷口だから
一本だけの足の可能性に
ひくい姿勢で佇んで
きみの背中は小さくなる
ままに遠ざかっていく光が
見なくなる寸前の掌の
内側に生きる今生の
うつろいであるのなら
罅の入る骨は癒えないまま
吹くすぎる寒風に晒され
傾いたバランスになる
地形は少しずつすり減り
もう本当は語れないと
きみの目の前で空気が弾け

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