Christopher Rouse Iscariot
Barber Violin Concerto
Rachmaninoff Symphony No. 2
一曲目のRouseのIscariotは聞き逃し。モニターで聴いている限りは結構魅力的そうな作品なだけに残念、が、平日はしゃあない。
既にユニヴァーサルに浸透しているバーンスタインやアイヴスと違って、バーバーは米国内外の知名度のギャップが顕著。コープランド以上?自分は少なくともこのVn協については大好きだ、が、一方で(一番魅力的とされている)中間楽章が若干の躓きの石。バティアシヴィリという万全の体勢で臨んだはずだが、それでも今回はこの躓きを防ぐことはできなかった。
そして後半。偶然予習用に聞いたシモノフ/モスクワフィルのCDが好みど真ん中のスタイルで(胃にもたれず、粘りすぎず流れが良く、甘すぎず、安定したインテンポ。スヴェトラーノフが「ロシアの伝統はインテンポ。頭に血が上って基本テンポがぶれるようなことがあってはならない。」と言っていたことを思い起こさせる。ロシアンスタイルが演歌ベトベトってのはただの偏見。交響楽においては。)、これで一挙にこの作品の扉が開いた感じだったが、今回はこの「扉が開いた」感を実演で体感。正直、すごく感動した。
演奏様式の描写として「理知的」「知性的」という安易な単語を使うのは憚られるが、まさにそういうことを言いたくもなるようなスタイル。緊張感は途切れないが、一方で緊迫感ピリピリというわけではない。ただ各パートが埋没せずに自己主張できるような空間を十分に設けている。単にいろいろ聞こえるだけではなく、作品がなぜその音符を必要としていたかが如実にわかる。淡々と(しかし丁寧に)音を置いていっているだけなのに、こっちが興奮感動してくる。ジンマンはN響との共演ではイマイチ続きだが(3年前だかのマラ7はイマイチどころではなかったようだが…(笑))、トーンハレとの来日のマラ5然り、相当実力のあるコンサート指揮者なのは言うまでもない。地元出身に拘るなら、今の監督より彼の方が良かったのだが…
休憩中にバーンスタイン/NYP10枚組自主制作セットの抜粋盤が10ドルで売ってたので、マゼール/NYPのペトルーシュカとともに衝動買い。前者、アイヴス2の世界初演はいいのだが(グラモフォン盤と正反対の終わり方!)、黄昏抜粋、ブル6など、地雷が随所に埋め込まれた楽しい1枚。
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