Chicago Symphony Orchestra
Riccardo Muti, Music Director and Conductor
Alisa Kolosova, Mezzo-Soprano
Sergey Skorokhodov, Tenor
Chicago Symphony Chorus
Duain Wolfe, Director
Program
SCRIABIN Symphony No. 1
PROKOFIEV Alexander Nevsky
アレクサンドル・ネフスキーは期待通りの快演。海と同じ。明確な作品音響像、その具現化に必要な細部の差配、それを徹底する統率力。海が自分の理想とするフルネの実演と遠くかけ離れたスタイルだったのと同様、こちらも自分にとってのスタンダードのスヴェトラーノフ録音とは全然異なる演奏だが、それでも説得力ある。分厚く暗いロシア的音響ではないが、隅々まで克明で、プロコフィエフの設けた仕掛けが随所で効果。最弱音のヴァイオリン、トランペットはどこまでも澄んでいて、コントラバスやティンパニに至るまで歌い、大太鼓は緻密に重ねるべきパートに寄り添う。方向性不明なまま惰性で動く瞬間が一瞬たりともない。お国もの、かつ作曲家の知己を得ていたロストロの実演より悪いがずっと感動的。
本当に、なんで彼をここまで放置していたんだ?過去の自分の問責モード。まあ元気なうちに認識できたからまだいいものの。こういうスター指揮者・トップリーグで引く手あまたの指揮者はとかく斜に見がちな傾向が自分はあり、経験上ある程度はやむを得ないところもあるが、真にいいものはちゃんといいと評価せねば損をするのは自分。独墺ものがいいという評判なのであれば、次回チャンスあらば是非聴いてみよう(笑)。
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