http://1000ya.isis.ne.jp/1570.html
松岡正剛氏は 源氏物語だけは３夜使って解説している。
あらすじと、読まれている短歌、絵巻物をふんだんに紹介してくれ、
たいへん有難い。
それにしても、超有名ながら、源氏物語は大嫌いだ。
とても原文で読めないし、複雑怪奇で長いストーリーなせいもあるけど、
やはり、遊び人階級の女遍歴を聞かされるというしょうも無さだろう。
源氏物語は、女性週刊誌そのものだ。
皇室を有難がり、ゴシップが売り物で、近親相姦も２回もネタにしてるし、
短歌は、今で言えば、トップテンのポップスみたいなものだ。
明らかに皇室を舞台にして、こんなゴシップの塊りの物語が
第一級の文学作品だとされているのが不思議でたまらない。
短歌は素晴らしいとされているが、そのわりに、全く教科書にも載らないのはなぜか？
物語の背景が分からないと、歌の素晴らしさが分からないと言うだろうが、
本当に素晴らしい短歌は、背景の説明なんか無しで、素晴らしいのではないか？
百人一首の紫式部の歌が、全く色恋の影を感じさせないのが不思議なくらいだ。
日本では、文学は、政治臭を絶対に帯びず、世間臭も感じさせないのが素晴らしいとされる。
男女愛とか、自然とか、季節だけを書くのが文学らしいとされる。
その根っこが源氏物語礼賛にあると思う。
おどろおどろしい物の怪や、どんなに貧乏であっても絶対に貴族階級しか書かない、
生活臭の無さが、いやらしい。
また、漢文にも通じていた紫式部だが、絶対に漢文の世界を書こうとしなかった。
多分、書けるのに書かないのが、彼女の奥床しさというモラルだった。
もし書いていたなら、男世界を描いて、かなり立体的な物語りになったろうに。
「虫愛ずる姫君」とか、名も無い民衆の歌も差別なく取り込んだ万葉集の個性こそ
日本の文学作品と思いたい。
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