日本版NSCは何をしているのでしょうか？鳴り物入りで拵えた「日本版NSC」ですが、もともとへっぴり腰で穏便に「相手の言いなりになること」こそが、外交の基本であり「国際貢献」でエエ恰好するだけが外務省の役割だと勘違いしている日本で、所詮「日本版NSC」など拵えても、いざと言う時には何の役にも立たない。単に、役所に人間が偉そうにふんぞり返る部署が一つ増えただけではないのかと勘繰りたくなります。結局、ISISに手も足も出なかったし、今後も何一つできないでしょう。
なぜなら、日本の安全保障体制それ自体がすべて「受け身」から出発しており、「能動＝相手を攻撃する」前提で作られていないからです。戦い方には３つのアプローチがあります。
� 崟機稿押后廖嵜神橘未�ら」「正義の御旗を振りかざして」戦う。日本人の好きなタイプ。今回もこの道一筋だった。「正論を言う」強いもののやり方。横綱相撲＝受けて立つことが多い。
�◆嶌�略に陥れる」「卑怯な手を使う」「だまし討ちをする」。日本人の嫌いなタイプ。今回のISISのやり方。中国や朝鮮が得意。弱いものが使うやり方。奇襲戦法＝仕掛けることが多い。
��「漁夫の利を狙う」「コバンザメ戦法」「連合や同盟で抑え込む」。中国共産党の得意技。机の上で握手しながら、机の下で蹴飛ばすしたたかさで、抑え込む。
�ぁ峪�久戦法」「問題の先送りをしているうちに局面が変わって、何もしない内に勝利する」。「兵糧攻め」「WGIP（占領軍の日本改造計画）」「共産主義の洗脳」「ハニー・トラップ」。真綿で首を絞めるように状況を変化させて、目的を達成する。
このようないろんな戦い方があるのですが、残念ながら日本人の頭は昔から「真正面から一対一で戦う�，寮錣ぁ廾奮阿蓮嵌楸閏圈廚箸靴毒喀�してきました。ところが相手は�△離織ぅ廚任靴燭�ら、�，歪麺僂靴覆い里任后�つまり普段から�△料蠎蠅紡个靴董△匹里茲Δ帽況發垢譴仂，討襪里�を（すなわち相手の弱みを握る）見極めていなければ、今回のような事件に対して打つ手がないのです。
残念でしょうが、世界は日本の思い通りには動いてくれません。今日本に必要なのは「軍隊」でも「外交」でもありません。「知恵者」であるとか「策士」と呼ばれる人たちです。「白か黒か」と言うデジタルではなく、「限りなく白に近い黒」とか「限りなくクロに近い白」を使い分けられる大きな器量の人物です。それが今のマスコミにも政治家にも見つからないのです。
たとえば、今年年頭天皇陛下が「満州事変以降の過去を振り返って、日本の在り方を考えたい」と仰いましたが、いろんな意味に受け取れます。その中で一つの仮説を立ててみたいと思います。「日露戦争を戦い、アメリカの仲介でポーツマス条約で日本の勝利が決まりました」。これで日本は有頂天になりましたが、よく考えてみてください。仲介したアメリカはどんな「仲介料」を貰いましたか？日露戦争に勝ったと言っても、日本が得たものは「樺太の南半分＝モトモト日本とロシアの混住地だったところ」と「満州のロシアが持っていた権益」と言うわずかなものにすぎません。その「南満州鉄道の共同経営」を日本はアメリカに要求されて断っています。この時、いくらかの要求を入れておけば、その後の満蒙開拓義勇軍の犠牲は少なくなったでしょうし、おそらくは大東亜戦争も起きなかったのじゃないかと思います。ここで、日本は「戦利を独り占めにした」結果が、その後の自分の首を絞めたことに気が付くべきです。
今回のISISの人質事件にしても、２人の人質がISISに取られていることは、安倍総理も事前に知っていたはずです。にもかかわらず、イスラエルの五芒星旗のそばで「ISISによる難民に対して２億ドル支援」を宣言し、「テロの報道に�，療�えをぶつけました」その上で「ヨルダンに現地対策本部を置く」としたために、ISISは危険な「身代金と人質交換」より「ヨルダンに居るISISの幹部死刑囚の釈放」と言う作戦に切り替えました。まともな「日本版NSC」が機能していれば、このような展開は読めていたはずです。もっとも大勢の人質を解放させた実績があるトルコのルートを「日本版NSC」はどのような評価をしていたのでしょうか？こうした戦いは決して「受動的なNSC」では勝てないのです。どんな相手にも「能動的に攻め挙げる体制」ができて初めて、「国民の安心安全」は確保できるのです。
残念ながら、「敵地で捕まった捕虜」に対してこんなに大騒ぎしながら、「日本の領土で捕まった拉致被害者」には全く戦う意志も見せません。ISIS難民に２億ドル（２３６億円）も出すのなら、サッサと北朝鮮に２億ドル払って拉致被害者を取り戻すべきです。アメリカが文句を言うから遠慮している？そのアメリカはさっさと韓国系や中国系アメリカ人のジャーナリストの北朝鮮捕虜を買い戻しているじゃないですか。
いま日本の欲しいのは、「単細胞の評論家」ではなく「複眼で知恵を絞る策士」じゃないでしょうか？
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