生徒会長。

オレは高校時代に生徒会長なんかをやってしまうような人間だったのだが、だからといって優等生人間だったわけではない。事実「史上最低の生徒会長」という称号を教師どもからもらったことでも、オレが優等生ではなかったことが伺えると思う。

とにかく今思い出しても生徒会長時代はろくでもない事しかしなかった。

とにかく生徒会室に入り浸る。授業をサボる格好の隠れ家であったのだ。早弁をする。当時はとにかく腹が減ってしょうがなかった。昼は昼で売店で購入したパンを食らう。んでもって隠してるウイスキーを飲む。酔っ払って授業に出たことなど数しれぬ。オレは飲んでも顔に出ないタイプであったのでバレることはなかった。いや酒臭いと思われていたと思うが。

生徒総会もくだらないのでサボった。生徒会長がいない生徒総会など前代未聞であるね。

さすがに生徒会顧問教師軍団がオレを一斉捜索した。「やべえ」と思ったオレは生徒会室の裏窓から逃げる。柔道部顧問体育教師の怒声が響く。

「いたぞ！そっちに逃げた！」

もう恐怖である。オレはいきがってるくせにヘタレなんである。「何もそんなに怒んなくてもいいじゃんよおおお」などと思い新聞部部室の裏に隠れるがあっさり教師たちに発見される。首根っこを捕まれ教師たちの前に引きずり出される。柔道部顧問にぶん殴られる。

言っておくが自業自得である。何も教師たちを恨んでおるのではない。かっこいい武勇伝などと言っておるのではない。恥ずかしい過去なのである。

そのまま体育館で行われている生徒総会に連れて行かれて、生徒会長席に座らせられたのだが、全校生徒は何が起こったのかわからんのであるからポカンである。

行事の挨拶も適当にした。体育祭の生徒会長開会宣言も「まあみなさんがんばりましょう」で終わらせた。教師たちや保護者たちの「なんじゃこの男は」という冷たい目線は今でも覚えてますよ。でも生徒諸君らからは評判良かったな。挨拶の短さだけだけど。嫌われていたしね。

いきってたんだよ。ホント今思い出しても恥ずかしい。ただ当時の副会長の女の子を始め生徒会メンバーが優れた方々であったので助かりました。

感謝してますよめなちりさん。

さて。

なんでそんな男が生徒会長になったんじゃという話だけど、というか生徒会活動は一年生の頃から携わっていたんだが、会長になったのはなんとなく成り行きでちゅうしかないのお。

そもそもオレの一個上の先代の生徒会長がいけ好かないバカだった。

もう今思い出してもこの男は本当にエラ張りのブサイクなくせにナルシストの大馬鹿野郎で、いちいち腹のたつ行動しかしないバカだった。

「生徒会バンドを作る！文化祭でステージに出る！オレがボーカルね！」

強引にバンドを作って低レベルな演奏を予選会でやりやがって、やることなすこと下衆の極み。

こいつが生徒会長ならオレのほうがマシだろ。と思うてこのバカ憎しの一念で生徒会長になってしまった。

それが間違いだった。その結果「史上最低の生徒会長」という称号をもろうてしもうた。

ところでそんなオレの世代の生徒会メンバーにエラ張り前会長とやたらと仲がいい男がいた。気持ち悪いくらい仲がいいので「ホモ？」と聞いたことがあるのだが「そうではない」と全力で否定する。まあ肯定するやつはおらんやろうが。しかしそれにしても気持ち悪い仲の良さであった。

いきっていたオレはコイツも当時は嫌いだった。まあ悪いやつではなかったのだが、なんちゅうか気持ち悪くてね。

その後エラ張り生徒会長が創価大学に入り、弟分のその男も創価大学に入学したと聞いた。

当時はそういう裏事情とかわからんかったが、今から考えると「あーなるほど」と理解できる。