『バンクーバーの朝日』

戦前のカナダに実在した、日系移民による
プロ野球チーム「バンクーバー朝日」の活動を描く人間ドラマ。

1900年代初め、多くの日本人は成功を夢見て海外に移住した。
カナダにも多くの人々が渡ったが、現実は白人に
低賃金で過酷な肉体労働として使われ、貧困と差別に苦しむ日々
という厳しいものだった。そんな中、移民たちの唯一の希望は
日本人街に誕生した野球チーム「バンクーバー朝日」の活躍だけだった。
白人チームに負け続ける万年最下位のダメチームだったが、
キャプテンのレジー笠原が、偶然のバントで出塁したのをきっかけに
バントと盗塁のみのプレースタイルを確立する。
小回りの利かない白人を相手のその戦法は「頭脳野球」と呼ばれ
「朝日」は勝利を重ね出す。しかし…。

永らく評価されていなかったが
2003年にカナダ野球殿堂入りを果たした。

最後に映る、まだ生きておられる当時の選手の後姿と
しわだらけの手が　人生の重さを雄弁に語っていた。

監督 石井裕也
脚本 奥寺佐渡子
撮影 近藤龍人
美術 原田満生
出演　 妻夫木聡 　亀梨和也 　勝地涼 　上地雄輔
池松壮亮 　佐藤浩市 　高畑充希 　宮崎あおい
貫地谷しほり 　石田えり 　ユースケ・サンタマリア
鶴見辰吾 　本上まなみ 　光石研 　田口トモロヲ
岩松了 　大杉漣

12月20日より日本人の心を見据えつつ公開