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2014年12月08日23:49

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「100歳の華麗なる冒険」

「100歳の華麗なる冒険」 ’13 (瑞)

監督:フェリックス・ハーングレン 原作:ヨナス・ヨナソン
脚本:フェリックス・ハーングレン,ハンス・インゲマンソン
m:ロバート・グスタフソン,イヴァル・ヴィクランデル,ダヴィド・ヴィバーグ

原作「窓から逃げた100歳の老人」は本国スウェーデンはもとより
ヨーロッパ中でベストセラーとなった小説であるらしい。
100歳の誕生日に老人ホームから抜け出したアランじいさんが
ヤクザの大金が入ったスーツケースを手に入れたことから、
ホームから捜索を依頼された警察と
スーツケースを取り戻したいヤクザから追いかけられる現在と、
アランじいさんの来し方を20世紀の歴史と重ねて語る回想から成る
じいさん,おじさん率がやたらに高いブラック・コメディ。
ロシア革命時に殺された父の話から語り起こされるアランの経歴は
スペイン内戦のフランコ,マンハッタン計画のオッペンハイマー,
トルーマン,スターリン,ゴルバチョフ,レーガン…ら
錚々たるメンバーが登場するものだから
スウェーデン版『フォレスト・ガンプ』と言われているようなのだけれど、
青年フォレスト・ガンプのイノセンスが遭遇する世界史と違って
病的爆弾魔アランが歴史と交錯するエピソードはもうブラックすぎて
これ…笑ってていいのかね??と不謹慎な気になってしまう。
そんなブラックジョークで眺める20世紀の歴史を貫くのは
「頑張ってみたって 人生なるようにしかならない」というアランの母の言で、
趣味の爆弾製造で通りすがりの人を爆殺して精神病院に入れられ
去勢されたアラン(!)の人生は飄々として憂うところなく、
悲惨なんだか幸運なんだか よく判らないまま
100歳の現在も 愉快に進行するのである。
ヤクザと警察に追われる現在の珍道中が
スウェーデンの美しい夏の風光の中に展開し、
そのリズムがまた 100歳の身体能力なものだから決して急がず緩くて、
なんでまたスウェーデンでゾウなの??というゾウまで登場して、
そのゾウさんがやたらによくて、
そのゾウさんが幸せに暮らせるようになるだけでも
ああ…いい映画だな♪と思ってしまうような
大人なちょっと賢い
ヨーロッパテイストが嬉しい映画なのだ。
佳作。
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