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2014年12月02日16:38

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俺の中の「菅原文太」

昨日、またもや訃報が流れた。

俺が学生時代にその後の人間形成に影響を受けたと思われる事を考えてみると…

本で言うと、柴田錬三郎と司馬遼太郎が描く主人公たち、特に眠狂四郎や土方歳三。
テレビドラマでは、「太陽にほえろ!」のマカロニ刑事や「傷だらけの天使」の修ちゃん
そして、東映映画で菅原文太が演じるアウトローたち

その中で共通するワードが「節義」。

正統派でなくとも、不器用でも、時代に乗れなくても、
一つの道を頑ななまでに、貫き通す美学があった。

その後の自分の人生を振り返ってみると、
思想・哲学の変遷はあっても、この美学は持ち続けていると思う。

でもそれゆえに、家族には随分辛い思いもさせてしまっているかなとも思っている。
まわりの仲間にも、「暑苦しい」とか「頑固者」とか思われているかな?

その俺のヒーロー菅原文太さんが逝ってしまった。
健さんの訃報を聞いた時に、真っ先に「文太さんのは聞きたくない!」と思ったのに…。

健さんも文太さんも俺にとっては東映映画のヒーロー、
フリーになってからの作品はほとんど見ていないが、
東映時代の作品は、学生時代ということもあって、
東京中の映画館では足らず、千葉までも足を伸ばし、何回も観た。
健さんは、どちらかというと「後追いファン」的だが、文太さんはまさにリアルタイム。
お金を払ってポスターを買って、部屋に貼ったのは、60年の人生で文太さんだけ。

当時の成人男性は、ほとんど観ていたであろう「仁義なき戦い」は当然見ていたし、
このシリーズ一挙上映のオールナイトなども行っていた。
「まむしの兄弟」や「関東テキヤ一家」「人斬り与太」などのシリーズものも欠かさず観ていた。

その俺に電流が走った作品が「山口組外伝・九州進攻作戦」
主人公は鉄砲玉的なヤクザ「夜桜の銀次」だった。

実在したヤクザだが、記憶強く残るシーンがある。
どこかの組に乗り込んで、金品を強奪する時に、
拳銃を構えながら、仲間(渡瀬恒彦)にこう言う。
「ペイ(麻薬の事)は、捨てっしまえ!よん中の為にならん!」

上記ポスターは、その「夜桜の銀次」、白に黒のストライプが入ったスーツ姿。
早速、スーツを購入…しかし、同じ柄では本物過ぎるので、黒に白のストライプにした(笑)。
音楽活動はやめていたが、名残で肩まであった髪をバッサリ切って、
短髪にダークスーツ、夜でもサングラスという出で立ちに変わる(爆)。

おかげのこんな事もあった。
夜遅く、電車に乗っている時に、ドアにもたれて、外を見ていたら、
誰かが肩にぶつかって通り過ぎていった。
顔も向けるとチンピラ風の男が笑っている。
そして、その向こうにはダークスーツにサングラスの男がつり革に捕まり、
ニヤついてこっちを見ている。( ̄◇ ̄;)
俺は「な〜んだ〜。」という感じで、
サングラスをかけた顔の口元に笑みを浮かべて、そのまま外を見続けた。
幸い何事もなく、次の駅で一人降りることができた。
今思うと冷や汗ものだ(o ̄∇ ̄o)♪

そんな影響を俺に与えた文太アニキ。健さんとの共演も多かった。

その中で、いちばん記憶に残っているのは、「山口組三代目」。
健さん演じる「田岡一雄」と兄弟分の役だったが、
クライマックスで健さんに眉間を切られて絶命する。
眉間から血を流し、スローモーションで、身体が沈んでいくシーン。
さらにラストシーンは健さんがこの罪で刑期を言い渡される。
懲役年数に「たったそれだけですか?」と言って、ストップモーションになって、映画は終わる。

「神戸国際ギャング」は、俺の中ではダブル主演という扱い。
白のスーツを着込んだ二人が並ぶと超長身の健さんには、背丈こそ若干劣るが、
180センチ近い身長とスリムなスタイルは、抜群にカッコよかった。
これほどのスタイルを持つ二人が並ぶシーンは、日本映画では、他にはなかったと思う。

文太アニキの訃報に触れて、40年前に思いをはせ、
あの頃、回りに回った映画館のほとんどは、現存しないだろうと月日の流れを感じる。

今の「僕」からは、想像もできない当時の「俺」。
でも何十年たっても、中身はあまり変わらないものだ。
扱いづらい人間なのだろうな。( ̄▽ ̄)



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