川越と京都

昨年１２月に亡くなった母の一周忌。
親戚が集まりやすいということで、３連休の１１月２３日に埼玉の川越で食事会をすることになった。
２２日の早朝の電車で東京に行き山用品店を梯子して、相方と別れてから所沢の友人の家に泊まることにした。
彼女は９月初めにご主人を亡くして一人暮らしだ。お葬式に行けなかったので、御線香を上げてゆっくり話すつもりでいた。

その後、私は一人で京都に行くことにした。両親の遺骨は京都の大谷本廟に納められているのだ。
ちょうど京都は紅葉が綺麗そうだ。
大阪の娘の家に泊まって、２４日の午後と２５日の午前に京都に行くことにした。
何とも盛りだくさんな４日間になりそうだ。

１１月２３日

食事会の前に相方と川越の町を歩く。相方は若い頃何度か川越に来たことがある。好きな町だそうだ。私も１回来たことがあった。

まずは喜多院に行く。




このお寺には５００体以上の五百羅漢がある。
様々な表情をしていて面白い。





ちょうど菊花展をしていた。
今まで写真でこういうのを見たことはあったが、ちゃんと見たのは初めてだ。
驚いたのは、たくさんの花でできた大掛かりなものも、１本の菊でできていることだ。
これはかなりの技術がいるだろう。実物のすごさを知ると、これからは写真で見ても見方が変わりそうだ。




川越は小江戸とも言われている。昔からの蔵造りの家並みが多い。その間にはレトロな洋館が建っている。
郡上八幡も蔵の町だったが、規模が違う。東京に近いせいか観光客も多い。
若い頃に一度来たことがあるが、こんなに賑やかだったのかなと思う。






１１月２４日

昼過ぎに京都に着いた。今日はお天気が良いが、明日は崩れるようだ。
お参りを明日することにして、今日は京都観光にする。紅葉の季節なので楽しみだ。

まずは永観堂に行く。ここのもみじの紅葉はすごいらしい。
もみじの数が違う。こんなにたくさんのもみじを見るのは初めてだ。ちょうど紅葉の見ごろを迎えて大勢の観光客で賑わっている。人気があるのもうなずける。
池に映る紅葉も素晴らしい。








永観堂を出て、哲学の道を行く。



昨日の食事会で中華料理をたらふく食べて、まったくお腹がすいていなかった。朝は東京の相方の実家でサラダを少し食べただけだった。さすがにお腹がすいてきた。
小さなカフェがある。きつねうどんを食べる。
揚げが１枚と九条ネギが入っただけで８５０円は高いなと思った。でも、出汁が効いた京都らしい薄味のうどんは美味しかった。何も飲んでいなかったので、つゆも全部飲んでしまった。
そこが関東の濃いつゆとは違う。関東のうどんのつゆを飲み干すことはなかなかできない。

マイミクさんおススメの法然寺に行く。
山門の茅葺の屋根が目を引く。
永観堂のような華やかさはないが、静かな落ち着いた味わいのあるお寺だった。





さらに銀閣寺まで歩く。ここも観光客が多い。
紅葉も綺麗だったが、永観堂の紅葉で満腹状態だった。





１１月２５日

朝から雨が降っている。娘に壊れかけた折りたたみ傘を借りる。「もう使わないから返さないでいいよ。」と言われる。
今日もお腹はすいていない。新大阪駅でコーヒーだけ飲む。

まずは本来の目的の大谷本廟に行く。京都の中心地にあるが、ここはお参りの人しか訪れないから静かだ。
お参りを済ませて外に出ると、雨はほとんど止んでいた。壊れかけた傘をしまう。

大谷本廟の横の墓地の横の坂道を１０分ほど登って行くと清水寺に着く。
ここは観光客が多い。中学の時に修学旅行で来たことがある。
釘を１本も使わないで組まれている舞台は見事としか言いようがない。日本伝統の技の一つだ。




そこから高台寺に向かう。以前ここの紅葉のライトアップを娘と見たことがある。時計を見る。今日は新大阪発３時の特急で帰るのだ。京都市内のバスが渋滞で遅れる可能性は大きい。
高台寺は見ないで、そばの高台寺塔頭の圓徳院に行く。ここもマイミクさんのおススメなのだ。せっかく薦めてくれたお寺の庭は見てみたい。

縁側に座ってお庭を見る。観光客は少なく落ち着いていられる。
赤と緑の葉と白い砂のコントラストが美しい。
「めっちゃ綺麗！！」
振り向くと男の子が感嘆の声を上げている。小学６年生だそうだ。そんな男の子が紅葉の美しさを感じていることが嬉しくなる。




バスで京都駅に出る。みどりの窓口で切符を買うと、紀勢線は大雨のせいで大幅に遅れた便もあったと聞いた。午後３時の便は影響なさそうだ。
京都の雨は大したことなかったので驚いた。ちょっと家のことが気になった。五郎は平気かな？

朝からコーヒー１杯しか入れていないお腹はさすがにすいてきた。新大阪駅で寿司を買って待合室で食べる。相方と一緒だったらこうはならないな。何しろ「お腹がすいた。喉が渇いた。トイレに行きたい。疲れた。」とうるさいのだ。私は飲まず食わず休まずでも平気だ。

東京からの新幹線で相方が来た。電車に乗ると、食べる飲むトイレに通う。
そして、「あ〜〜〜、疲れた。」
やっぱりね！！ふふふ、私は一人で京都を満喫できましたよ。

紅葉真っ盛りの賑やかな人気のお寺に静かな心落ち着くお寺。
山なら涸沢と台高の山のような違いだろうか。
そのどちらも京都らしい。

これからもまたお墓参りを口実に京都に来ることになりそうだ。
こんな素敵な場所に眠る両親は幸せだろうな。
そして、お参りに来られる私も。