11月18日、安倍総理が会見し、「消費税増税延期について国民の是非を問う」という理由で、衆議院を解散することを表明しました。
解散は11月21日。
選挙公示日が12月2日、投票は12月14日の予定になっています。
愕然とせざるを得ないのは、総理が会見において、1年半先送りした消費税10%への増税について、「再び延期することはない」「(増税延期法案について)景気判断条項を付さない」と、17年4月に「景気状況」を無視して増税を断行すると明言したことだ!
結局、「増税延期と引き換えに、17年4月の増税確定を得た」財務省が勝者になったという話です。
総選挙に「大義」があろうとなかろうと、どうでもいいです。
総選挙を経た結果、日本の国民経済が成長し、国民が豊かになれるのであれば、総理大臣はいかなる理由で衆議院を解散しても構わないと思っています。
無論、総理大臣が一方的に衆院を解散することについて、憲法上の疑念があるのは知っています。
日本国民が豊かになり、社会が安定化するならば、いかなる政治手段が採られても、別に反対するつもりはないのです。
ところが、今回の安倍総理の衆院解散には、大義はもちろんのこと、将来的に国民経済が豊かになるという「道」すら全く見えません。
何しろ、今年4月の消費増税の悪影響は、月日を経るごとに拡大し、蓄積する形で日本経済を痛めつけていきます。
宍戸駿太郎先生のシミュレーションによると、消費税増税がGDPに与える悪影響は、一年目より二年目、二年目より三年目の方が大きくなっています。
そして、今よりも消費税増税の悪影響が拡大した二年半後の2017年4月に、今度は景気判断を無視して消費税10%への引き上げが決行されることになってしまうのです。
今回の総選挙は、恐らく自民党が勝つでしょう。
と言いますか、総理が引いた「与党で過半数」という勝利条件がクリアされることになります。
結果、日本の国民経済をデフレの底の底に叩き落とす「消費税17年4月に10%への引き上げ」という政策が、国民の信任を得たという話になってしまいかねないわけです。
何と、恐ろしい総選挙なのでしょう。
もっとも、現実には安倍総理率いる自民党が勝利し、第三次安倍政権が「17年4月の増税までに、景気を良くする」と標榜し、「デフレ促進策」である構造改革をバリバリと推進していくという話にはならないでしょう。
理由は4月の消費税増税の影響で、すでに日本経済が再びデフレ化するプロセスが動き始めているためです。
デフレが進行すると、国民が貧困化するのみならず、企業倒産や失業が増えることで、貴重な国民経済の供給能力(潜在GDP)が損なわれ、社会が不安定化し、安全保障が弱体化し、そして「自殺者が増え」ます。
しかも、下手をすると14年の日本の名目GDPはマイナス成長になる可能性があり、そうなると「増税したにも関わらず、政府が減収になる」という、橋本政権の二の舞が視界に入ってきます。
安倍総理は、総選挙に勝ったとしても、時をおかずして「デフレの恐怖」を思い知ることになるでしょう。
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