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2014年10月19日16:53

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ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場公演＆日本フィル横浜定期演奏会@301

昨日はロシアの巨匠の演奏をハシゴで鑑賞でした。

本当は１日に２公演は移動に体力を使い集中できないため避けるべきなのですがチケットの手配上止むを得ずの選択でした。

ワレリー・ゲルギエフ指揮　マリインスキー歌劇場管弦楽団日本公演
2014.10.18 15:00 ～ 17：25 於所沢市民文化センタミューズアークホール

（前半）
　プロコフィエフ：バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
　　仮面（第1組曲5番）
　　少女ジュリエット（第2組曲第2曲）
　　モンタギュー家とキャピレット家（第2組曲第1曲）

　チャイコフスキー：ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23
　　ピアノ：ダニール・トリフォノフ

（ソリストアンコール）
　J.シュトラウスⅡ：「こうもり」トランスクリプション
　トリフォノフ：ラフマニアーナより第1曲

（後半）
　チャイコフスキー：交響曲第6番ロ短調 Op.74「悲愴」

久しぶりの外タレコンサートでした。静かなる情熱を適度な方言と洗練味のバランスで聴かせてくれる絶妙のコンビで毎回楽しみにしているコンサートですが今回も期待を超える素晴らしい演奏でした。

曲目はどれもコンビの18番であるロシア物、抜粋にするのが残念なプロコフィエフは冒頭から厚みがある響きが、なんだか久しぶりの再会のようで懐かしく既に涙。ピアノコンチェルトは2011年チャイコフスキーコンクールの覇者トリフォノフ。細身長身な体で背中をコの字に折り曲げて鍵盤に向かう独特な演奏スタイルから超絶大胆なピアノを聴かせてくれました。（指揮とソリスト）両者のクセが出てテンポがあわせにくい箇所もありましたがそこは天才同士上手く処理をしていたように感じました。

ソリストアンコールは超高速こうもりジャズ風編曲版と自らの作曲による「ラフマニアーナ」　「こうもり」が結構盛り上がって終わったので休憩に入るかと思っていたところにアンコール後も続く喝采に応える形で演奏。いやすごい才能と技術です。

後半はこれまた定番の悲愴。ゲルギエフ氏の悲愴を聴くのは、2004年に自ら少年～青年期を過ごした北オセチア小学校テロ事件のチャリティコンサート（このときはウイーンフィル）以来ですが、その時に彼の叙事叙情性に打ちのめされた時と変わらず熱く深い演奏を聴かせてくれました。（当時は演奏会終了後も立ち上がれない方が何名がいたのですが、今回も女性を中心に涙する姿が多くやはりあの内省的4楽章をやらせたらピカ１だなあ、と感じています）

10/8から10/18まで、1日のオフしかなく、連日全国を回った疲れはオケの随所に見られましたが、楽団員が引き揚げた無人の舞台でカーテンコール（その後にはサイン会）に応じるゲルギエフ氏のエネルギー源は一体何なのか、是非知りたいと感じつつホールを後にしました。

ミューズアークホールは西武新宿線の航空公園駅から歩いて15分ほど、17時に公演が終わり、17時20分過ぎの電車に乗れれば何とか横浜のコンサートの後半には間に合う算段でいたのですが、終演してみると、既に17時20分を回っている状況。

ちょうど目の前のバス停に止まっていた駅行きのバスに乗り込んだものの、駅に着いたのは30分過ぎ、とりあえず来た電車に乗って何か方法はないか色々検索すると乗ってる急行が途中で（有料の）特急に抜かれる事が分かり特急に乗り換え、高田馬場で山手線に走り、渋谷で東横線に駆け込んで、19時ちょっと過ぎにみなとみらい駅に到着しました。

ホールの駆け込むと、ちょうと15分の休憩時間が始まったところだったので無事定期演奏会後半に合流することができました。

日本フィル　第300回横浜定期演奏会於：みなとみらいホール

（後半）
　Ｒ.シュトラウス
　　交響詩<ツァラトゥストラはかく語りき>作品30

　指揮：アレクサンドル・ラザレフ
　コンマス：扇谷泰朋

たった、２時間前まではロシアの超有名歌劇場の音楽をカリスマ指揮者で聴き、その後いつものオケをいつもの（十分巨匠ですが）指揮者で聴いて感じたのは全く響きが違うという事でした。横浜の演奏も正確で整然としたもでありもはやどちらが上手いかという感じはなく、どっちかと言うと、日本フィルの音を聴いて「これだよ、これこれ、あー安心した」みたいな感覚であったのでした。逆に言うと、マリインスキーのようなクセとかコクみたいなものは少ない安心な音なのかも知れません。

何れにしても贅沢な一日でした。