本来であれば今年は大キレットへ行きたいと思っていたのだが、ひるねが9月から新たに仕事に行きはじめてなかなかまとまった休みを取れず諦めていたのである。
今回2日間であるが夫婦で休みを合わせることができ、せっかくだからどこかへ登ろうとなり、日本三霊山のひとつでもある霊峰白山へ行くことになったのである。
ところが先週くらいから文字通り雲行きが怪しい。台風16号が接近しているという。直前の予報では登る日にドンピシャで石川県直撃だとか。こりゃあ中止か?
しかし台風はすんでのところで温帯低気圧に変わり、雨中登山は確定っぽいがとりあえず行ってみることにした。
夜中に家を出発、堺から高速を乗り継いで石川県へ。別当出合に到着したのは朝の7時すぎ。
雨の駐車場には他に車は一台もなくオレをとてつもなく不安にさせる。
濁流と化した別当谷。
別当出合の吊り橋。下の川はゴウゴウと轟音を立てて流れてます。
レインウェアを着こんで出発。まあ行けなくはない。中飯場あたりまでは快調だった。登山道にはカエルがアホほどいて和む。眺望はゼロだが。
甚之助避難小屋を過ぎたあたりから雨脚が強くなってきた。レインウェアの首元や手首から浸水しているらしく、中に着ている服が濡れてきた。最初は汗かと思って放置していたのがマズかったようで、十二曲がりにさしかかる頃にはけっこう全身ずぶ濡れになってきた。オイオイ疲労凍死とかカンベンしてくれよ。
パンツはもちろんのことなんか靴の中まで水が入り込んでいるような気がしてきて、途中からはカメラを取り出す気にもならず、行動食だけはこまめに口にするようにしながらひたすら歩みを進める。
雨の甚之助避難小屋。中で休憩かねて焼け石だが装備を整え直す。
12時半、ようやく室堂ビジターセンターに到着。心の底から安堵する。
早速チェックイン。この雨の中他に上がってくる者もなく、乾燥室は貸切状態なのがものすごくありがたかった。結局この日は夕方5時半ごろに京都から来たという単独女性が1名上がってきただけで他に登山客はいなかった。
昼食はもう終わったらしいので売店でどん兵衛を買う。こんな美味いどん兵衛食ったの初めてっすわ!!
疲労困憊もはなはだしいので横になることに。夕方くらいまでに雨が上がるようなら山頂に行ってみようと話していたが、この日はついに雨がやむことはなかった。
明日の晴れを願って早めに就寝することにする。
朝4時半に起床。外に出てみると満点の星。晴れたぜヒャッホー!
昨日行けなかった山頂でご来光を拝むべく御前峰へ向かう。
果たして雲海の向こうから姿を現した太陽は神々しいばかりの美しさであった。
山頂からは剱岳から槍・穂高連峰、乗鞍岳に御嶽山が一望。まさか翌日に御嶽山が噴火するとは夢にも思っていなかったが。
槍ヶ岳・穂高岳方面。槍はわかりやすい。
白山最高峰の御前峰山頂(2,702m)にて。
たおやかな大汝峰といかめしい剣ヶ峰。火口湖も見える。
別山と室堂。
京都の単独女性はこのまま火口湖の方に下って池めぐりをするとの事。オレたちは御前峰山頂からの眺望を心ゆくまで楽しんでから室堂へ戻る。
別山を写メるひるね。
室堂から振り返る御前峰。
室堂ビジターセンター。朝食を摂って準備をし下山にとりかかる。
別山と弥陀ヶ原。昨日まったく見れなかった眺望が本当に素晴らしい。
弥陀ヶ原を後にする時は御前峰を振り返って後ろ髪ひかれる思いしきりであった。
砂防新道と観光新道の分岐点、黒ボコ岩。
昨日は砂防新道から上がったので今日は観光新道にルートをとる。尾根沿いの道で眺めがよい。紅葉も目を楽しませてくれる。去年はさらに美しい紅葉だったらしい。
観光新道。
建て替え中の殿ヶ池避難小屋。こうやって見るとなんかマチュピチュっぽい。
さすがに天気が良いだけあって今日は登ってくる人が多い。
会う人会う人に昨日の雨の大変さと今朝のご来光の感動を伝えてまわる。
空の青と赤黄緑のコントラスト。
岩のトンネル。
お邪魔しますぅ〜。
別当坂分岐。
分岐から別当出合までは恐怖の大下り。
昨日からの疲労が蓄積されている足が悲鳴を上げている。上がってきた人に「ヒザ笑ってるんじゃないですか」と聞かれたので「すでに大爆笑です」と答えたらウケた。
徐々にペースを落としつつも11時40分に別当出合に到着。うへえ疲れた。
別当谷から吊り橋を見上げる。一枚目の画像と見比べてみて欲しい。
帰りは市ノ瀬にある永井旅館で温泉に入る。ほんとに気持ちよかった。
白峰で遅めの昼食、白山スーパー林道を経由して白川郷に立ち寄り、わずかな時間ながら散策とお土産を物色。高速をブッ飛ばして帰阪。
ふくべの大滝。
白山展望台らしいが…。
白川郷にて。
翌日から足が筋肉痛でまいったまいった。ついでに職場から「噴火大丈夫か」「生きてるか」とご心配のメールをいくつかいただいた。
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