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2014年08月28日22:20

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輪入道とデロリアン

輪入道。あるいは片輪車。
近年は差別語と混同される危険を避けて前者で呼ばれることが多いらしいが。

『諸国百物語』によれば――
「真夜中に外で車輪の音がしても戸を開けてはいけない
それは妖怪・輪入道で、その姿を見れば覿面に祟りがあるからだ」
という戒めを、好奇心にかられた女がつい破ってしまう。
すると果たして車輪に恐ろしい形相の顔が付いた妖怪がいたのだが、
その口には子供のものと思われるちぎれた足をくわえていた。
「我見るよりも我が子を見よ」
妖怪に言われてはっと後ろで寝ているわが子に駆け寄ると、
無惨にも片足をもがれて死んでいたのだった。

という伝説があるんだが、よく考えるとこれ、時系列がおかしい。
「輪入道を見たことで起こる祟り」が
「見たときにはすでに起こっている」
これを魔夜峰央は『パタリロ!』でネタにして
妖怪の物理トリック(!)を暴いてみせる話を書いておられたが、

実は輪入道は「タイムワープ」という特殊スキルを標準装備していて
ファイヤーパターンどころか全身に本物の火をまとうという
デコトラもびっくりな仕様で夜な夜な洛中洛外を爆走し
市民を恐怖のどん底に陥れていたが
後にドクことエメット・ブラウン博士に捕獲された挙句
デロリアンのタイヤに改造されて
タイムマシンの部品としてこき使われる日々なのだった。

という話ならデロリアンがタイムスリップするたび
走行跡がボーボー燃えてる理由を説明しつつ
妖怪といえど奢れるものは仏罰を避けえないのだという
御仏の教えを説くありがたい説話になることだなあといま思いついた。
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