☆ 岩徳線・錦川鉄道錦川清流線（2014年08月21日(木)）
岩国0833−0941錦町
８時15分頃に岩国駅の０番ホームに降りていったら，既に錦川鉄道のレールバスが止まっている。
これも昨日の水島臨海鉄道等と同じメーカーのディーゼルカー。
ただ，内装は木目調になっているし，運転台の計器表示は一部がディスプレイモニタになっているしで。結構新しい技術が導入されている車両であることが分かる。
錦川鉄道は，ＪＲ岩徳線川西駅から分岐して錦川へといたる路線。
赤字ローカル線だった国鉄岩日線を引き継いだ路線である。
この岩日線，山口県の岩国駅と島根県の日原駅とを結ぶ陰陽連絡路線として計画されたのだけれど（岩国と日原との頭文字をとって「岩日線」），錦川まで開通したところでその先の工事（岩日北線）が凍結されてしまった。
それはともかく，まずはこの路線の前面展望を楽しむこととして，進行方向右側のロングシート最前列に陣取った。
車内には先客がちらほらいて，その後もお客さんがそれなりに乗ってくる。
ほとんどの人がわりと大きな荷物を抱えており，観光客と思われる。
まさか，私と同様に清流線観光というわけではないよな，新岩国から新幹線に乗る人たちなのかな，等と思っていたら。
列車は定刻に発車。
まず西岩国駅に停車，そして川西駅。
この川西駅で，大部分の観光客の皆さんが降りていった。
よくよく考えると，川西駅は錦帯橋の最寄り駅なのだった（川西駅からバスで10分）。
まあ，岩国に来ておきながら錦帯橋のことを全く考えもしなかった観光客というのは，私くらいなものだろう(^^;。
岩国駅から川西駅まではＪＲ岩徳線，そして川西駅から先が錦川清流線の線路になる（正確には，そのさきの信号場から）。
川西を出て１つ目の駅が「清流新岩国」。
ここは，山陽新幹線新岩国駅との乗換駅。
ただ，一見したところ，この清流新岩国駅はずいぶん山の中にあるという印象を受ける。
新幹線の駅がまさかこんな山の中ということはないだろうから，清流新岩国は，乗換駅とはいうものの新幹線駅から結構離れているのかもしれない（この点は，後ほど検証する。）。
北河内駅と椋野駅の間に「清流の滝」，椋野駅と南桑駅の間に「かじかの滝」という小さな滝があり，そのあたりでは車内アナウンスとともに列車が徐行してくれる。
※ 小さな滝があると言うよりは，そこにたまたまあった小さな滝に，錦川鉄道の側で無理矢理に名前をつけたというのが正しいような気がする。
他にも，錦川の川面の景色を眺めることができるポイントでは，観光徐行と称して列車が徐行してくれる。
線路はどんどん山の中に入っていき，木々のトンネルを分け入っていくかと思うと再び眼下に錦川の流れが開けたりして，その眺めはなかなかにすばらしい。
ただ，私はロングシートの部分に座って窓に背を向けて前方ばかりを注視していたので，錦川の眺めをあまり見ていなかった。
まあ，戻るときにきちんと見ることにしよう。
☆ とことこトレイン（08月21日(木)）
錦町1000−1040雙津峡温泉1050−1130錦町
前述のように，計画上は，岩日線は錦川駅から先も伸びるはずだったのだけれど，工事が途中で凍結されてしまったことで錦川より先に鉄路が延びることはなくなった。
しかし，路盤工事はかなりの所まで進んでいたので，その路盤を生かして，ゴムタイヤ式のトロッコ遊覧車を走らせるようになった。
これが，「とことこトレイン」。
このとことこトレイン，法令の上では公園内を走る遊具ということになっている。
すなわち，錦川より先で路盤工事が終わっていた部分を「岩日北線記念公園」として整備して，とことこトレインはその公園内を走る遊具として位置づけたわけ。
鉄道を開通させられなかった跡地の有効利用として，なかなか良いアイディアだと思う。
※ 実際，とことこトレインは2004年「地域活性化への貢献」部門での日本鉄道賞を受賞している。
ちなみに，ここで使われているトロッコ遊覧車は，愛知万博で使われていた電気自動車「グローバル・トラム」なのだそうな。
錦川駅の観光案内所がとことこトレインの切符売り場になっていて，そこで切符を購入した。
そして，とことこトレインの乗り場へ。
当然と言えば当然なのだけれど，乗っているのはほとんどが子ども連れ家族グループ。
中年男がひとりで乗っているのは，私だけ。
とことこトレインは２編成あるのだけれど，第１編成だけではお客さんを乗せきれないようで，急遽，第２編成にも出番が回ってきていた。
盛況なのは，喜ばしい。
ちなみに，第１編成の愛称が「ガタくん」，第２編成の愛称が「ゴトくん」。
最初は，トロッコの後ろのほうの，ひとり用座席に案内された。
しかし，「写真をお撮りになるんですよね」と聞かれて「いいえ」と答えたら，「それならばここではなくて，中程のお席の方が良いでしょう」と言われて席の移動を勧められた。
たしかに，中年男がひとりでこのとことこトレインに乗るというのは「鉄」以外には考えられず，大抵の「鉄」は写真を撮りまくるのだから，私が写真を撮るのだろうという推測の元に配慮してくれたのは，大変気が利いている。
鉄道趣味派であるにもかかわらず写真には全く興味がないという点では，私は結構珍しいタイプなのだと思う。
定刻から少し遅れて，とことこトレインは出発した。
すぐに，広瀬トンネル（通称「きらら夢トンネル」）に入る。
このトンネルの中には，600mにわたって蛍光石による壁画が飾られている。
蛍光石というのは，ブラックライトという特殊な光を当てたときにだけ光る石。
６種類の蛍光石を使った，なかなかに美しい壁画が光っている。
その壁画のところでいったん停車してくれるので，トロッコを降りて壁画を身近に見ることができた。
トンネルを出たところで眼下を流れているのは，錦川の支流である宇佐川。
ガイドで乗っているおばちゃんの話によると，昨日からの雨の影響で川の水はまだ少し濁っているという。
でも，私が見たところでは，十分に透き通っているように見える。
かなり上から見下ろしているにもかかわらず，川底の石が見えるのだから。
２つ目のトンネル「第１山根トンネル」は，コウモリの住むトンネル。
トンネルの出口付近で，大量のコウモリが空中を舞っていた。
外は蒸し暑いのに，トンネルの中は涼しい，というか肌寒いくらい。
よって，トンネルから出ると即座にめがねが曇る。
対岸の山の斜面に，碁盤の目状に区切られた区画が見える。
あれは，わさび畑なのだそうな。
わさびは，錦町の名産のひとつだという。
ちなみに，山の斜面で栽培しているのは，根っこをすり下ろしてからいただく通常のわさびではなくて，葉わさびだという。
なにがどう違うのだろう。
路盤の脇には，ポツポツとむくげの花が咲いている。
むくげは夏の花だけれど，春には染井吉野，山桜，芝桜等が咲き乱れてさくらのトンネルになるという。
栗の木もあって，まだ青いイガが大量になっていた。
終点の雙津峡温泉に到着。
私は再び，ここまで乗ってきた「ガタくん」に乗りこんで折り返す。
そして，再び「きらら夢トンネル」。
行きのトロッコでは，暗いのを怖がってトロッコから降りようとしない４〜５歳くらいの男の子がいた。
戻り道でもやっぱり怖いのか，ママの胸に顔を埋めている。
こら，坊主。
男の子はな，怖くても，やせ我慢しなきゃならないことがあるんだぞ。
もちろん，女の子もだけど。
そんなことを考えながらその男の子を見ていたら，２回目のトンネルはそれほど怖くなくなったようで，今度はトロッコから降りて壁画に触ったりしていた。
とことこトレインは，平均速度10��/hほど，６kmの道のりを40分かけて通り抜ける。
そんなふうにゆっくりと行くのも，また，楽しい。
☆ 錦川駅周辺（08月21日(木)）
清流線の次の列車が出るまで，あと１時間弱ほどの時間がある。
そして，錦川駅にはＰＣのキーボードを打てるような待合室はない。
そこで，駅周辺の街並み探索に出ることにした。
駅前に出ている観光案内図のようなものをざっと眺めて，商店街のありそうな方向へ歩いて行く。
なんだか頼りない感じのする橋が見えたので，ちょっと寄ってみた。
「あづまばし」
「ちょっと待って この橋は一度に25人以上は渡れません」
「重量制限 1.5t」
そんな表示がされている。
商店街（と呼んでも良いのだろうか，要するにお店がポツポツと建ち並んでいるあたり）のあたりには，「町ぐるみ博物館」と称して，映画の資料，ミシンに関する資料，お菓子の資料などが，お店のショーケースに飾られている。
しばらく行ってから「末広橋」という大きな橋で錦川を渡ってみると，学校の建物があった。
この小さな錦町に高校があるとも思えないから，これはきっと中学校だろう，と思ったら， いやいやいや。
山口県立岩国高等学校岩瀬分校。
これ，かつては山口県立岩瀬高等学校だったらしい。
高校のそばの川沿いに四阿があって，「錦川オオサンショウウオの会」の説明文が展示されている。
そこから先が，棕櫚の並木道。
そして，さっきの「あづまばし」の，さっきとは反対側の橋詰めに出たので，この橋を渡ってみることにした。
私が肥満体であるのは皆さんご承知のとおりだが，それでも1.5tはない（当たり前だ(^^;)。
しかし，その体重の私が渡っても，このあづまばしは吊り橋なので，ちょっとは揺れた。
さっきの「商店街」のあたりを，「岩国市生活交通バス」という表示のあるマイクロバスが走っていく。
地域の足としてのコミュニティバスみたいなものなのだろう。
と思ったら，今度は同じ表示のある普通の乗用車が走っていった。
まさか，あの乗用車も「バス」なんだろうか。
☆ 錦川鉄道錦川清流線（08月21日(木)）
錦町1230−1323清流新岩国
列車は12時19分に錦川駅に到着。
これが折り返し12時30分発の列車になる。
行きは前面展望を楽しんだので，戻りは錦川の眺めを楽しむことにする。
それで，進行方向左手のクロスシートを占領した。
腰のあたりまで川に入って渓流釣りを楽しんでいる人が，ちらほら見受けられる。
とことこトレインと同様，川面よりだいぶ高いところを走っている列車からでも，川底の石が見える。
ひょっとしたら，川を泳ぐ鮎や山女魚も見えるんじゃないかとすら思える。
どこの駅からだろうか，車内に大きな黒いトンボが迷い込んできた。
私の近くに降りてきたら，捕まえて車外に逃がしてやろうと思っていたのだが，どういうわけかトンボはこちらに近づいてこなかった。
錦川清流線。
いつかまた来てみたい線路である。
☆ こだま742号（08月21日(木)）
新岩国1352−1407広島
清流新岩国駅でレールバスを降りて，さて，新幹線の新岩国駅まで移動。
測ってみたら，徒歩で５分ほどの距離だった。
実はこれから広島へ向かうのだけれど，岩国から広島へ在来線で移動したのでは，昨日乗った路線に再び乗るだけということになって面白くない。
（いったい，私の「面白い」「面白くない」の基準はどこにあるのか，自分でもよく分からない(^^ゞ)
そこで，ここは敢えて，１駅分だけ新幹線に乗ることにした。
新岩国駅で特急券を購入しようとしたら，そもそも指定席特急券の自動券売機が設置されていない。
まあ，新岩国からの上りのこだま号の自由席が満席ということは考えづらいから，自由席特急券で問題ないだろう。
万が一座れなくても，15分間程度なら立ったままでも全く問題ないし。
13時40分頃にホームに入ってきたこだま742号は，ＪＲ西日本でかつて「ひかりレールスター」として運用されていた車両だった。
新岩国−広島の１区間しか乗らないのが，ちょっと，もったいない。
☆ 高速バス「いさりび」17号（08月21日(木)）
広島駅新幹線口1450−1719浜田駅前
広島駅の「スワロートラベル」窓口にて，浜田駅前行きの高速バスのチケットを購入。
そして，発車時刻の10分ほど前から，バス停に並ぶ。
早めに並んでいたおかげで，バスの左側最前列展望席に座ることが出来た。
バスは広島バスセンター，アストラムの不動院前駅と中筋駅とを経由して，広島インターから山陽自動車道に入る。
そのあたりではいつものとおり，うつらうつらと居眠りをしていた。
このバスはトイレがないので，15時23分頃，寒曳山パーキングエリアにてトイレ休憩。
15時28分に発車するというので，私は26分頃にバスに戻ってきたのだが，私が着席した頃にバスを降りてトイレに行く馬鹿者がいた。
案の定，その馬鹿者は28分になっても帰ってこない。
結局，バスが寒曳山パーキングエリアを出発したのは15時32分頃だった。
まあ，たかが２〜3分ほどの遅れに目くじらを立てることはないのだろうけど，しかし，自分のせいで自分以外の者を待たせることにちょっとは罪悪感を感じてほしいものだ，あの馬鹿者には。
トイレ休憩を取ったあとは眠気に襲われることもなく，ほとんど居眠りせずに前方を眺めていた。
その後，高速バスは，なんと定刻ぴったりの時刻に浜田駅前に到着した。
本日の行程は，ここでおしまい。
今日のお宿は，浜田駅のすぐ近く。
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