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2014年08月21日06:47

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2014年夏休み列車旅05

☆ 水島臨海鉄道水島本線(2014年08月20日(水))
 倉敷市0920−0929三菱自工前

昨晩は結局,夜7時頃から倉敷市の美観地区へ出かけてみた。
夜の美観地区は昼間と違って人通りが少なくて,しかし開いてるお店も少なくて。
倉敷市の公式観光案内ウェブページには美観地区のライトアップが紹介されていたのでちょっと期待したのだけれど,要するにほのかな照明と街灯に照らされた白壁土蔵の雰囲気を楽しみましょう,ということで,それほど華やかなものではなかった。(もちろん,その落ち着いた雰囲気はそれなりに素敵だった)

星野仙一記念館とか,いがらしゆみこ美術館,なんていうのもあった。
いがらしゆみこ美術館に行く人,キャンディ・キャンディ関連の展示がなくてがっかりするんじゃないかなぁ。
(まあ,仕方がないのだけれど。)

それはともかくとして。
一昨日は北条鉄道,昨日は若桜鉄道と智頭急行。
そして本日第一弾の第三セクター鉄道は,この水島臨海鉄道。
ただし,こちらは旧国鉄の路線とは関係がない。
昭和27年,倉敷市営だった鉄道を,国鉄や倉敷市が出資する会社が譲り受けたという第三セクター。
「臨海鉄道」という名前の鉄道会社が大抵そうであるように,この水島臨海鉄道も貨物が主体の鉄道。
ただ,旅客もそれなりに運んでいて,収入は貨物6割・旅客4割程度であるらしい。

JR倉敷駅の隣,ちょっと奥まったところに水島臨海鉄道の倉敷市駅がある。
駅のコインロッカーに荷物を放り込んで,自動券売機で切符を買って,列車が入ってきたのでホームに出てみると,旧国鉄のディーゼルカー,キハ37型と38型の2両編成。
どちらもそれなりの年代物はずなんだけど,外装を丁寧に塗り直されているせいか,年代物という感じがしない。
かつての国鉄ディーゼルカーの,朱色とクリーム色のツートンカラーの塗り分け。

定刻より少し遅れて,列車は倉敷市駅を出発。
電化されているJRの線路の脇に非電化の線路が1本付け加わったような印象で,しばらくはJRと平行して進むのだけれど,すぐにJRの線路とは別の方向に分かれていく。

水島臨海鉄道の線路は,市街地では高架になっている部分も結構ある。
西富井駅のあたりで,その高架線に合流してくる引込み線があるなと思って眺めていたら,その引き込み線の高架には線路が敷かれていない。
きっと,かつては貨物線用の引込み線として利用されていたけれど,使われなくなったので線路を剥がしたのだろう。

西富井駅で,反対方向の列車と交換する。
反対方向の列車は,昨日の若桜鉄道で乗ったのとほとんど同型とも言えるレールバスが,2両つながっていた。
(ちなみに,北条鉄道のレールバスは,似ているけど車両メーカーが違う。)

高架線から下に降りると,「田舎の電車」とでも言うべきイメージの線路になる(電車じゃなくてディーゼルカーだけど。)。
と思っていたら,再び市街地にさしかかって高架線に駆け上がる。
単線鉄道なのでところどころに反対方向列車との交換設備があるのだけれど,この交換用の線路が,長い。
たぶん,貨物列車の交換のためにはこれくらい長い線路が必要なのだろう。

水島本線の列車屋は,あまりスピードを出さないというイメージ。
路面電車のような感じで,わりとゆっくりと走って行く。

水島駅の直前で,車掌から,まるでここが終点であるかのような車内放送が入る。
「本日は水島臨海鉄道をご利用いただき誠にありがとうございました。次は,水島です。お忘れ物ございませんようにお願いいたします」
あれぇ,この列車は三菱自工前行きじゃないのかな。
ひょっとして,鶴見線の海芝浦駅みたいに,三菱自工前駅は駅の外に出られない駅で,だから私のような一見さんはお断りなのかな。
もしかしたら,車掌さんから「お客さん,ここで降りてください」とか言われるのかな。
なんて,ドキドキしていたのだけれど,まあ,何の問題もなかった。

水島駅で,私以外の乗客は全て降りてしまって,私だけを乗せた列車が出発する。
車掌さんが切符を回収しに来たのは,昨日の若桜鉄道で終点の直前に車掌さんが切符を回収しに来たのと同じ。

水島駅を出て,まっすぐ続く高架線の線路を左手に見ながら,私の乗った列車は右手に別れて地表に下りていく線路を辿る。
たぶん,あのまっすぐ行く線路が,貨物輸送の本筋とも言うべき存在なのかもしれない。
いや,でも,私の乗っている線路だって「三菱自工」の前に行くのだから,三菱自工の工場から出る貨物列車に使われてるんじゃないかなぁ。


☆ 「三菱自工前」駅周辺(08月20日(水))

「三菱自工前」駅は,駅舎はなく,駅と言うよりは路面電車の停留所といった方が良いような,道路脇の小さな無人ホームだった。

目の前には「ピー・エス・コンクリート株式会社水島工場」という看板の掛かった工場が見える。
「三菱自工前」なのに,三菱自動車の工場はどこにあるのだろう。
折り返しの電車まで18分間だけ時間があるから,ちょっとその辺を歩き回ってみた。
列車の進行方向に歩いて行くと,「三菱生コン」「三菱宇部セメント」という看板が見えた。
さらにその先まで歩いて行くと,ありました,工場らしき建物の壁に「MITSUBISHI MOTORS」というペイント。
水島臨海鉄道の線路はその工場の前を通って続いており,私が乗ってきたキハ37型+38型の2両編成がその奥に停まっているのが見えた。

美観地区のある,白壁土蔵の並ぶ蔵の町。
水島臨海工業地帯を抱える工場の町。
倉敷という都市の持つ,2つの顔。
まるで別の都市のような2つの顔が,1つの都市の中に隣り合って存在していて面白い。


☆ 水島臨海鉄道水島本線(08月20日(水))
 三菱自工前0947−1014倉敷市

三菱自工前からの戻りの車両は,先ほど見たレールバスと同型のディーゼルカーが1両。
昨日の若桜鉄道のときと同様に,ボックスシートを1つ占領して車窓を眺めていた。

水島臨海鉄道は住宅地の中も走っているのだけれど,ここを長大な貨物列車が走り抜けるというのは,なんだかちょっと不思議な感じがした。


☆ 山陽本線・吉備線(08月20日(水))
 倉敷1027−1045岡山1122−1204総社

水島臨海を乗りつぶして,次に狙う第三セクター鉄道は井原鉄道井原線。
これは,JR伯備線に乗れば倉敷駅の次が清音駅,その次が総社駅で,井原線は総社−清音間を伯備線と線路を共用し,清音から先は独自の線路を走っている。
とすれば,伯備線で清音なり総社に行くのが当たり前なのだけれど。
まあ,せっかくだから(なにが「せっかく」なんだろう?)少しだけ遠回りしてみることにして,JR吉備線を乗りつぶしちゃうことにした。

山陽本線の電車で岡山駅に行き,吉備線の駅でPASMOが使えるかどうか不安になったので自動券売機で切符を買い直し,岡山駅のホームにて吉備線の列車を待つ。
程なく入ってきた総社行きのディーゼルカーは,女性運転士によるワンマン運転。しかし,この運転士さんによる放送も元から録音されている自動放送も
「この電車は」
と始めやがる。
おい,「電車」じゃなくて「ディーゼルカー」だろ!
ディーゼルカーって言うのが嫌だったら,せめて「列車」と言ってくれ。

吉備線の列車は定刻に発車。
しかし,わざわざ遠回りして吉備線を乗りつぶしに来たのに,列車内ではほとんど居眠りして過ごしてしまった(^^;。


☆ 井原鉄道井原線(08月20日(水))
 総社1305−1417神辺

井原線の発車時刻まで1時間ほどある。
しかし,どういうわけか総社駅周辺を歩き回る気にはならなかったので,井原線改札口付近のベンチにてPCのキーボードを叩いて過ごした。

そのうち,ホームに列車が入ってきたので,乗車。
こちらはJR西日本のローカル線用キハ120形レールバスに似た,IRT355形。
若桜鉄道や水島臨海鉄道のレールバスと同じメーカーの,お仲間でもある。

私が乗り込んだときには既に,幼稚園生くらいの男の子の兄弟と,そのお母さんと思われる女性が乗り込んでいた。
男の子たちは運転台の脇で列車からの全面を眺めたりしているので,私は今回は前面展望を彼らに譲り,ボックス席を1つ占拠して足を伸ばすことにする。

列車は定刻に発車,1つ先の清音駅を出たところで井原線独自の線路に入る。
JR伯備線の線路と別れたところで,川を渡る長い鉄橋にさしかかった。
この鉄橋,途中で緩くカーブしている。
川の上でカーブする橋というのは珍しいような気がするのだけれど,どうだろうか。

井原鉄道は,北条鉄道や若桜鉄道のように旧国鉄の赤字ローカル線を引き継いだわけではなく,智頭急行と同様に旧国鉄が途中で建設を凍結した路線を引き継いで,残りの部分の工事を完成させて開業した鉄道。
そのためなのか,線路のほとんどが高架かトンネルになっており,高架になっていないところも盛土の上を走っているので,踏切がほとんどない。

現在,鉄道を新たに敷設する場合は,既存道路と立体交差するようにして踏切を設置しないで済むように建設することになっているのだろう。
それ故に,建設途中で凍結された旧国鉄の路線は,そのほとんどが高架線になっている。
しかし,それほど乗客の多くないローカル線を全線高架で建設するというのは,ちょっとオーバースペックのような気もする。

結局,井原線は,山間の里山や田んぼの中を高架線で突っ切っていく鉄道,という印象だった。


☆ 福塩線・山陽本線(08月20日(水))
 神辺1433−1446福山1454−1521糸崎1557−1654瀬野

井原線からJRへの乗換改札口には自動改札機があり,ICカードにも対応しているので,PASMOをタッチしたら通れてしまった。

福山までの福塩線で乗ったのは,国鉄がローカル電化線用に製造した105系電車。
福山から糸崎まで,そして糸崎から瀬野までの山陽本線で乗ったのは,やはり国鉄の近郊型115系電車。
それらの車内では,ひたすら電子読書端末で小説「1984年」を読んでいた。


☆ スカイレールサービスみどり坂線(08月20日(水))
 みどり口1710−1715みどり中央1730−1735みどり口

古くからの鉄道趣味派にとっては,「瀬野」といえば「瀬野八(セノハチ)」だろう。
八本松駅と瀬野駅との間の急勾配のことで,ここの坂を上る貨物列車は電気機関車をもう1台連結しなければならない。
ただ,今回私が瀬野駅で降車したのは,セノハチとは関係がない。
瀬野駅の最寄りに造成された住宅地「みどり台」と瀬野駅とを結ぶ新交通システム「スカイレール」に乗ってみるために,瀬野で降りたのだ。

「スカイレール」というのは,ロープウェイとモノレールを組み合わせたような乗り物。
懸垂式モノレール(ぶら下がり型モノレール)の構造物にロープウェイのゴンドラがぶら下がっている,と考えてもらえば分かりやすいかも。
通常のロープウェイは強風に弱いので都市内交通機関としては不向きだが,スカイレールは桁構造の構造物が固定されているのでその弱点が克服されている。

さて,そのスカイレール。
瀬野駅に隣接する「みどり口」駅にて,自動券売機で切符を購入しようとする。
券売機のディスプレイモニタには,切符を購入するのならまずお金を投入せよ,回数券や定期券を処理するのならICカードをセットせよ,という旨の表示がなされている。
しかし,そもそも運賃がいくらなのかが表示されていない。
もしかしたらどこかに表示されていたのかもしれないけれど,私はすぐには分からなかった。
お値段が分からないのにお金を入れるというのはかなりの抵抗がある。
でもまあ,数万円も取られるわけじゃないだろうと思って試しに千円札を入れてみたら,運賃160円と表示された(^^)。

この切符,2次元バーコードが印字されており,改札機にこのバーコードをタッチして入場する。
あたかも,空港の搭乗口で搭乗券をタッチするみたいな感じだ。

ゴンドラには8人分の座席があって,既に先客が6人いた。
必然的に,私は空いている席に座ったのだけれど,空いていたのは進行方向に対して後ろ向きに座る席。
ゴンドラ内の座席は,言ってみれば「集団見合い」配置で,進行方向前側に後ろ向きの座席4席,進行方向後ろ側に前向きの座席4席が配置されている。

ゴンドラは完全自動運転なので,駅の改札にもホームにもゴンドラ内にも,従業員の姿を見かけない。
定刻になってゴンドラは勝手に動き出したのだけれど,後ろ向きに座った状態で,後ろ向きに空中の坂を上っていくというのは,ちょっと恐い。
おまけに,このゴンドラ,それなりに揺れるし(^^ゞ。

「みどりなかまち」という途中駅を経て「みどり中央」まで行くのだけれど,車内案内放送は全くない。
降車して駅を出るときには改札口を通る必要がなく,切符も回収されない(回収箱は置いてあったような気がする)。
そのため,この交通システムを運営している側の人間の姿を見かけることは,全くなかった。
未来っぽいと言えばそうなのだけれど,どこかで駅員さんの顔くらい拝めないものかという気もした。

みどり中央まで後ろ向きで上がってきたので,戻りは是非とも進行方向に向かった形で降りていきたいと思い,すぐに折り返しの切符を買ってみどり口行きのゴンドラに乗車する。
今度も先客が2人いたけれども,前向きの席が空いていたのでそこに座った。
それで,坂を下るゴンドラが動き出したのだが,結構な急勾配なので,ゴンドラ後ろ側の席に座ったままだと,頭上の桁構造物によって視界をふさがれる。
しかし,このゴンドラの中で立ち上がったりするのもちょっと恐い気がして(ゴンドラは相変わらずそれなりに揺れるし),結局は前方ではなく側方の景色を見ながら坂を下りてきた。
住宅地を高いところから見渡すのは,壮観。

何となく,とっとと上ってとっとと下りる,という感じでチャッチャと乗ってしまった。
次の機会があれば,今度はもっとのんびり乗りに来ようか,と思う。


☆ 山陽本線(08月20日(水))
 瀬野1726−1840岩国

先ほどに引き続いて,電子読書端末で「1984年」を読む。
今度乗る電車は岩国行きなので,仮に居眠りしたり,逆に読書に熱中しすぎたり たりしても,乗り過ごす心配はない。

そして,ディストピアSF小説の古典とも言われるこの「1984年」を,読了した。
さて,次はなにを読もうか。

そんなことをうだうだとやっているうちに,列車は終点に到着した。
さて,早いとこホテルにチェックインしてしまおう。

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