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2014年08月18日07:04

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2014年夏休み列車旅02

☆ 京都市営バス(2014年08月17日(日))
 四条烏丸0855−0902四条京阪前

京都の市バスは,均一区間の料金が230円。
ICカードは使えないので,当然のことながらPASMOも使えない。
地下鉄四条駅・阪急烏丸駅付近をうろうろして,四条京阪前に行くバスを見つけて乗り込んだ。

四条河原町バス停を過ぎて四条京阪の手前,右前方に歌舞伎座みたいな建物が見えた。
あれはたしか,京都南座。
森見登美彦の小説「有頂天家族」が昨年(2013年)アニメ化されたとき,この京都南座がスポンサーになったことで,あのアニメにも南座がしょっちゅう登場していた印象がある。
私はこのアニメ「有頂天家族」を見たことによって,以前から気になっていた森見登美彦の作品に興味を持つようになり(それ以前にも「聖なる怠け者の冒険」だけ新聞連載小説で読んでいた),「四畳半神話体系」「夜は短し歩けよ乙女」「ペンギン・ハイウェイ」を立て続けに読んでしまった。
もちろん,「有頂天家族」原作小説も読んでみた。
アニメが原作の雰囲気をかなり忠実に再現していることが分かり,しかし細部では原作小説とアニメとで表現が異なっていて,どちらもそれなりに味があって私には良かった。

今回,京都にはそれほど長居をしない。
しかし,森見登美彦ワールドのファンであれば(私はまだ「ファン」と言うほどではない),あのお話に出てくる街並みを自分の足で歩いてみたいと思うだろう。


☆ 京阪本線(08月17日(日))
 祇園四条0910−0919伏見稲荷

四条京阪前のバス停でバスを降りる。
京阪電車の祇園四条駅は地下駅で,四条大橋そばの地下道の入口付近には出雲阿国(いずものおぐに)の銅像がある。
阿国のかぶき踊りが,現在の歌舞伎の起源だと言われている。
その縁で,南座のそばに阿国の銅像が建っているのだろう。

祇園四条駅から乗ったのは,中之島行きの普通電車。
関東地方で生まれ育った私にとっては,京阪電車といえば上半分が黄土色で下半分が赤色のツートンカラーの特急テレビカー,という印象が強い。
でも,私が乗った電車は上半分が緑色で下半分がクリーム色,2色の間に黄緑色の細い帯,という塗り分けだった。
さらに,反対方向のホームに入ってきた特急電車は,上半分が濃紺で下半分がクリーム色という塗り分け。
時代が変わったのか,それとも私が単に無知なだけなのか(当然,私が無知だったというだけのこと)。

電車は,七条駅までは地下鉄状態,東福寺駅の手前で地上に出る。
いつも思うのだけれど,都市の地下鉄路線総延長の距離を比較するとき,京都市街で地下に潜る阪急・京阪・近鉄などの路線は地下鉄としてカウントされていないような気がする。
これは,ちょっとアンフェアではないのかなぁ。


☆ 伏見稲荷大社(08月17日(日))

京阪電車の伏見稲荷駅を出て,ちょっと歩いてからコインロッカーに荷物を放り込み,さて,伏見稲荷大社。
以前に愛知県の豊川稲荷に行ったから,日本三大稲荷のうち2つを制覇したことになる?
「?」をつけたのは,実は,日本三大稲荷については諸説あるらしいから。
Wikipediaの「日本三大一覧」によると,日本三稲荷とは伏見稲荷大社(京都市伏見区)・豊川稲荷(愛知県豊川市)・祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)ということになっている。
しかし,茨城県の笠間稲荷や岡山県の最上稲荷を三大稲荷に含める見解もあるとのことで。

今回,この伏見稲荷に来てみたかったのは
(1)私が最近すっかり嵌まっているライトノベルシリーズ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(通称「俺ガイル」)で,主人公たち奉仕部ご一行様が修学旅行でこの伏見稲荷を訪れている。
(2)先頃放映された深夜アニメ「いなり,こんこん,恋いろは。」(略称「いなこん」)で,伏見稲荷の主神たる稲荷大神を構成する宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を擬人化して主要登場人物にしている。
という2つの理由による。

なお,島田裕巳「なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか」という本によると,稲荷神は記紀神話には登場せず,歴史が進行していく中で新たに祀られるようになった神さまであって,その後に記紀神話の豊受大御神(とようけのおおみかみ)と習合したとされる。
元々は,朝鮮半島からの渡来人である秦氏が祀っていた「伊奈利」と呼ばれる穀物神が,稲荷神のルーツだというのだ。
※ ついでにいえば,稲荷といえば狐だけれども,狐はあくまで稲荷神の使いであり眷属にすぎない。

ことほどさように,日本の神道というのは良い意味でいい加減なものだったりする。
よって,敵と味方を厳格に峻別して味方のみを神として祀るような護国神社・靖国神社のやり方は,神道本来のあり方とは異なっていると私は思うのだけれど,まあ,これは今回の伏見稲荷訪問とは関係がない。
というか,靖国神社のようなやり方をも呑み込むのが,日本の神道の懐の深さなのだろう。
それに,考えてみれば東照宮は徳川家康公だけを祀り,豊国神社は豊臣秀吉公だけを祀っている。
靖国神社だけを「敵を祀らない」と言って非難するのは,やっぱりアンフェアかもしれないし。

伏見稲荷周辺のそこかしこに,幟が立っている。
「外国人に人気の日本の観光スポット・日本国内・第1位獲得」
世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」(米国)の「外国人に人気の日本の観光スポット」部門で,伏見稲荷が2014年の第1位になったというのだ。
大抵のお稲荷さんはやたらと「正一位稲荷大明神」という幟を掲げるのが好きだけど(稲荷神は,最初は従五位下が授けられていたのが,時代とともに正一位を授けられたのだそうな),トリップアドバイザーで1位を獲得したのもそれと同じような感覚なのかな。

外国人に人気の観光スポットというだけあって,アジア系・ヨーロッパ系を問わず,外国語がそこかしこで飛び交っている。
ところ構わずカメラを構える人も多い。
いつもだったら私は,写真撮影の邪魔にならないように腰を屈めたり撮影が終わるのを待ってから通ったりするのだけれど,ここではそんなことをしていたら前に進めない。
よって,かまわず前に進む。

手水舎で手と口を清め,本殿に参拝。
二礼二拍手一礼。
飢えることなく平和に暮らせますように。
しかる後に,本殿の左脇を抜けて千本鳥居へ。

赤い鳥居のトンネルが始まって,しばらく行くと通路が二股に分かれている。
どちらを通れというような順路の指定もない。
古来,特に武士の時代には左側通行が世の習わしだった。
きっと,かつての伏見稲荷も左側通行だったのだろう。
勝手にそう考えて,左側の鳥居トンネルを通ることにした。

「いなこん」には,主人公の伏見いなりという中学2年生の女の子が,狐たちとともにこの鳥居のトンネルの坂道を駆け上り,ついには高天原の天岩戸まで駆け上がっていくシーンがある。
たしかに,この赤い鳥居のトンネルは,遠く高天原まで続いていくような気が,しないでもない(^^)。

千本鳥居のトンネルを通り抜けると,奥社奉拝所。
その奥社奉拝所の右奥に「おもかる石」という石灯籠がある。
この灯籠の前で願い事を立て,その後に石灯籠の頭の石を持ち上げてみる。
石が思ったより軽ければその願いは叶うし,石が思った以上に重ければその願いは叶わない。
そういう石なんだそうな。
「おもかる石」の付近は結構混み合っていたので,今回はパス。

境内案内図に「千本鳥居」と表示されている鳥居トンネルを抜けたあとも,まだまだ鳥居のトンネルは続く。
たまに鳥居が欠けているところがあって,そこには奉納予約?の小さな木札が立っていたりする。

これだけたくさんの鳥居が立ち並んでいると,訪れる者にとっては1本1本の鳥居は多くの鳥居のうちの1本に過ぎない。
しかし,その鳥居を奉納した人にとっては,その鳥居は他の鳥居とは異なる,大切な1本になるのだろう。

木立の間を抜けていく道は,涼しい。
しかし,今日は湿度が異様に高い。
つまり,蒸すのだ。
おかげで,上半身汗まみれ。
持ってきた小さなハンカチは,既にぐっしょりと濡れている。

たまにある境内案内図が,あまり親切な表示になっていない。
全体の経路の中で自分がどこをどう通ってどのあたりにいるのか,分かりづらい。
いったい,どのあたりまで来たのだろう。

そのうち,「三ツ辻」を過ぎて「四ツ辻」と呼ばれるあたりまできたのが,10時30分頃。
案内の看板によると,ここからさらに奥の稲荷山山頂・一の峰(上社神蹟)を回って戻ってくるのに30分かかるという。
ちょっと,それは時間的にきついかな。
それに,もう,汗だくで上半身がびちょびちょ。
そんなわけで,体力的にはまだ余裕があったのだけど,ここ「四ツ辻」にて引き返すことにした。
そういえば,「俺ガイル」の奉仕部ご一行様3名も,ここ「四ツ辻」で休憩してから引き返したはずだ。

下りは,上ってきたのとは少し違うルートにしてみようかと思って,途中の案内図を見ながら下っていったら。
迷った。
どうやら,通常使われるルートではない小径に入ってしまったようだ。
しかし,そこかしこに鳥居が並んでいるのは変わらない。
伏見稲荷の境内であるのは変わらないのだから,歩いていればどこかに行き着くだろう。

そのうち,雨も降ってきた。
傘は,先ほどコインロッカーに放り込んだボストンバッグの中。
仕方がない,林の中で雨宿り。
もっとも,雨に濡れる前から既に汗でびしょびしょになっていたから,状態はさして変わらない(^^;。

前述の「なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか」には,京都の大学生が伏見稲荷の鳥居の数を数えてインターネットにアップロードしたとの記載がある。
おそらく,このウェブページのことだろう↓。
http://fleshwords.web.fc2.com/jikken/ji25/ji25_1.htm
本当に,いたるところに鳥居がある。
神出鬼没と言って良いかもしれない。
そして,「なぜ八幡神社が〜」によるとその鳥居が日々入れ替わっているというのだから,恐れ入る。

ちょっと脇のほうに入っていったあたりには,お稲荷さんの朱色の鳥居ではなく竹で組まれた鳥居が並んでいるところもあった。
さらには,稲荷神社の境内なのに「大日本大道教」とか「鬼法教総神苑」なんていうのもあった。
(「大日本大道教」は道教,「鬼法教総神苑」は鬼子母神を祀る仏教であるらしい。
やっぱり,神道は懐が広い。

そうこうするうちに,さっきの本殿の脇の道に出た。

☆ JR奈良線・嵯峨野線(08月17日(日))
 稲荷1059−1104京都1117−1133嵯峨嵐山

先ほど,「京阪電車の伏見稲荷駅を出て,ちょっと歩いてからコインロッカーに荷物を放り込んで,」と記したのは,つまり,JR奈良線の稲荷駅にあるコインロッカーに荷物を入れたのを,ちょっとぼかして表現したもの。

そんなわけで,コインロッカーから荷物を取り出してから,稲荷駅1番ホームに向かう。
そのうちホームに入ってきたのは,かつての山手線と同じ緑色の,それこそかつての山手線と同じ103系電車。
しかも,外板は結構ゆがんでいたりする。
(内装はリニューアルされているみたいだけど。)
JR西日本さん,古い車両に手を入れて大切に使おうという姿勢は良いと思うけど,でも,外板のボコボコくらいは直しませんか。

稲荷駅の隣の東福寺駅が,京阪電車との乗換駅。
そういえば,「俺ガイル」奉仕部ご一行様は,伏見稲荷を出てから東福寺にまわったんだっけ。
東福寺は紅葉で有名なお寺だという。
やっぱり,京都は秋に来た方が良いのだろうか。

京都駅にて,今度は嵯峨野線の電車に乗り換え。
こちらはJR西日本の新快速にも使用された旧看板車両・221系電車。
さっきまで乗っていた103系とは,かなり対照的である。

車内放送によると,昨日の大雨の影響で,園部から和田山までの山陰本線は終日運休になっているという。
私が伏見稲荷で遭遇したのが,ちょっと雨宿りすれば止んでくれるような雨で良かった(^^)。


☆ 竹林の小径(08月17日(日))

嵐山にやってきたのは,これもやはり「俺ガイル」が原因。
登場人物である由比ヶ浜結衣(ゆいがはま・ゆい)が言っていたのだ。
「ここだ! ここがいいよ,たぶん!」
「何が」
「こ,告られる,なら」
ゆいゆいが「告られたい!」と思った場所,ゆきのん(雪ノ下雪乃(ゆきのした・ゆきの))が「雰囲気はとても素敵ね」と評した場所,「俺ガイル」第7巻のクライマックスシーンの場所がどんなところなのか,見てみたかった。

例によって例のとおり,嵯峨嵐山駅のコインロッカーに荷物をぶち込んでから,駅前の案内図を見て歩き始める。
しばらく歩いたところにある野宮バス停のあたりから,トロッコ嵐山駅のほうへと入っていく道が,「竹林の小径」。

最初のうちは,率直に言って
「たしかに素敵な小径だけれど,ゆいゆいがここで告られたいと思うほどに雰囲気ある場所とは思えないなぁ」
と思ったのだけれど。
道が半ばを過ぎて天龍寺北門を過ぎたあたりで,雰囲気が変わった。
うっそうと茂った竹林に,吸い込まれそうな感触の坂道。
なるほど,これはクライマックスにふさわしい。

その竹林の小径の坂道を上っていったところで,街頭パフォーマーのおじさんが,小さな笛で「アメイジンググレイス」やら「仰げば尊し」やらを演奏している。
そういうのが好きな人にとっては,アコースティックな音色が竹林の雰囲気に合って好ましい,ということになるのだろう。
実際,人工音の楽曲に比べれば,このアコースティックな笛の音は竹林によく合っている。
しかし。
私としては。
パフォーマーのおじさんには悪いけど,笛の演奏を止めてほしいと,心から思った。

まわりの人たちが立てる物音やおしゃべりは仕方がない。
しかし,それ以外の余計な音はいらない。
ただ静かに,この竹林のこの小径を,ゆっくりと歩いて行きたい。
ここでのBGMは,たとえアコースティックな音色であっても,余計な存在でしかない。

小径を抜けた先,トロッコ嵐山駅の前の露店で,昔懐かしいラムネを購入した。
プラスチックの容器だったのが,ちょっと残念。
栓になっているビー玉を押し込んで,あふれ出てくるラムネを慌ててすすり込む。
ラムネは,冷えてて美味しかった。

今来たこの竹林の小径をもう一度抜けて,JRの嵯峨嵐山駅へと引き返した。


☆ JR嵯峨野線・京都線〜神戸線(08月17日(日))
 嵯峨嵐山1306−1318京都1400−1450三ノ宮

先ほど乗った嵯峨野線を,先ほどと同形式の221系電車で京都駅に戻る。

次に乗るべき姫路行き新快速は京都駅5番ホームから出るのだけれど,その隣の7番ホームにある待合室ががらがらだったので,そちらに陣取ってしばらくはPCのキーボードをパコパコ打って過ごす。

その後,今度は新快速225系電車に乗って,一路神戸へ。
最初は座れなかったけれど,大阪駅でかなりの乗客が入れ替わったので,そこで座席にありつくことが出来た。
その後,三ノ宮まではまたも居眠り。

三ノ宮で下車した後,あらかじめ予約しておいたホテルにチェックインした。


☆ まやビューライン(摩耶ケーブル&摩耶ロープウェイ)(08月17日(日))
 摩耶ケーブル1720−1725虹の駅1730−1735星の駅

ホテルの部屋で,まだ生乾きのシャツと下着を着替えて,一息つく。
ひと休みしたところで,再起動。

ホテルの前のバス停から,神戸市営バス18系統・JR六甲道駅行きのバスに乗る。
210円の均一運賃。
神戸市営バスはICカードが使えると聞いていたのでPASMOが使えるかなと思ったのだけれど,残念ながらPASMOもSuicaも使えなかった。

さすが,神戸は坂の町。
バスは,狭い路地の坂道をぐいぐいと力強く上っていく。
20分ほどで,「摩耶ケーブル下」バス停に到着。
ここから,ケーブルカーとロープウェイとを乗り継いで,摩耶山頂の掬星台展望台へと向かう。

切符売り場にて切符を購入しようとすると,係のお姉さんが出てきて,現在,山頂はガスがひどくてほとんど何も見えないので中腹から景色を見た方が良い,ついては,中腹までのケーブルカーの切符だけを買ってはどうか,と提案してくれる。
ただ,せっかくここまで来たのだから,ダメ元で山頂まで行ってみたい。
そこで,お姉さんの忠告をありがたく聞いた上で,それでもケーブルカー+ロープウェイで山頂まで行くセットの乗車券を購入した。
ところで,ケーブルカーはともかく,ロープウェイの切符のことも「乗車券」って言うのね。
ロープウェイのゴンドラは,あまり「車両」という感じがしないのだけど(自走式のものを除く)。

ケーブルカーの所要時間は5分間,ロープウェイも5分間。
ロープウェイに乗ってしばらくの間は眼下に広がる神戸市街の景色がよく見えたのだけれど,あと1分で山頂の「星の駅」に着くというところで急に靄がかかって,視界が悪くなった。
なるほど,切符売り場のお姉さんが言っていたのは,こういうことか。

なお,摩耶ロープウェイのゴンドラは,本来ならば「ひこぼし」「おりひめ」の2台で運行するはずなのが,現在は「ひこぼし」1台のみ。
摩耶ロープウェイは,システム更新の不具合によって今年1月から5月まで運休していた。
その際,「ひこぼし」の破損はたいしたことがなかったのだけれど「おりひめ」は建物に激突して修復不能となり,スクラップになった。
それで「おりひめ」を新たに作り直すことになり,「おりひめ」ができあがるまでは「ひこぼし」のみで,通常の2倍の頻度にて営業運行しているとのこと。
重量のバランスを取るために,「おりひめ」があるべき位置には骨組みだけの荷重ゴンドラがぶら下がっている。


☆ 摩耶山掬星台展望台(08月17日(日))

ロープウェイ駅の建物を出て,展望台に行ってみる。
しかし,展望台からの視界は,真っ白。
これでは,夜景もへったくれもない。

もっとも,展望台にいらっしゃるカップルの方々は,それぞれこの白い世界にて2人だけの世界を作っていらっしゃる。
私はお呼びでないわけなので,ロープウェイ駅建物2階に併設されたセルフ方式のカフェテラスに引き返す。

セルフカフェのお客は,私だけ。
コーヒーとホットドッグを注文した。
ホットドッグが出来たらコーヒーと一緒に持ってきてくれるとのことなので,窓に面したカウンター席に陣取って待つ。

こういうお店でホットドッグを注文すると,思い出してしまうのが藤原伊織のハードボイルドミステリ「テロリストのパラソル」。
酒とホットドッグしか出さないチンケなバーで雇われマスターをしている主人公・島村の作るホットドッグが,重要なアイテムとして登場する。
1 フライパンにバターを溶かし,ソーセージを炒める。
2 フライパンからソーセージを取り出し,同じフライパンで千切りにしたキャベツを炒める。
3 キャベツを塩・胡椒・カレー粉で味付けする。
4 パンにキャベツとソーセージを挟み,オーブントースターで軽く焼く。
5 最後に,ケチャップとマスタードをスプーンで流し込む。

当然のことながら,ここ摩耶山のセルフカフェコーナーではそんな凝ったホットドッグは出てこなかった。
パンにソーセージが挟まっただけの,シンプルなもの。
自分でマスタードとケチャップをかけて,さて,いただきます。
実は,これが意外にも(と言っては失礼だけど),きちんと美味しかった。
それに,ドリップコーヒーも美味しい。
思わず,コーヒーのおかわりと,それとカレーライスを追加注文してしまった(^^ゞ。
そのカレーライスも,やっぱりきちんと美味しかった。
どこか,スープストックトーキョーのカレーライスを思わせるお味。

そんなふうにカフェテラスでしばらく過ごしていると,おや,視界が晴れてきたような。
眼下に,神戸の街並みが見えるようになってきた。
ここは,カレーライスとコーヒーをゆっくりいただきながら,空が暗くなるのを待つことにしよう。

18時50分頃,このセルフカフェもそろそろお客が増えて騒がしくなってきたので,外の展望台にて暗くなるのを待つことにした。
遠くから舟の汽笛の音が響いてくるのは,さすが,港町神戸。

19時20分頃になって,ようやく空が暗くなる。
そういう状態で見下ろす夜景は,たしかに,美しい。
さすがは,日本三大夜景。
海の黒,街の灯り,山の黒,これらが織りなすコントラスト。

神戸の夜景は,ポートアイランドと六甲アイランドという2つの人工島が出来る前から,100万ドルの夜景だったのだろう。
しかし現在では,この2つの人工島が存在することにより,海の黒さと人工島の灯りとの対比が一層変化に富んだ光景を作り出していて美しい。

私はこれで,日本三大夜景を制覇した(^^)v。
日本三大稲荷と異なり,日本三大夜景が神戸・長崎・函館であることには異論がない。
私としては,函館山から見る夜景が最も美しいと思うけど,ここ摩耶山掬星台から見る神戸の夜景も,函館の夜景に次ぐ美しさだと思った。
函館の夜景は視野の角度がわりと限定されるのに対して,神戸の夜景は左右への広がりがある。
※ なお,稲佐山から見る長崎の夜景は,函館・神戸と比べると一歩譲る感じがある。

ポートアイランドのさらに向こう側に,神戸空港の灯りが見える。
空港に離着陸する旅客機の灯りが見えないかな,と思ったけど,さすがにそこまでは見えなかった。


☆ まやビューライン(摩耶ロープウェイ&摩耶ケーブル)(08月17日(日))
 星の駅1958−2003虹の駅2020−2025摩耶ケーブル

ロープウェイやケーブルカーが混み合う前に,山を下りることにした。

ロープウェイが出発して1分ほど経ったところからの,神戸の夜景がすばらしい。
夜景は単純に高い所から見れば良いわけではない,ということがよく分かった。
少し低くなった分だけ,街の灯りの光が少しだけ大きく美しく見えるのだ。

さて,摩耶ケーブル下のバス停から,18系統のバスに乗ってホテルに戻ろうか。

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