真っ白なシロヤシオ、ピンクのシャクナゲ
そんな花の大峰に出会えた一日。
5月31日
水太林道の登山口で相方を下すと、行者還トンネル西口に向かった。
ここには去年にはなかった管理棟とトイレが設置されていて、空き地は駐車場に整備されていた。
着くとすぐに管理人がやってきたので、1000円払う。
駐車場にはすでに10台以上の車が止まっていた。さらに次々と車が入ってくる。大型バスもやってきた。
6時半に出発する。
奥駈道に登る尾根道には今まで見たことがないくらいたくさんのシャクナゲが咲いている。ちょっと枯れ始めてはいるが、見事だ。稜線上のシャクナゲに期待が高まる。今年はどこもシャクナゲが当たり年らしい。
奥駈道に近づくと、今度はシロヤシオが多くなる。
出合に着いてから行者還岳に向かう。多くの人はここから八経ヶ岳に行く。八経ヶ岳は近畿の最高峰だし、百名山にもなっているので、人気があるのだ。
だが、私はこの時期は行者還岳に行くことにしている。何しろシロヤシオが綺麗なのだ。
奥駈道は期待通りにシロヤシオが満開だった。真っ白なシロヤシオ。ピンクがかったシロヤシオもある。
そして、人は少ない。
ちょっと期待した山芍薬は蕾が1輪あるだけだった。クサタチバナは数厘咲き始めていた。
この時期、山芍薬、シャクナゲ、シロヤシオ、クサタチバナは順に咲いていくから、一度に全部を見るのは難しいのだ。
行者還小屋で一休みしてから行者還岳に向かう。梯子を登る。昔、梯子がなかったら、確かに行者さんは登るのをあきらめて帰っただろう。
奥駈道から少し外れた行者還岳に登る。シャクナゲが満開だった。今まで何回かこの時期に登っているが、こんなにきれいにたくさん咲いているのは初めて見た。
携帯が鳴った。相方からだ。予定では水太林道から直接大普賢岳に登ることになっていたが、七曜岳に登り、そこから大普賢岳を往復するというメールだった。こちらもメールをしようとしたが、すぐに圏外になってしまった。
七曜岳に向かう。この道もシャクナゲやシロヤシオが綺麗だった。
目指す大普賢岳が近づいてくる。
相方からまたメールが来た。10時過ぎに大普賢岳を出たという。七曜岳に着くのは11時20分頃だろうか。
私は11時に七曜岳に着いた。ここで、相方と会うことになっているのだ。
若い男性が登ってきた。話をすると、彼は冬の間は白馬五竜スキー場でリフトの仕事をしていたそうだ。そして、これから徳島の実家に帰って、夏の間はラフティングのガイドをすると言う。
私が3月末に小遠見山に行ったと話すと驚いて、もしかしたら会っていたかも知れませんねと言った。
長野からいろいろな山に登りながら徳島に帰ると言う彼は、大峰は初めてだった。明日もお天気が良さそうだからどこかに登りたいと言うので、釈迦ヶ岳を勧めた。
相方が登ってきた。無事に会えてほっとする。途中の道の様子などを伝え合って別れる。
相方は行者還岳からトンネル西口に下りるのだ。
七曜岳の下りは鎖場もある。こういう形態の登山はどちらかにアクシデントがあると大変だ。いつもより慎重になる。
国見岳の下のシャクナゲも見頃だった。
大普賢岳に午後1時に着く。
快晴の空だが、午後の上に黄砂の影響もあって遠くの景色は霞んでいた。
ここからは小普賢岳を過ぎて、鷲の窟の手前で下りる。この道は初めてだ。
大きなブナが多い森は新緑がとてもきれいだ。
和佐又からの道に合流する。ここからの道は何度か通ったことがあるが、いつも登りだった。急で鎖もあるこの道を下るのは嫌だった。ここは登りに使うほうがいいなあと思う。
やがて水音が聞こえてくる。水簾の滝だ。この滝を見るのは初めてだった。
水簾の滝を過ぎて後は林道に向かって下りて行く。かすかな踏み跡がある道にはテープが付いていた。
林道に着く。相方はまだ来ていない。川で顔を洗う。冷たい水が喉を潤す。
林道を歩き出してしばらくすると、見慣れた車がやってきた。
お互いの無事の下山を喜ぶ。
水太林道からの相方と、行者還トンネル西口からの私の、それぞれの大峰縦走。
5月末にしては暑すぎるような天候だったが、それぞれに白とピンクの花の饗宴を楽しんだ一日だった。
やっぱり大峰は素晴らしい。
車は下北山村の温泉を目指して走る。
いや、その前に天ヶ瀬のトイレだ・・・・・・
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