S氏宅で一夜明けた日曜日はオオフジツボ弾丸北海道ツアー2日目にして最終日です。
この日の昼は、オオフジツボ来道の情報が入る前に別件のコンサートのチケットをS氏の分と2枚入手してしまっていたのですが、選ぶとすれば私にはオオフジツボでした。
幸いというのか何というのかS氏はチケットのあるコンサートの方に行ってくれるということで、チケットが2枚とも無駄にはならずに済みました。
琴似からS氏と一緒に地下鉄で大通まで向かい、そこからは独りのやを目指しました。
会場では野良窯にもいらしていた東京方面からの男性客二人連れと女性客、前年（2012年）7月にも当別とのやにいらしていた登別方面からの男性客、札幌からは吉田夫妻や最近ライブ会場系知人となりつつあるK村氏などの姿がありました。吉田夫妻は同じのやでのオオフジツボ初北海道ツアーの時に客席にいらして以来、藤野さんとは4年ぶりの再会だったのではないかと思います。
これに加え、一角にはフライヤー類が置かれた席があり、そこには座らないようにとの御注意があったのですが、少し遅れて一団の方々が来場し、どなたかと思えば坂本さんやオオフジツボのライブで交際を深められて結婚された若夫婦ら、当別町からの一大集団だったのでした。いくみんとさんのお母様の旧姓久保真奈さんは札幌市民だった筈ですが、坂本さんらとともに姿を現し、一緒に予約席に着席されていました。皆さん今回は1泊弾丸ツアーで当別でのライブがないということからの来場と思われました。
前回（2012年7月）の時は、金曜日の当別と日曜日の野良窯の間に挟まれた土曜日ののやは、最初お客の出足がちと寂しかったのですが、この日は早々に満席となり、最終的にはぎゅう詰め状態になりました。ただ、今回も当別公演が組み込まれていたならばあるいはこれほどではなかったかもしれません。私はほどほどの位置に着席した筈が、りびあんの田畑さんをはじめ15時半の開演近くなってから訪れてきた方々の座る場所がなく、そうした方々が出演者の真ん前に新たに椅子を置かれた席に案内されたので、私からはちょっと視界不良になってしまいました。
野良窯ではあらさんお一人との共演でしたが、この日の共演相手はあらさんと嵯峨さんのRAUMAです。前夜の野良窯と同じ「村は新月を待ち」や、あらさんのオリジナル「雨のメリーゴーラウンド」がRAUMAバージョンで演じられました。本来予定されていた曲と違ったのでしょうか、譜面を探していた嵯峨さんが、楽譜が出て来なかったらこちらにしましょうとあらさんに提案されて始まったのは「トナカイの子守歌」でした。
後半のオオフジツボの出番の前の準備中だったでしょうか、藤野さんが「ありがとうございます。」とおっしゃってくださったのですが、目を合わさずにおっしゃったので私のことかどうかわからず反応が遅れていると、「〜さん」と続けて私の実の名を呼んでくださいました。
オオフジツボ１発目の曲は壷井さんの「暁の地平」でした。八戸でも演じられたのではなかったでしょうか。2011年発表の2枚目のアルバムにも収録されているとはいえ、壷井さんによる導入部や、それが藤野さんに引き継がれるところなど、最近とみに心に残るようになりました。
「なのはな」では、前夜の野良窯と同様、ビートルズのyesterdayに勝って中尊寺公式youtube CMのBGMに選ばれたとの御紹介があり、壷井さんでしたか、ぶっちゃけ使用料の差かなどとおっしゃったのに対し、太田さんが真顔でそうじゃないですかね、などと返していたのはこの日のことだったのではないかと思います。録音自体はこれからされるそうで、急げというメールが来ているのに北海道に来てしまった、てへといった発言を藤野さんがされていました。
太田さんの「雨の観覧車」も前夜に続いて披露されたのですが、これと対にしたくて富良野からのあら車の中で、藤野さんがあらさんに「雨のメリーゴーラウンド」をやってやってと慫慂されたそうです。
「秋霖」、平泉セットに続き、アンコール前のラストは、八戸や野良窯では披露されなかったと思われ、前年（2012年）7月以来で聴いた「空駆けるもの」だったと思います。
この最中でしたか、PAの電源が落ちてしまい、皆さん驚きながらも演じきるといいことがありました。
こういうときも生音で何とかなるのがアコースティック楽器のいいところだと壷井さんがおっしゃっていましたが、私も殆ど違和感は感じなかったのです。
MCでは、この年に発表されてツアーにもお持ちだった藤野さんのソロアルバム『心ふるわすもの』について、なかなか流通に載せられなくて…と言おうとして藤野さんが「流出」と言ってしまい、絶妙な言い間違えぶりがさんざん壷井さんの突っ込みを誘っていました。
同じくこのツアーで販売されていた東北支援のコンピレーションアルバム『久遠の鐘』についても、壷井さんが『不穏の鐘』などと茶々を入れていたのではないかと思います。
いつ帰ってきてもいい我が家のように思ってくれとの川端さんの言葉がありがたいとの藤野さんからの謝辞もありました。
RAUMAが加わっての共演曲は、Josephin’s WaltzとYellow Submarineでした。
Yellow Submarineでは、嵯峨さんがいつもの喉歌交じりに「つりも渡すよサインもするよ」などと歌われるうち、アルバムの名前何でしたっけと傍らの藤野さんにお尋ねになった後PRされたのは、オムニバス『久遠の鐘』やオオフジツボ2nd『夢のあと』ではなかったかと思います。
MCが長くなるのを戒め21時のフライトでお帰りになる旨の壷井さんの御発言がライブ中にありました。終演後は19時過ぎの快速エアポートに間に合うように嵯峨さんとあらさんが車でお送りになったのですが、それまでの間、やや慌ただしいながらもお客とお三方の交流が繰り広げられていました。
ライブスペースのすぐ外で笑顔で藤野さんに挨拶される香聡庵のみかさんのお姿が記憶にあるのですが、少し遅れて私がそこに出た時には既にみかさんの姿はなく、幻だったわけではあるまいかと思われたことでした。
この日、ジャックでは、時間帯ものやと重なる15時から、ナカムラちゃんさん、スズエさん、成田（妻）さん、なまらやがんこさんらによる「そろそろソロ？」と称する昼下がりライブがあったのです。後にみかさんがお書きになっていたところによると、中でもトップバッターのナカムラちゃんさんを見逃すわけにはいかないと、のやの藤野さんに逢いに行こうと考えていたのを遅らせてジャックに急いだということのようでした。幻ではなく、ジャックの後に急いでおいでになったものだったのでしょうか。
ジャックの客席も、小松崎健さん、扇柳さん、麦々堂夫妻、なまらやギタローさん、まうさん、長崎さんらが結集して満席となり、大変な盛り上がりだったようです。私も札幌に住んでいて普通の日曜日だったのなら訪れていたところでしょう。オオフジツボ終演後ののやでもK村氏と、ジャックに行った人も多かったのだろうねと語らいました。ジャックとの重なりがなければ、のやの方も更に超満席になっていたかもしれません。
この日、受付と物販をされていた、たなかたかこさんが、現金とCDの残枚数を厳格に数えておられ、KBBのアルバムが最初に○○枚あったのだとしたら合うのですが…などとの申し出に、壷井さんは鷹揚にだいたいそれくらいだったと思うのでOKですなどと応じておられました。
さて、あらさんと嵯峨さんのお車で札幌駅に向かわれる皆さんを見送った後、私はライブの時間帯を知る前に本来必要のなかった夜行バスを手配してしまっていたため、4時間ばかり時間がありました。そこで、せっかく夕飯時にライブも終わったのやにいるのだしとのやで夕食を摂ることにすると、K村氏も付き合ってくれました。札幌在住当時は打ち上げのお料理は別としてレストランとしてののやでメニューから食事をしたことはなかったのではないかと思われます。この2か月前、道南へのJR全便運休の夜の星さんと扇柳さんのライブ後に初めていただいて以来2度目のことでした。
K村氏と同じテーブルで食べている最中にあらさんと嵯峨さんが戻っておいでになり、目礼を交わしました。食べ終わった後は、のやから出たところでK村氏ともお別れし、ネットカフェで藤野さん掲示板にライブの感想など書き込んだりしながら23時55分の発車時刻を待ち、生涯3度目となる深夜バスにて早朝5時の道南に帰り着いたのでした。
さて、次のライブは2週間後に再びのや、4年前オオフジツボ初来道の前夜のジャック以来でお会いするhataoさんが上原奈未さんと1泊弾丸、私も日帰りです。
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