札幌三連泊の次のライブは3週間後。2013年10月5日（土）は、そもそもは小松崎健さんのハンマー・ダルシマーの原点とも言えるカレン・アッシュブルックがアミカに来るという日でした。
土曜日ということもあって札幌に行くことはできると思われましたし、翌6日（日）にはちょっと行ってみたいコンサートもあり、私には珍しい予めチケットを買っておくたぐいのものでしたが、S氏も誘って手配を済ませてありました。こちらには後からがんこさん成田妻さんスズエさんナカムラちゃんさんらのジャックライブも重なりました。
ところがオオフジツボの3度目となる来道の情報が予定を一変させてしまいました。
日にちだけがわかった時には、カレンは諦めて富良野に向かうとしても、6日のコンサートは昼間だったので、オオフジツボとのはしごができる豪華スケジュールになると喜んですらいたのです。
以前にも書いたように、9月の八戸行きの直前に、10月のオオフジツボ御来道時のスケジュールも時間帯までわかりました。10月6日（日）ののやは衝撃の15時半開演で、昼のコンサートとは両立できません。いつも夜行バスで帰る私を可哀想に思って早い時間にしてくれた…のであればお気遣い無用とお伝えするところですが、もちろんそうではなく、お忙しいお三方のこと、その日のうちに東京にお帰りになるのではないかと思っていたのがそのとおりであることを八戸で確認させていただくことができました。
チケット入手済みとはいえ、選ぶならばやはりオオフジツボでした。
首都圏在勤当時は今以上にこういうことがあって、チケット購入済みのライブを見送って後からわかった方に行くことをS氏などとの間で俗に「券をちぎる」などと称していました。
当時住んでいた千葉の共同住宅のエレベーター内に、行けなくなったので関心のある方はどうぞとの添え書きとともに貼り出して他の住人に行っていただけたケースもあることはありましたが、会場に空席を作ってしまったこともあったと思います。
申し訳なく思いながらも、チケット代は支払い済みで主催者や御出演の方々に経済的損失は生じないことが救いでしたが、それで済む問題ではないというお叱りもあるかとは思います。
前年（2012年）7月と同様、最初はS氏が富良野にまで行くかどうか未確定であったところから、交通機関でたどり着いてその夜は実家の旭川泊か滝川のホテル泊かなどということも一時は検討したのではなかったかと思います。
幸い、今回も野良窯にはS車で赴くことができると同時に、S氏は6日はオオフジツボではなくチケット手配済みのコンサートに行ってくれるということで、チケットのうち1枚は無駄にならずに済むことになりました。
10月5日（土）は、その日のうちに富良野までたどり着くということで、道南は早い時間に出発したのではなかったかと思います。琴似でS氏と合流し、S車にて富良野に向かいました。
富良野に到着してからは、2011年7月のきりくまツアー以来で千成に入り、しゃぶしゃぶで腹を満たしてから野良窯に向かいました。
野良窯では、前回のオオフジツボ以来1年以上ぶりだったというのに、大槻さんが先日はどうもなどとおっしゃって我々を迎えてくれました。先日などと言われると、あるいはS氏が私の知らないうちに野良窯に最近来ることがあったのだろうかなどと疑ってしまうところです。
ライブの度に来てくださってと、以前にJJFの皆さんに過分な御紹介をしてくださった時と同じ言葉もかけてくださいました。こういう場を作ってくれるおかげですとお答えすると、そういってくださるとと応じてくださり、新しくPAも入れましたのでともおっしゃっていたのですが、その言葉にこめられたものはライブ中の藤野さんのMCでわかることになります。
PAと聞いて、S氏は人かと思ったようでしたが、私はみどりさんのブログで野良窯に新しい機材が導入されたことは承知していました。加えて、この機材がオオフジツボの弾丸来道の鍵を握っていたことをライブ中に知ることになるのでした。
18時半の開場を待つ頃には陽は落ちていて、野良窯の窓からは、あらさんと藤野さんが寄り添うようにリハーサルをされているのが窺えました。「ノスタルジックなワルツ」を合わせておられたのでしょうか。
木更津氏は今回の弾丸ツアーでは北海道まではいらっしゃらなかったようですが、壷井さん系の現場には必ず現れる東京方面の女性客の姿がこの日もありましたし、やはり東京方面からと思われる男性客もお二人ほどいらしていました。このお二人は、後日ネット上で9月の八戸ライブの時の画像に私と一緒に映っているのを発見したのでした。
地元の方々では、前回のオオフジツボ以来1年以上ぶりにお見かけする増子さんがいらしていました。
野良窯でのあらさんを私が観るのは、4年前のオオフジツボ初北海道ツアー最終日でありaasian kukka最後の日でもあったあの日以来だったと思います。あの日はどこか張り詰めたような空気の中での粛々とした進行だったのですが、今回は終始ゆったりとした雰囲気でした。
最初がまずあらさんソロで、「村は新月を待ち」のインストバージョンや「イェプアの行進曲」があったと思います。
あらさんコーナーの最後は、藤野さんを招き入れての「ノスタルジックなワルツ」でした。大好きなあらさんのオリジナル曲を演じるこの時のお二人の姿が仲睦まじい姉妹のようであったことを思い出します。
後半のオオフジツボのパートでの皆さんのMCで、今回のツアーの経緯がわかりました。
太田さんと壷井さんのオオツボセレクトのPA機材を野良窯に導入したことを知らせるとともに、今年は無理ですか、いつでもお待ちしています旨のメールが藤野さんに届き、これは行かなければならないと他のメンバーにもメールを回し、お忙しいお三方のスケジュールを2日間のみ合わせての1泊弾丸ツアーが組まれたとのことなのでした。
このPAがこれから野良窯を訪れるミュージシャンの音を支えていくのですねと藤野さんがおっしゃると、壷井さんは、え、我々専用じゃないのなどと反応し、太田さんが、それだったら我々が買わないと、と受けていました。
「なのはな」は、もともとはオオフジツボ2枚目のアルバムジャケットのデザインもされた鈴木マイさんから、お母さんの誕生日に贈る曲をとのリクエストを受けて藤野さんが作られた曲ですが、最近の話題は中尊寺公式youtubeCMのBGMに堂々選ばれたということです。八戸の時にもYesterdayと競っているというお話があり、ついに決まったことをこの日知らされました。みなさんからは、使用料の安さで勝ったのではなどと謙遜の言葉もありましたが。
平泉の平和な風景にぴったり、え、お母さんの誕生日の曲だったのでは…などというやり取りもあったような気がしますが、中尊寺のCMは本当に穏やかな雰囲気あふれるもので、未見の方にはお勧めします。
北上川、つわものども、萩の風、無量光陰の鐘…の平泉セットでは、八戸での時のことでしたか、野外日没ライブが光源に集まってくる虫との闘いであった思い出が語られました。
太田さんの「雨の観覧車」では、お父さん世代に人気という定番の御紹介があったと思います。
その前後、藤野さんからお話がありました。ツアー先では、終演後に今日やったあの曲はこのCDに入っていますというようにお客様に案内できるしアルバムに入っている曲をやるのがいいんだろうけれども、富良野の皆さんに今の自分たちの姿をお伝えしたくて敢えて新しい曲を多く選んだと。
この言葉にはじんとするものを感じさせられました。後に藤野さんが、壷井さんや太田さんに少々わがままを言って曲を決めさせてもらったとお書きになっていました。
そして私は八戸で初めて聴き、北海道では初めて演奏される藤野さんの「宵蛍」が始まったのでした。
壷井さんからの新曲もありました。壷井さんは曲を作った日を記録されているようで、 7月に作って9月5日改造したという御説明のその曲には他にも仮題があったかもしれませんが、記憶しているのは「阿武隈焼きそば（仮）」です。その仮題の由来は野良窯ではお話しはならなかったのですが、9月5日というのは東北ツアー出発の前夜で、初日9月6日（金）福島のライブ会場のマスターが阿武隈焼きそばで歓待してくださったことに由来しているのではないかと思いました。
仮題ということでは「アタックチャンス」との仮題が印象に残る「暁の地平」もこの日の演目にあったと思います。両者はACとの頭文字で共通しているのが壷井さんのこだわりなのでしょうか。「アタックチャンス」はテレビ朝日系列で放映されている（日曜午後は）「アタックチャンス」に由来しているのではなかったでしょうか。2枚目のアルバムにも既に収録されていますが、私は八戸のツリーハウスで聴いてからより好きになりました。
藤野さんのAlexandrite Setでオオフジツボのコーナーは一区切り。 色々な色に見える鉱石からのイメージという御説明や、ゲーム音楽に親近性があるとも評されるとの御紹介がありました。ゲームの主人公の少年の名といっても通じるといったお話しもあったような気がします。この曲の時の皆さんの演奏がまたパワフルで、終わった後にどなたかからラスボス強かったとのお言葉がありました。太田さんからは僕は振るだけだからいいけどとも。
各種告知では、壷井さんからこの頃に発表されたばかりだったKBB久々の新作の御紹介がありました。壷井さんはプログレロック界の貴公子とも呼ばれる、奇行ではなくて？とか、今新作のCDを買うとDVDがついてくる、30分のDVDだがプログレということで3曲しか入っていない、MCが20分くらいあったりして、などというやり取りを楽しませてもらいました。私も終演後に購入させていただいたのですが、お願いせずとも壷井さんがサインしてくださり、嬉しかったとともに、DVDの盤面には特に表示がなかったので何のDVDかわかるようになってよかったです。
再びあらさんが加わっての共演曲はJosephin’s Waltzとナポレオンでした。
結婚行進曲というけれども、軍隊で演奏されたという説もあるから、お酒ではなく人の名前の方に由来しているのかもといったあらさんの御説明に、あらさん、去年より情報量が増えてる！と藤野さんが反応していましたが、昨年のじょじょでは、あらさんが同様に御説明されたのを、藤野さんがそうか、お酒の曲だったのかと誤解されただけだったのではないかと思うのです。
増子さんには御挨拶せずに終わってしまうかと思いましたが、終演後に言葉を交わせてよかったです。平日だったけど万華鏡ミュージアムにも来たのかと問われたので、6月のJJFか先月（9月）のmomo椿*かどちらのことだろうと思い、つい最近ですか6月ですかとお尋ねすると。6月とのことでしたので御質問はJJFの方のことだったようです。どちらも平日だったので、いずれにしても私は道南からは来られなかったのですけれども。
オオフジツボの皆さん、あらさん、地元以外のお客様は殆どが富良野に宿泊されるようでしたが、我々はS車にて再び札幌までの旅路となりました。野良窯を発車するときに藤野さんとあらさんが手を振ってくださったのが、4年前の初北海道ツアー最後の野良窯の夜を思い起こさせました。
さて、翌日は昼間ののやでのライブとなります。
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