すっきりとした青空と春らしい陽気につつまれて春の定期演奏会がスタートしました。春だからかプレトークでも今日は恋がテーマとのこと。指揮はあの情熱のラザレフさん、ソリストは小菅優さんでした。
(前半)
シューマン
ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
(ソリストアンコール)
シューマン(リスト編曲)
献呈
(後半)
ブラームス
交響曲第2番 ニ長調 作品73
(アンコール)
エルガー 愛の挨拶
毎月定期演奏会に通っているとシーズン狭間の1ヶ月のブランクが随分な期間に感じてしまいますが、今回はその空白を一気に吹き飛ばす強烈な演奏でした。
前半の小菅さんはその力強さと繊細な感覚で個人的にはベートベン弾きのイメージが強かったのですが、シューマン(ロマン派)の曲でもその魅力を充分堪能していました。妻クララへの愛のメッセージが散りばめられた協奏曲の後は、シューマンが結婚式前夜にクララに贈った「献呈」を鮮やかにそして甘く聴かせていただきました。
後半はブラームスの交響曲の中で一番牧歌的で明るい2番。私ものんびりヨーロッパの風景など思い出しながら聴こうかと思っていたところ、指揮も演者も異様な張り切りで息付く間もありません。2楽章ではラザレフ氏が指揮台から降りて(セカンド?)ヴァイオリンをもっともっとと煽る煽る。普段はやらないヴィオラやチェロへの指示も鋭く飛んで、とんでもなく弦4部がうねり響いていました。
ブラームスが閃光の如く輝かしく終わると今日の張り切りの理由が・・・
ながらくコンミスで日フィルを支えていた江口有香さんが今回の演奏で退団されるとのこと。その後のアンコールでの花束贈呈や彼女を指揮台に上げる演出などなかなか見られない(舞台上での)大送別会に遭遇することとなりました。
いやあ、小菅さんのシューマンも良かったのですが、後半のドタバタでなんだか更に得した気分になりました。
次回は官兵衛のテーマを含む菅野祐悟さん特集です。
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