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2014年02月04日21:40

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熊野古道伊勢路 馬越峠から尾鷲へ

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2月3日

インタープリテーション、初めて聞く言葉だった。
くまの体験企画のエコツアーのガイドのやり方だ。
直訳すると通訳という意味らしいが、「地域資源を参加者にわかるように通訳する」という意味で使っている。
色川でもこうした試みをしようかということで、そのインタープリテーション養成ツアーを組んでもらった。

10人乗りのレンタカーで尾鷲に行く。道がどんどん良くなって、今では2時間かからないで尾鷲まで行かれる。ずいぶん近くなったものだ。
尾鷲駅でくまの体験企画の代表の内山さんと会い、バスで鷲毛登山口まで行く。

今日は熊野古道伊勢路を歩き、馬越峠を超えて尾鷲の街中を歩いて駅に戻るコースだ。
この馬越峠越えの熊野古道は石畳が美しい。
私は以前馬越峠から天狗倉山に登ったことがあるが、その時は鷲毛登山口からの往復だった。
そして、登山が目的だったので、古道は単なる登山道の一部に過ぎなかった。
今回は内山さんの丁寧なガイド付きでゆっくりと熊野古道を歩く。

登山でも古道歩きでも旅行でも、ガイド付きなんてほとんど経験がない。正直ガイド付きツアーをちょっと馬鹿にしていた。
他人任せというイメージだったのだ。

馬越峠への道は美しい石畳が続く。雨が多いこの地方では、石畳がないと、大雨で土が削られてしまうのだ。熊野古道でも石畳が多いのは、東紀州から南紀州にかけての道で、それほど雨が多くないところでは石畳はほとんどないそうだ。
そういえば以前歩いた中辺路には石畳はあまりなかった。
そして、この石畳の段差が低いのは、着物で歩く女性でも歩きやすいようにという配慮の表れなのだ。
「着物を着ている女性の気持ちになって歩いてくださいね。」
それにしても前日雨が降った後の石畳は滑りやすい。昔の人のようにわらじだったら滑らなかったかもしれない。

昼食は地元のお弁当の薬草弁当。地元の食材や郷土料理が竹籠にぎっしりと詰まっている。
お品書きもついていて、一つ一つの味を楽しませてもらう。

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たぶん一人で普通に歩いたら2〜3時間しかかからないような道を5時間以上かけてゆっくりと説明を聞きながら歩いた。
そこには熊野古道伊勢路を、尾鷲を愛する内山さんの熱い気持ちが感じられた。
ここを訪れた人に、大好きなここを好きになってもらいたいという気持ちがあふれている。
そして、インタープリテーションという仕事を私たちに伝えたいという熱意がひしひしと伝わってくる。

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馬越峠から尾鷲の街へと下っていく。
地元のおじさんおばさんたちはみんな内山さんの知り合いのようだ。
出会う子供たちがみんな「こんにちは」とあいさつして通り過ぎる。

少しさびれた漁師町。
今夜は尾鷲の男祭りのヤーヤー祭りの日だ。
男たちがまるで押しくらまんじゅうのようにぶつかり合うそうだ。

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「ヤーヤー祭りに参加する一番の年長は74歳なんですよ」
「うちの父なんです」
そう言って内山さんはちょっと照れくさそうに、でも、誇らしそうに笑った。
静かなこの街も夜には活気に満ちているのだろうか。

熊野古道伊勢路が、尾鷲の街が、そして何よりも内山さんのことが大好きになった一日だった。
私たちも色川に来た人たちにそう思ってもらえるようになるのだろうか。

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