mixiユーザー(id:11092226)

2014年01月26日01:51

13 view

記憶変化と願望固執

私の知人Mは記憶違いが甚だしい。
主語と動詞が記憶装置の中で乖離し
別の主語と入れ替わってしまうため
私が彼に話したことを彼は私に話す。
例えば私がヴィザと在留資格との違いについて彼に話したとする。
暫くして彼に会うとこう言うのだ。
「ヴィザと在留資格が違うって知ってた?
ヴィザというのは外務省が発給するもので
在留資格というものは法務省が発給するものだよ」
それは数週間前に私が彼に教えたことなのだ。
彼と初めて会った場所についても彼は記憶違いをしていて
私はその誤りについて彼に正したことがある。
その時は納得するみたいなのだが
数週間するとまた最初に話したことを言う。
一度記憶装置に入力されたデータは
それが間違っていても修正することが困難なのだ。

そんな記憶装置の障害を持つ人をベトナムでたくさん見た。
一度「AはBである」というデータが記憶装置に入力されると修正が効かない。
「1年間前に日本に行きました」と日本語を学ぶベトナム人が言ったとする。
「1年間前ではなくて1年前ですよ」と教え、
その時は納得するらしく
「ああ、そうですか?それは知りませんでした」と言うのだが
数週間するとまた
「1年間前に日本に行きました」と言うのである。
一度入力されたデータを修正することは相当難しいようだ。

彼らの特徴は思い込みが激しいことである。
人の話を最後まで聞かずに最初に聞いたキーワードから勝手に推察してしまうのだ。
そして一度入力されたデータを修正するのが困難である。
彼らにとって人の話が合理的かどうかは問題ではない。
話し手に対して愛情もしくは同情があるかないか、それが大きな問題だ。
好意を寄せる人の話は無条件に信じ
そうでない人の話は信じないのである。
それはMについてもいえる。
彼はとても思い込みが激しい。
アメリカの大学で勉強したのだが
その時、アメリカ人の教授にバカにされたことがきっかけで
大のアメリカ嫌いになってしまった。
それから「世界中で起きる諸問題の元凶はアメリカにあり
全てアメリカの陰謀である」と定義するようになった。
だから都合のいい情報しか抽出しない。
TV、新聞とは縁がなく全てネットで情報収集するため、
抽出する情報は常に偏っていて
自分が求める情報しか頭の中に入れない。
不要と判断する情報には拒絶反応を示す。
一見、全く普通の人なのだが、
よく話してみるとかなり変わった人だということが分かるので、彼の友人も変人ばかりだ。
彼は自分を常人と思っているようで
友人たちについて「ちょっと普通じゃないからねぇ」というのだが
私から見ると彼が一番変わっている。

だが人間は基本的に記憶を塗り替えるのが好きな生き物だ。
誰でも主観を持っているのだから
物事を客観的に見ることなどできはしない。
何が正しいのか?
それはそれぞれの主観で判断するものだ。
主観でしか物事を見ることができないのであれば
記憶装置に入力されるデータも主観によって変質するのが自然だろう。
頭の中にもう一人の自分を創り、
「このデータは間違っていないか?」といつも疑う必要がある。
自分を過信すると、常にデータは正しいことになり
修正する必要がなくなってしまう。
Mは自信家で自分は頭が良いと思い込んでいる。
だから人に対して常に自分が先生役を演じる。
教える人でなければ満足しなくて
教えられるのをとても嫌う。

「人間の頭は良い」と信じられるとは、本当に信じられない。
そして「人間は客観的に物事を見ることができる」と
信じている人がいることも私には信じられないことだ。



話の途中で切り返してない? 反感を買いやすい人の会話パターンと対策法
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=77&from=diary&id=2734018
4 10

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する