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2013年08月09日06:12

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2013年夏休み列車旅 03

☆ 高速バス「龍馬エクスプレス」(2013年08月08日(木))
 高知駅0920−1151岡山駅西口

お出かけするときは,できるだけ大浴場のある宿泊先を選ぶ。
そして,早起きしたら朝風呂にのんびりとつかる。
しかる後に,朝ご飯をきっちりといただいて,いざ出撃。
今回も,例外はない。

というわけで,今朝は日程にそれなりの余裕があるので,朝ご飯をのんびりといただいてから宿を出た。

本州と四国の間にかかる三本の橋のうち,私のお気に入りはしまなみ海道ルート。
しかし,今回はそちらまで足を伸ばす余裕はない。
徳島と和歌山の間を結ぶ南海フェリーも好きだけど,昨年も利用したばかり。
そういえば,瀬戸大橋ルートについて,鉄道で渡ったことは何回もあるけれど,自動車で上の段を渡ったことはなかったような気がする(あったかもしれないけど,覚えていない)。
そんなわけで,本州へ戻るルートは瀬戸大橋経由の高速バスを使うことにした。

昨日,宿にチェックインしてから再び高知駅前の高速バス待合室まで出かけて,今日のこのバスの切符を予約した。
そのときすでに,座席は最後尾しか空いていなかった。
どうやらこの「龍馬エクスプレス」は,それなりに人気のバスであるらしい。
確保したのは最後尾・10C席。
このバスは3列独立シートなので,私の席は右窓側の最後尾・非常口のすぐそばだった。

定刻の少し前に,昨日教えられていたバス乗り場の9番乗り場に行った。
程なくバスが到着,早速に乗り込む。
ちょっと驚いたのは,私と同様の最後尾10A席に座った10代後半くらいの兄ちゃんが,席に着くや否やシャツを脱ぎ始めて上半身裸になったこと。
おいおい,このバスは女性も乗るんだぜ,とか思ってあっけにとられていたら,要するに汗で濡れた下着を替えたかったらしくて,荷物から別のランニングシャツを出して着込んでいた。
大胆なことをするもんだな,と思った。

私は,自動車内で読書をすると確実に乗り物酔いするという悪い癖がある。
これはバスでも同じだし,読み物が電子書籍であっても同じ。
それに,イヤホンで耳が痛くなることが多いので,携帯音楽プレーヤーのたぐいは持ち歩かない。
そんなわけで,高速バスに乗ったときは景色を眺めるくらいしかやることがない。
早速,靴を脱いでフットレストに足を乗っけて,座席の背もたれを倒して(こういうとき,最後尾席は後ろの人に気を遣わずに済むのがありがたい)きっちり居眠りする体制に入った。

しかし,車内の居眠りだと2時間も3時間も眠り続けるわけではない。
11時頃,「坂出市」という標識が見えたと思ったら,左手遠方に鉄道高架橋の連なりが見えてきた。
あの高架橋は,このまま進むと我が方の高速道路と交差するはずだけど,我が方の右手遠方に鉄道高架橋は見えない。
そして,我が方の高速道路は右手へと緩いカーブを描き,その先には海上へと続く大きな吊り橋が見える。
つまりは,瀬戸大橋か。
鉄道高架が我が方の下の段に合流し,鉄道と高速道路とが一体になって瀬戸内海を渡る。
良かった,瀬戸大橋の道路部分から瀬戸内海の様子を眺めるためにこのバスに乗ったのに,居眠りして見過ごすなんてことがなくて(^^ゞ。

一つ目の吊り橋を渡り,斜張橋を渡っているあたりで,次のバス停の案内放送が入った。
停留所名はよく聞き取れなかったので,瀬戸内海のどこかの島の停留所に止まるのだろうか,とか考えていたら,そのうちに最後の吊り橋にさしかかった。
つまり,この「龍馬エクスプレス」は,瀬戸内海の島に停車するということはないらしい。
結局,11時05分頃,吊り橋を渡り終えて本州に入ったところのバス停で,乗客が1人,降りていった。
バス停の名前は,分からずじまい。

肝心の,瀬戸大橋から見た瀬戸内海はどうだったか。
しまなみ海道ルートに比べると,船の数が少ないような気がした。
でもそれは,しまなみ海道ルートは島の数が多い分だけ航路の幅が狭く,船が密集するから数が多く見えるのかもしれない。
しまなみ海道に比べれば船の数が少ないとは思ったけれど,それでもかなりの数の船が行き交っているのが見えた。
やはり,日本は海運国家であると思った。

瀬戸内海を渡る橋の上から景色を眺めて,島影の美しさとかに目を奪われるよりは,海上を行き交う船の様子に目が行く。
私は,自然よりも人工に興味が行く傾向があるのかな,と改めて感じた。
山とか海とかに行って自然を満喫するのも嫌いではないけど,乗り物に乗ったり町に出かけたりする方が性に合っている。
もっと性に合っているのは,1人でうだうだ過ごすことかな(^^;)

そのままバスは順調に走り,高速道路を降りてからの岡山市内で少し渋滞したものの,定刻から3分ほど遅れて岡山駅前に到着した。


☆ のぞみ22号(08月08日(木))
 岡山1214−1315京都

みどりの窓口の自動券売機にて,岡山から京都へ行く最速の列車を検索する。
券売機が検索してはじき出したのが,のぞみ22号。
私が事前に考えていたのと同じ結果が出たので,早速その指定席券を購入した。
「窓側の座席」というリクエストを出したのだけれど,出てきた指定席券は12号車6D席。
つまり,2列席の通路側席だ。
「これは結構混雑しているのかもしれない,指定席を確保したのは正解かな」と思った。

そのまま,岡山駅新幹線23番乗り場へ。
程なくやってきた列車に乗り込むと,やはり,指定席はほぼ満席。
この分だと,自由席で座るのは難しかっただろう。

子供連れの家族が結構乗っていて,車中はわりと賑やか。
私の隣,6E席にも,小学校高学年か中学1年生くらいの男の子が,一人で座っている。
一人でお出かけだろうか。

車掌さんが検札に来て,ワゴンサービスがやってくる。
サンドイッチがあるかと思ったらお弁当しかないというので,ホットコーヒーだけをもらった。
まあ,今朝の朝食もしっかり過ぎるくらいしっかり食べているから,ここでサンドイッチを食べられなかったのは良かったのかもしれない。


☆ JR湖西線・京阪石山坂本線(08月08日(木))
 京都1326−1337大津京・皇子山1350−1352近江神宮前

京都駅の新幹線ホームから在来線乗り換え口を通って,3番乗り場へ。
やってきた湖西線の電車は,緑色一色に塗られている。
昨日の岡山駅と同様,かつての山手線車両を思い出したけど,こっちの緑色は山手線の緑色(うぐいす色?)より幾分濃い目かもしれない。
113系の3扉車がこんな風に単色で塗られているのは,やはりちょっと違和感がある。
私にとっては,うぐいす色の緑,カナリア色の黄,バーミリオンのオレンジなどの単色で塗りつぶされた電車はかつての101系・103系などの国電通勤型電車であるという,強固な刷り込みがなされてしまっているのだろう。

京都から2駅目,大津京駅で電車を降りる。
岡山駅で購入した乗車券は京都市内までのものなので,ここ大津京駅で降りるには乗り越し精算する必要がある。
自動精算機に切符を入れ,次いでPASMOを入れてみたら,きちんと精算できた。
交通系ICカードの相互乗り入れは,やはり便利だ。

JRの大津京駅から京阪の皇子山駅までは,歩いて5分もかからない至近距離にある。
そして,ありがたいことに京阪電車でもPASMOが使える。
皇子山駅から近江神宮前駅まで1駅だけ,石山坂本線(いしやまさかもとせん)の電車に乗った。
石山坂本線は,レール幅は標準軌で新幹線と同じ広さなのに,車両は小ぶりで扉も1両に2つしかない。
その車両の幅の狭さは,どこか東京メトロ銀座線を思い出させる。
ただ,車内の天井は,銀座線車両のように低くはない。

☆ 近江神宮(08月08日(木))

駅名が「近江神宮前」というのだから,近江神宮のすぐそばに駅があるのだろうと思ったのだけれど。
無人駅(ICカードをタッチする簡易改札機はある)である近江神宮前駅に降り立って周囲を見回しても,近江神宮らしき建物も鳥居も見当たらない。

そこで,携帯のネット接続機能からナビゲーションサービスのサイト「NAVITIME」に接続して,近江神宮前駅から近江神宮本殿までの徒歩経路を検索してみた。
それで,そこに示された順路に従って歩き出したのだけれど,どうも様子がおかしい。
どう考えても住宅地のど真ん中のような場所に誘い込まれていく。
それで,全体の経路を改めて地図上に表示させたら,最後のあたりでは道の有無を全く無視した直線の経路が表示されているではないか。
なんじゃ,これは。

要するに,私が行き先として「近江神宮の本殿」を指定したことから,正面とか裏手とかそういうことを全く無視してただひたすら本殿に向かうルートを検索しやがったのだろう。
しかし,いくら何でも鎮守の木々の中を分け入って進むわけにはいかない。
そもそも,神域に勝手に入り込んだりしたら,罰が当たるだろう。
そんなわけで,半ば道に迷いながらも駅のほうに戻ってみることにしたら,あれ,偶然にも参道の途中に行き当たってしまった(^^)v。

まあ,参道の正面の鳥居をきちんとくぐって参詣したいので,まずは正面入り口まで行って,鳥居をくぐってから改めて参道を本殿方向へ上る。
周りには誰もおらず,ただ京阪電車の踏切の警報音と蝉の声とが聞こえるだけ。

手水舎で手水を使う。
うろ覚えのやり方で左右の手を清め,口をすすいだ。
ふと脇を見ると,「手水の作法」の案内板がある。
良かった,私のうろ覚えの内容は,間違っていなかった。

私がわざわざ近江神宮にやってきた理由は,二つある。
一つは,TVアニメにもなった人気まんが「ちはやふる」の影響で,あのアニメにも出てきた,高校生競技かるた全国大会の会場である近江神宮を見てみたかったこと。
もう一つは,我が国で初めて時報によって民衆に時を告げた天智天皇を記念して,当時の水時計「漏刻(ろうこく)」と時計の展示館があるので,それを見てみたかったこと。
とりわけ漏刻については,ずいぶん昔のことではあるが,新田次郎の短編時代小説「時の日」を読んだときからずっと気になっていた。

「ちはやふる」の第2期アニメのオープニングにも登場する朱塗りの楼門をくぐり,本殿に参拝する。
ここまで来ると,周りにちらほらと参拝客がいる。
すぐ脇におみくじがあったので,ひいてみたら小吉だった。
「これまで苦しかった人は難局から解放され,これまで順調だった人は喜びに一応の終わりが来る。
どちらにしても気を引き締めて,手堅くひとつずつこなして行くべし」
とのこと。
私のこれまでは,苦しかったのだろうか,順調だったのだろうか。

絵馬も奉納されていて,「ちはやふる」の主人公,綾瀬千早の似顔が書いてある絵馬もいくつかあった。
結構,上手に描けていた。

本殿に向かって左手側に,旧大津地方裁判所の車寄せが移築されていた。
大津地方裁判所は,ロシアの皇太子が襲われた大津事件の公判が行われた場所であり,大津事件とは大審院院長の児島惟謙が(裁判官の独立を犠牲にしつつ)司法の独立を守ったことで有名な事件。
その大津地方裁判所の建物が改築されるにあたり,近江令を制定し法律の神様とも称される天智天皇が祀られているここ近江神宮に,大津地裁の車寄せを移築したのだそうな。
その車寄せ,現在は自動車清祓所として活用されているようだ。

境内の一角に,漏刻を再現した水時計が設置されている。
それでは,時計館宝物館を訪ねてみることにしようか。

日本書紀の,斉明6年(西暦660年)5月の条に
「皇太子 初造漏剋 使民知時」
(ひつぎのみこ はじめてときのきざみをつくる たみにときをしらしむ)
との記載があり,当時の皇太子が中大兄皇子,すなわち後の天智天皇であったことから,天智天皇が日本で初めて水時計で時報を知らせた,とされている。
なお,日本書紀では「漏剋」を「ときのきざみ」と読んでおり,新田次郎の短編「時の日」でも「漏刻」を「ときのきざみ」と読んでいるので,私自身も「ろうこく」よりは「ときのきざみ」と読む方に親しみを感じている。

日本書紀では,その後の天智10年(西暦671年)4月の条に
「夏四月丁卯朔辛卯」
(なつ うづき ひのとうのついたち かのとうのひ)に
「置漏剋於新臺」
「ときのきざみ」を新しい台に置いた
とある。
それで,この年の夏・卯月・丁卯の朔日・辛卯の日を太陽暦に引き直すと671年6月10日になることから,6月10日が「時の記念日」になった,とのこと。

日本書紀では,中大兄皇子が漏刻を設置したことになっている。
しかし,新田次郎の「時の日」では,この点を大胆に翻案したのであろう,蘇我入鹿・蝦夷親子が室屋安向・麻向という技術者兄弟に漏刻を作らせたことになっている。
時を司るのは天子であるが,蘇我氏が漏刻を作って管理することで蘇我氏が時を司っていることになる,つまりは天子たる帝の権力を簒奪しようとする蘇我氏の野望が現れているというのだ。
そして,蘇我親子のかかる野望を打ち砕いたのが,中大兄皇子と中臣鎌足による大化の改新であったというわけ。

なお,中大兄皇子が初めて漏刻を設置したのは飛鳥京であり,奈良県明日香村の飛鳥水落遺跡からは漏刻の跡と思われる遺構が発掘され,そこにも当時の漏刻が復元されているという。
とすると,(「時の日」で)安向・麻向兄弟が作った漏刻は飛鳥水落遺跡から見つかったものなのだろう。
そちらも,いつか機会があれば見に行きたい,と思った。

時計館には時計工房があって,時計の修理の相談にも応じているという。
30年以上前に買った私の腕時計が故障したら,ここに相談することになるかもしれないと思った。

時計館の2階が宝物館になっており,70年ほど前に近江神社が創建された当時の写真なども展示されていた。
創建当時は神域の木々もまばらだったのに,現在ではうっそうとした林になっている。
70年って,短いようで結構長いのだな,と思った。

まんが「ちはやふる」に出てくる競技かるたは,近江神宮の勧学館という建物で全国大会が行われる。
そこで,その勧学館をちょっと見てから,近江神宮をおいとました。

神域の草地で,懐かしい「花いちもんめ」をして遊んでいる子供たちがいた。
すぐ近くに児童クラブの建物があったから,そこの子供たちなのだろう。
児童クラブの庭では,男の子たちがドッヂボールをやっている。
そんなのを横目で見ながら駅を目指して歩いていたら,なんだか急に空が暗くなってきた。
と思うがうちに,16時30分頃,突然,大粒の雨が降り出した。
折りたたみ傘を広げつつ,大急ぎで近江神宮前駅へと向かった。

近江神宮へ行ったのは「ちはやふる」と「時の日」という二つの創作物に刺激されたから。
「ちはやふる」に関してはまさにロケ地探訪みたいなものだけど,「時の日」についても似たようなものかもしれない。
自分では「ロケ地探訪=聖地巡礼」というような意識はなかったのだけど,まさに,「時の日」の聖地巡礼だったのかもしれない。


☆ 京阪石山坂本線《のりつぶし》(08月08日(木))
 近江神宮前−石山寺−坂本−浜大津

16時37分頃にやってきた石山寺行きの電車に乗り込んだ。
まず手始めに,一方の終点である石山寺駅を目指す。

浴衣姿の女の子が,結構大勢乗っている。
今日はびわ湖大花火大会が開催されることになっていて,石山坂本線も「花火ダイヤ」で運行されている。
しかし,この雨だと,花火大会,中止になっちゃうんじゃないかな。

途中の浜大津駅,石場駅,京阪膳所駅で,乗客のほとんどが降りていった。
そのあたりが,花火の見物会場になっているのだろうか。

16時57分頃,粟津駅に停車していたところで,電車が急に動かなくなった。
車内では,乗客のスマホのいくつかが変な警報音を出している。
どうやら,緊急地震速報が発せられたようだ。
ただ,たいした地震が来ることもなく,5分ほどして運転再開となった。

17時08分頃に終点・石山寺駅に到着。
PASMOで改札を出て,そのままPASMOで入場して,折り返しの坂本行き電車に乗車する。
今度は1両目右列最前部の,前がよく見える座席に陣取った。

この電車はワンマンカーで,運転士がドアの開け閉めを担当している。
浜大津−三井寺の区間が路面電車になっていて,路面電車専用の黄色い矢印の信号機が見えた。

石山坂本線の電車は,ほとんどは濃い緑と薄い緑のツートンカラーに塗装されている。
ただ,ラッピングカーもいくつか走っており,私が見た限りでは
「牛肉サミット」「パトカー」「きかんしゃトーマス」「ちはやふる」
のラッピングカーがあった。
そのほか,京阪本線の特急電車の塗色である,赤色と黄色(というか,肌色?)のツートンカラーをまとった電車もあった。

17時51分頃に終点・坂本駅に到着。
再び,PASMOで改札を出て,そのままPASMOで入場して,折り返しの石山寺行き電車に乗車。

途中,「穴太」という駅があり,これは「あのお」と読むのだそうな。
昨日の「土佐一宮(とさいっく)」もそうだったけど,これも難読駅名のひとつといえそうだ。


☆ 京阪京津線・京都市営地下鉄東西線・京都市営地下鉄烏丸線(08月08日(木))
 浜大津−京都市役所前−烏丸御池−京都

浜大津駅にて,京阪京津線に乗り換え。
この京津線電車も浜大津を出てから隣の駅までは路面電車となり,さらにもうしばらく行くと京都市営地下鉄の線路に乗り入れる。
路面電車でもあり地下鉄でもあるというのは,我が国では結構珍しいのではなかろうか。

京津線からの乗り入れ電車は「京都市役所前」駅までしか行かないので,そこからさらに1駅だけ市営地下鉄東西線に乗り,烏丸御池駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換える。
結局, 19時10分頃に京都駅に到着。
今宵の宿は京都駅の近くに確保してあるので,とっととチェックインしてしまおう。


☆ 京都駅(08月08日(木))

明日は朝早く出発するつもりなので,明日の分の切符も今日のうちに手配しておこうと思って,再び京都駅に出向いた。
宿から明日の列車の乗り場まで何分くらいかかるか,きちんと確認しておきたかったというのもある。

所要時間を確認した後,京都駅の屋上に上ってみた。

最近,私がとても気に入っている小説で
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(略称:「俺ガイル」または「はまち」)
というライトノベルのシリーズがある。

このラノベの最新巻(第7巻)の,ラストシーンが京都駅の屋上なのだ。
修学旅行で京都にやってきた主人公が,旅行の最終日に,京都駅の屋上である人物に会う。
これから新幹線に乗って帰るという時刻の京都駅屋上だから,当然,午前中だろう。
よって,すでに20時を回っているこの時刻の京都駅屋上とは雰囲気が違うだろうけど,それでもせっかく京都に来たのだから,比企谷八幡(主人公)が見たものを私も見てみたいと思ったのだ。

駅ビルの南エレベーターで11階に上がり,グルメ街を抜け,屋外のスカイガーデンに出る。
そこからもう1階分,階段を上ると,そこが屋上の空中庭園。
11階からスカイガーデンに出て初めて分かったのだけれど,ここは駅中央から延々と続く渓谷状の吹き抜け空間になっており,その斜面が巨大な階段(とエスカレーター)になっている。

「俺ガイル」の主人公はこの屋上から,近代的な建物と寺社仏閣が入り交じりそこへ人々の営みが溶け込んでいる,そんな京都の街並みを眺めている。
しかし残念ながら,この時刻の夜景ではそのような街並みを判別することはできなかった。

主人公はここで,わざわざ長い外階段を登ってくる人物の姿を見て,そして,その人物が再びその階段を一歩ずつ下りていく,遠ざかっていく小さな背中を黙って見送る。
その長い外階段は,夜であっても見ることができた。
比企谷八幡が見たその眺めが,目に浮かんだような気がした。

もっとも,夜の京都駅屋上は,中年男が1人で来るような場所ではない。
実際,私の周りは家族連れかカップルばかり。
夜景のきれいな薄暗い空中庭園なんて,カップルにとっては格好のデートコースだろう。
ちょっと暗いベンチでイチャイチャしていても気づかれにくいだろうし。

長い外階段・大階段を降りて,下から見上げると,階段の各段に設置されたライトの色を変えて模様や光景を映し出すイルミネーションが展開されていた。
これは,昨日見たプロジェクションマッピングとは違って,結構素敵だった。
どういうストーリーなのかは今ひとつつかめなかったけれど,天の川銀河を表したのか,それとも川の流れを表現したのか,いずれにしてもきれいな光だった。

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