2009年春、東京を離れたこともブログのコメントに書かせていただいてお知らせしました。
すると御縁は途切れず、その年、高瀬さんと札幌が再びつながったのでした。
高瀬さんは、再び能藤玲子さんの手になる舞台、それも能藤さんの創作舞踊集団50年記念公演、『「葦の行方」、「限られることの」より』にお出になるために夏場には札幌に長期滞在の上で稽古をされ、2009年10月30日（金）に7年前と同じ北海道厚生年金会館（ぎりぎり改称前？）の舞台に立つことになったのでした。
そして、せっかくの来札なのだからと、僅か中１日置いただけの11月1日（日）にはムジカホールカフェでライブをされることになったのでした。しかも、北海道に戻って私があらさんとのRAUMAなどで親しみ始めていたところだった嵯峨さんとの共演で。
首都圏を離れた寂しさを打ち消してくれるアーティストのお一人、先日もRAUMAで拝見したばかりの嵯峨さんとの早速の御縁は嬉しい限り、といったことをライブに先立ってブログにコメントさせていただいたと思います（その御縁もやはり共通の知己の方を介してのものであったといいます。）。
その間、5月に相次いで出たDivaのコロンビア時代のベスト盤やtroubadour cafeレーベルの新作は北海道では入手が難しくて通販サイトを利用して購入したのでした。
また、舞台やライブが近づくにつれ、シンクロニシティを感じる機会があったこともお伝えしました。能藤さんが道新に取り上げられているのを目にしたり、『沈まぬ太陽』の映画を観たり。
あの長い作品は映画館での上演時には中間に休憩のインターミッションがあり、その間、実際の日航機事故の遺児であるハーフの女性が奏でるヴァイオリンとともに高瀬さんの歌声が流れるのです。私は映画を観る機会は多くはないのですが、山崎豊子やその映像化作品が好きなS氏が滝川から『沈まぬ太陽』を観にきたのに同行して映画館に赴いたのは、高瀬さんの舞台やライブの前の週でした。その曲はサントラにも収録されているので、ライブ会場に持参してサインをいただきました。
昨年（2012年）の時は舞台からライブまで１週間空いていましたが、この時は翌々日。お身体がきつかったのではないでしょうか。
金曜日に厚生年金会館での舞台を観た2日後の日曜日、その年は既に初雪が降り、当日の天候はあまりよくなかったと思います（嵯峨さんに天気が悪いと楽器の持ち運びが大変ではといったお話をした記憶があります。）。
初めて訪れたムジカホールカフェで受付をされていたのが今にして思えば古川奈央さんで、まだ持っていなかったTo The SouthのCDなどを買い求めました。入場するとわりとすぐに高瀬さんがお声かけくださり、覚えてくださっているのがわかったのもこの時でした。
演目で今でも覚えているのは、高瀬さんが朗読を担当されたスフ（スーホ）の白い馬のラスト、「それが馬頭琴です」の余韻や、高瀬さんが口を丸めて発せられた即席ホーミーが見事であったことなどです（終演後に嵯峨さんが羨んでおられました。）。
客席には共に能藤さんの舞台に立った方々も多数いらしていました。高瀬さんがステージの最中にかつて苫小牧で高瀬さんのステージを観た御夫婦と思しき方々がいらしているのに言及され、男性の方が覚えていますかと返していました（この方々は苫小牧まで帰るのに残念ながらリミットが来てしまい、終盤で途中退席をされていました。残念なことだったでしょう。）。
その頃既にのやで何度かお見かけしていた吉田ゆう子さんもお一人でいらしていました。
ゆう子さんは高瀬さんの歌声には思い入れがあるようで、終演後も親しく話しておられました。また、断片からのつなぎ合わせなので違っていたら申し訳ないのですが、古川さんはporocoの頃でしょうか、お仕事のつながりでSACRAのヴォーカルを務めた小畑さんとの御縁もあったようで、その関係でも話し込んでおられたようでした。私は打ち上げ終了後、古川さんに軽くporocoのことに触れて御挨拶して帰ろうと思っていたのですが、お話が一段落するのをかなり待った記憶が甦ります。
その頃、既にRAUMAのステージなどで何度か拝見していた嵯峨さんとも終演後に二言、三言お話をした記憶です。得意の知ったかぶりでモンゴルの話題に触れたところ、嵯峨さんの詳しいお話にはあまりついていけなかった苦い記憶が甦ります。
舞踊方面の方々や吉田ゆう子さんも残られた打ち上げの席上では、高瀬さんが劇団四季、Diva、能藤先生の舞台、トランスパランス…といった流れの「まこりんの歴史」をわかりやすくお話されました。
翌2010年の秋には能藤玲子さんの舞台との絡みではなく、ライブのためだけに来道されました。日時場所は2010年9月25日（土）のアミカです。
その少し前に古川さんはFilの取材の御関係がきっかけだったでしょうか、ロケット姉妹の扇柳さんやタテヤマユキさんと親交をお持ちになられたようでした。
そのような御縁でしょう。9月22日（水）のやでのザバダックとロケット姉妹のジョイントライブには古川さんもいらしていました。この時、私は客席で小松崎操さんや香聡庵のみかさんの間くらいに着席していたのですが、ザバダック方面で年に1回だけ接するようなファンの方に道南さんですかなどと正体を見破られたりしていました（その場では有名ですねなどとおっしゃっていた操さんは、この時のやり取りを聞いて私のことを道南さんと呼んでいいんだと思ったとのこと。私自身は必ずしも本意ではないのですが…）。
この日、林太郎さんは「いざない」の作詞者としてみかさんを紹介されていましたが、私にお声かけくださったファンの方は間近に御本人が着席されていたとは気付かなかったことでしょう。
そして、前半のロケットであったか、それとも後半のザバダックの最中だったでしょうか、遅れて到着され、後方の席に着席された女性客が高瀬麻里子さん御本人であることにいつしか気付いたのでした。
後に伺ったところでは空港から直接来られたものだったそうですが、終演後、退席する際、そのことを知らずに、もういらしていたんですねとお声かけすると、アミカでのライブやオフ会にどうぞいらしてくださいといったお言葉をいただきました。その様子を見て古川さんは私の顔と名前が一致したもののようです。
のやでの打ち上げにおそるおそる出席させていただくようになってからも、ザバダックは別格で、精鋭のみが参加を許されると思っていましたのでその日は早くに帰りましたが、打ち上げの席上でしょうか、ユキさんはアコーディオンつながりで吉良さんとはオランさんのお話、高瀬さんとは佐藤芳明さんのお話などされたようで、私がザバダックのステージにオランさんが立つのを観たり、行徳で高瀬さんと佐藤芳明さんのコラボを拝見する機会があったことをお伝えしていたのがお役に立ったのなら嬉しいことだと思いました。
その年のザバダックは翌9月23日（祝）には北見夕焼け祭り、1日おいて25日（土）が富良野野良窯、26日（日）に再びのやで今度は単独というスケジュールで、25日が高瀬さんと重なりました。それぞれに貴重な御来道の機会なのに重なってしまうとは何ということでしょう。この年の野良窯ではカバー下り大会などと称し、ファンの方々がザバダックの名曲のカバーを繰り広げる企画があって、くおくおもお出になったりされたのですが、ザバダックは他の日もあるけれど、高瀬さんはこの日だけだからと私は25日(土)はアミカに赴いたのでした。
25日(土)に野良窯に行けないことが、かえって23日(祝)の北見行きの背中を押してくれたかもしれません。24日(金)は休暇を取得しなければなりませんでしたが、特急オホーツクに乗って初めて遠軽でのスイッチバックを経験したり、北見で友人と久々に会うことができたり、たまたま旅行中に訪れてきた横浜方面のファンの方と遭遇したり、打ち上げでは東京からいらした女性客が一夜限りでも上野さんと組むような可能性はないのかという問いに促されて吉良さんが思うところをお話されるのを大変興味深く耳にしたり、貴重な夜となりました。
アミカでのステージは再びの嵯峨さんとの共演で、印象に残っているのは、親父役を演じる際のおそらくは東北訛りの再現とそれに引き続いての「双子の星」です。「双子の星」はザバダック方面では吉良知彦名義の『賢治の幻燈』というアルバムに収録されていて、小峰公子さんの歌声によるものに親しんでいましたが、それとは全く違うメロディを新鮮に感じました。
打ち上げに残られたお客は、記憶している限りでは私の他にはすがさんとDivaの頃からとお見受けする熱心な女性ファンの方でした。
すがさんも高瀬さんがのやにいらしていたのに気付いておられたようで、ザバダックの話題にもなりました。私も自分が行ったとは言わずに北見の客は8人であったなどと申し上げました。
「双子の星」について私はちょっと見当外れの発言をしてしまい、すがさんがザバダックにも「双子の星」がある旨おっしゃってくださったのがフォローになってくれた気がします。
高瀬さんがザバダック周辺には御自分にも縁の深い方があると言われ、太田さんの名を挙げられ、すがさんがオオフジツボの太田さん？などと反応したのに対し、そうではないのだと、太田恵資さんですよねなどと口を挟んだりしました。
高瀬さんはお疲れのようで心なしか目を赤くされていたのですが、よくお付き合いくださったと思います（続く）。
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