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2012年10月25日18:21

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谷川連峰馬蹄形縦走

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10月21日

土合駅を4時に出発する。空には少し星が出ている。今日の天気は期待できそうだ。
土合橋の手前を右に曲がると広い駐車場があり、10台ほどの車が止まっていた。その先に登山口があった。
今日は白毛門から朝日岳に登り、蓬ヒュッテに泊まる予定だ。コースタイムは9時間以上になっている。休憩を含めると10時間以上になるだろう。

いきなりの急登から始まる。北アルプスの合戦尾根やブナ立て尾根は急登で有名だが、ジグザグに道がついているので、それほど急には感じられない。だが、この尾根は真直ぐ上に向かっている。一歩一歩確実に高度を上げていく。こういう登りは好きだ。

やがて空が白みだした。東の空が明るくなる。西には谷川岳東面の岩壁が木々の間に見え隠れする。
やがて谷川岳に朝日が当たって赤く染まってきた。

少し傾斜が緩んで岩場を登ると松ノ木沢ノ頭に着いた。ここからは谷川岳がはっきりとよく見える。1時間以上ここで写真を撮っているという人がいた。

松ノ木沢ノ頭からは傾斜も緩み、ジジ岩、ババ岩の横を過ぎると白毛門に着いた。空には雲が広がりだした。風も強くなってくる。谷川岳の山頂に雲がかかってきた。行く手の笠ヶ岳、朝日岳にもガスがかかりだした。

笠ヶ岳に着くと強い風で吹き飛ばれそうだった。そこに若い女の子が追いついてきた。彼女も同じコースを行くと言う。一緒に歩き出したが、彼女のほうが荷物は軽いし若いから足取りが軽い。先に行ってもらうことにした。

朝日岳に着くと相変わらず風が強くガスっているが、所々に青空も見え始めた。その先の宝川温泉に行く道に入ったところにある水場で休んでいると、どんどん青空が広がってきた。朝日ヶ原と呼ばれるこのあたりは池塘が点在していて気持ちがいい。

朝日岳の先のジャンクションピークからは巻機山への道が分かれているが、この道は歩く人も少なく藪で覆われている。だが、歩いてみたいような気持ち良さそうな道が巻機山へと続いていた。
ジャンクションピークからは清水峠までどんどん下る。
途中の紅葉、笹原が気持ちいい。ここからの縦走路がなだらかで歩きたかった道なのだ。
空も晴れてきた。何とも気持ちの良い稜線だ。

清水峠で先ほどの女の子に追いついた。ここから蓬ヒュッテまでは2時間ほどだ。時刻は12時半だからゆっくり行っても3時前には着くだろう。やっと気持ちの余裕が出てきた。

白毛門の山頂で会った人に七ツ小屋山の登りはきついよと言われた。だが、白毛門の登りに比べたら緩いし短い。そう苦もなく山頂に着いた。あとは蓬ヒュッテに向かってのんびりと下るだけだ。

笹原の中から急に小屋が見えた。蓬ヒュッテだった。歩き始めてから10時間25分で今日の目的地に着くことができた。充実感でいっぱいだった。

その日の泊り客は単独行ばかり4人だった。ここの小屋のおじさんの高波さんは人気があるので会うのを楽しみにしていたが、この日は若い息子さんが小屋番だった。
夕飯は名物のカレーだ。その後、それぞれがアルコール類を買ったり持ち出したりして話に花が咲き出すと、朝食の準備をしていた小屋番さんもウィスキーや焼酎を出して勧めてくれる。「ここはハードが悪いんでせめてソフトで・・・」なんて言う。

5時の夕飯から8時の消灯まで楽しい話題が尽きなかった。
昨夜土合駅でほとんど眠れなかった私はあっさりと深い眠りに落ち込んだ。

10月22日

4時ごろ起きようと思っていたのに、目が覚めたのは5時過ぎだった。私と逆コースを行くと言うSさんが出発準備をしていた。
朝食を終えて私も6時半に小屋を後にした。
小屋番さんが鐘を鳴らして見送ってくれた。

素晴らしい青空だ。今日は午後から悪くなりそうだが、なんとか持ってくれるのではと期待する。

武能岳、茂倉岳と登っていく。時たま谷川岳方面からの登山者とすれ違うが、静かな山歩きだ。遠くに見えるのは巻機山、平ヶ岳や越後の山だろう。
今度東京に来る機会があったら登りたい。

一ノ倉岳を過ぎると、いよいよ谷川岳の双耳峰だ。
まずは、オキノ耳。ここに来るとぐんと人が増える。ガスがかかってきて寒くなってきた。ゆっくりする気持ちにもなれずに、トマノ耳に向かう。
トマノ耳にも人が多い。このあたりは天神平へのロープウェイでお手軽に登れてしまうので人も多いのだろう。

下りは西黒尾根を下ろうか、天神平からロープウェイで下ろうか散々迷っていた。西黒尾根から登ってきた人に聞くと、「滑りやすいですよ」という人もいれば、「馬蹄形を歩いたんなら問題ないですよ」と言う人もいる。
ここまで歩いたんだから最後まで歩きとおしたい気持ちがあった。だが、どんどんガスが濃くなってくる。午後は悪くなる予報だ。
ここまで歩いたんだからもういいだろう。元々下りの岩場は苦手でロープウェイを使う予定だったんだし。
またいつか谷川岳に登ることがあったらその時は西黒尾根を登ろう。

天神平に向かう。次々と人が登ってくる。紅葉も盛りだし、やはり人気のコースなのだ。
中には山ガールというよりは原宿ガールと言ったほうがいいようなおしゃれな若い女の子もいた。山頂までというよりはこのあたりの散策なのだろうか。

天神平に着く。完全に観光地だ。ちょっと興ざめする。
やっぱり西黒尾根を下ったほうが良かったかなとちょっと後悔した。それでも、けっこう疲れている。
今回はこれで良しとしよう。

谷川連峰馬蹄形縦走、期待した以上に素晴らしい道だった。
上越の紅葉は東北の山の紅葉に似ている。
私にはアルプスの紅葉よりもこういう紅葉が好きだ。
また紅葉の時期にこのあたりの山を訪れたい。

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