半年ほど前,藤井青銅:作・柳家花緑「はじめてのおつかい」という創作落語を聴いた。
(
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1781506815&owner_id=2230648「はじめて,のお話。」)
小惑星探査機「はやぶさ」を小さな男の子に見立てて,遠くに住んでいるイトカワおばさんのところまでお使いに行って帰ってくる,という筋立て。
探査機を擬人化するなんてすごいなぁ,と思ったのだけれど,なんとまあ,他にもあったのですね,探査機の擬人化。
先日,放送を終了したTVアニメ「人類は衰退しました」。
このアニメにも(そして,おそらくはその原作小説にも),探査機擬人化のエピソードがあった。
(以下,ネタバレ防止のため100行ほど改行します。)
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「人類は衰退しました」で擬人化されたのは,なんと,深宇宙探査機「パイオニア」と,同じく深宇宙探査機「ボイジャー」。
探査機「はやぶさ」が,自らは燃え尽きる運命にあることを知りつつもおつかいを完遂しようとするのに対し,「ボイジャー」は自分のミッションに疑問を感じて地球に戻り,「もうあんな寒いところには行きたくない」という。
「パイオニア」はそんな「ボイジャー」を再び宇宙に連れ戻そうとするけれど,実は「パイオニア」も内心では,再びあの寒いところ(宇宙)には行きたくないと思っている。
宇宙探査機を擬人化した場合,人類というのはそれら探査機に対して,ずいぶんと酷いことをしているわけだ。
「はやぶさ」に対しては,イトカワおばさんの顔の表面の皮を削り取って持って帰ってくるように命じておいて,「はやぶさ」本体には最後には燃え尽きてなくなることを強制する。
「パイオニア」「ボイジャー」に対しては,永遠に宇宙の暗闇を彷徨い続けることを強制する。
まあ,探査機の擬人化などというのはどちらも虚構の産物に過ぎない。
ただ,彼の有名なSFシリーズ「スタートレック」では「ボイジャー」が異星人とのコンタクトを果たして帰還するけれど,「はじめてのおつかい」の「はやぶさ」や「人類は衰退しました」の「パイオニア」「ボイジャー」のエピソードのほうが,私は,好きだ。
人工知能とかロボットとかは,「スタートレック」の発想ではなく「人類は衰退しました」の発想から生み出されて欲しいと,願う。
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