ごほうしゃのお話。

地方経済活性化の一方法として，サブカルチャーによる地域興しというのが話題になるようになって久しい。
私のようなアニメヲタクからすると，アニメの舞台となった実在のロケーションを訪れるという，いわゆる「聖地巡礼」というのがある。

まあ，アニメということに限らなければ，例えば映画「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台となった観音崎，御前崎，野寒布岬，石狩灯台，男木島灯台，弾崎灯台等を訪れるという人もいるだろう（例がちょっと古すぎるかな(^^;）。
ＮＨＫ大河ドラマの舞台として設定された土地では，そのことを観光の材料としてキャンペーンを展開するのが通例だ。

さらには，昨今，北海道に台湾からの観光客が増えたのは，北海道を舞台にしたドラマ「白色之戀（白色の恋）」が彼の地でヒットしたからだという話もある。
韓国ドラマ「冬のソナタ」を見て韓国に出かけたという日本人観光客も少なくない。
とすれば，アニメを見てそのロケ地に行ってみたいと思うアニメファンがいたって，決しておかしくはないだろう。
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最近では，鷲宮神社（埼玉県久喜市）・木崎湖（長野県大町市）・豊郷小学校旧校舎（滋賀県犬上郡豊郷町）・尾道（広島県尾道市）・城端（富山県南砺市）がアニヲタの五大聖地と呼ばれたりもするのだそうな。
鷲宮神社は「らき☆すた」，木崎湖は「おねがい☆ティーチャー」，豊郷小学校旧校舎は「けいおん！」，尾道は「かみちゅ」他，城端は「true tears」。

他にも，石川県の湯涌温泉が「花咲くいろは」，埼玉県の秩父近郊が「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」とタイアップしていろいろとキャンペーンをやっているのはわりと知られている。
さらには「輪廻のラグランジェ」というアニメはその舞台が千葉県鴨川市であることを前面に押し出してもいる。
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かくいう私も，アニヲタのひとりとして，アニメのロケ地訪問に興味がないわけではない。
実際，ずいぶん昔のことではあるけれども，それに近いことをやったこともある。

「ナースエンジェルりりかＳＯＳ」という，知る人ぞ知るＴＶアニメ。
このアニメーション自体はおそらく横浜のあたりを舞台として設定されていると思われるのだけれど（状況から考えて新横浜駅であろうと思われる駅も作中に登場した）。
しかし，既に１０年以上も前になろうか。
オープニングアニメの一場面が京王井の頭線井の頭公園駅の近隣に酷似しているということをネットで知ったので，他の用事のついでにそのあたりに寄ってみたのだった。
ネット上の情報にはその位置がかなり詳しく記載されていたので，駅からぼちぼちと歩いていって，その位置で振り返ったら。
坂道を，森谷りりかちゃんが駆けてくるのが見えた気がした。
（http://www.youtube.com/watch?v=AF7J1bZDfno　この動画の１分０３秒あたりの風景です）
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最近見ているものでは，「氷菓」というアニメの舞台が飛騨高山だという。

このアニメの原作「〈古典部〉シリーズ」は，いわゆる「日常の謎」と言われるミステリに連なるもの。

先日，柳家三三の舞台で見た，北村薫・原作「円紫師匠と私」のシリーズが，この「日常の謎」ミステリの始まりではないかとの見解もある。
（http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1846512404&owner_id=2230648「にげるお話。」）
だから私は，「日常の謎」ミステリが嫌いではない。

そして，「氷菓」を含む「〈古典部〉シリーズ」作者の米澤穂信氏は，「円紫師匠と私」シリーズの第２長編「六の宮の姫君」に影響されて，デビュー作となるこのこの「氷菓」（〈古典部〉シリーズの第１作）を書いたと言われている。
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アニメに限らず，漫画でも小説でも，その舞台となった土地にモデルがあるのなら，行ってみたいと，ちょっとだけ思う。
それがお気に入りの作品なら，なおのこと。

もちろん，実際の土地を見て，イメージと違うことが分かって幻滅することもあろう。
でも，井の頭公園駅の近くの坂道で，本当に，りりかちゃんの姿があの道ばたに見えたような気がした，その感覚を体験できるのなら。
「聖地巡礼」も，悪くないかな，と思うのだ。
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私は最近，漫画「高杉さん家のおべんとう」がお気に入り。
そして，かの漫画には名古屋近辺のいろんな地名が出てくるので，鉄道で行けそうなところには行ってみたいと思っている。

「氷菓」の飛騨高山にも，機会があれば。
いつになるかは，分からないけど。