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2012年06月08日22:56

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迷岳、白倉山

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池木屋山に登った時、相方ややまのねこさんと池木屋山から迷岳まで歩きたいねって話した。

それが気になっていた。家に帰ってから地図を見たり、ネットで調べたり。日帰りは無理だし、一泊でも車が2台ないと無理。でも、途中の迷岳と白倉山をつなぐ稜線なら、その間の大熊谷の頭からの往復で歩けそうだ。

田植えが終わってちょっと余裕ができた。久しぶりの一人での山歩き。庵の谷林道から大熊谷の頭に登って、迷岳と白倉山を往復する計画ができた。

6月7日

前夜10時に布団に入ったが全然眠れない。ここ最近は仕事で疲れて布団に入るとバタンキューだったのに。久しぶりの単独行、それもけっこうマイナーなコース。やっぱり神経が昂っているのかな?何度も時計を見たり、布団から出たり入ったり。1時を過ぎても眠れなかった。
アラームが鳴る。律儀なアラームは人が寝入った途端に鳴り出す。午前2時だ。やっと寝付いたばかりなのにな・・・と思いつつコーヒーを入れながら着替える。2時20分に出発する。

蓮ダムから庵の谷林道に入る。初めは舗装されているが、途中から未舗装の道になる。急勾配の道ををジグザグに登っていく。やっぱり4駆の軽トラにして良かったなと思う。
林道が通行止めになった。網が張られた門が付いている。その手前の空き地に軽トラを止める。ここまで4時間20分かかった。
登山道は門の横にあった。

地下足袋をはく。前回の池木屋山ですっかり気に入っていた。
登山道は最初は植林帯だが、すぐに自然林になった。40分で大熊谷の頭に着いた。ここから北東へ行けば迷岳、南に行けば白倉山だ。
まずは、未踏の迷岳に行く。

途中で何かの足跡があった。けっこう大きい。もしかして熊じゃないかしら?と不安になる。熊鈴はどこかの山で落としてから買っていない。
単独での不安よりも熊に出会ったらという不安が募る。
よし、歌でも歌おう!口から出てきたのは何故か「おおブレネリ」。
「おお〜ブレネリ あな〜たのおうちはどこ〜 わた〜しのおう〜ちはスイスランドよ〜 きれ〜いな泉のほと〜りなのよ〜 ヤッ〜ホ〜ホ〜トラララ ヤッホホットラララ ヤホホトラララ〜〜〜」
思いっきり大声で歌う。だが、何回も歌うと喉が枯れてくるし疲れるので、声を出すだけにした。
「わあ〜〜〜!!!」っと思いっきり声をあげながら歩く。

足跡が消えてやっとほっとする。あたりを見回す余裕も出てくる。美しいブナが多い気持ちのいい道だ。さほど勾配もなく歩きやすい道だ。

9時前に迷岳の頂上に着く。登山口から2時間ほどで着いた。予想より早かった。晴れていた空はうす曇りになっていた。山頂は樹木が多く、晴れていても展望は期待できそうにないが、なだらかで気持ちがよい。

少し休んでから白倉山に行こうかと思ったときに鈴の音が聞こえてきた。ホテルスメールの登山口から年配の男性が登ってきた。人と会うとは思っていなかったのでびっくりした。
その方は伊勢の人で、このあたりの山にはよく登っているそうだ。迷岳も年に5〜6回は登ると言う。
登山歴は50年以上だと言うから70代くらいだろうか。3年前に肺ガンになったそうだ。肺の3分の1を切除したと言っていた。肺ガンの5年以上の生存率は17パーセントくらいで5人に一人なんだそうだ。それで、もう好きなように生きていると言っていた。毎朝今日したいと思ったことをしていると言っていた。
その方はまた同じ道を引き返すと言っていた。そのコースが迷岳では一番きついコースなのだ。とても元気で肺ガンを患っているとは思えなかった。

大熊谷の頭に戻り、今度は白倉山を目指した。
まずは急な下りだ。白倉山への道の方が迷岳への道よりも痩せ尾根ではっきりしていた。登り下りも急だ。ヒメシャラが多くなってきた。

白倉山の山頂に着く頃にはかなり雲が厚くなっていた。白倉山の山頂には何故か赤いポストがある。誰が何のために置いたのだろうか。本来なら展望のよい山頂だが、今日は迷岳と間近に古ヶ丸山が見えるだけだった。
山頂では虫が多かった。もうそんな季節なのだ。展望もきかないし、10分ほどで山頂を後にした。

駐車場には2時前に着いた。7時間の山歩きだった。予想していたよりも時間がかからず、ちょっとあっけない感じがした。
庵の谷林道から稜線までは40分しかかからないからかなりお手軽に稜線に出られる。迷岳もスメールのほうから登ったらだいぶ感じが違う山なのだろう。 それでもブナ、ヒメシャラなどの自然林だらけの山歩きは気持ちよかった。

久しぶりの単独行、それもけっこうマイナーな山。だが、行く前に感じていた不安感はいつの間にか消えていた。気の合った人との山歩きも楽しいが、やっぱり一人での山歩きは好きだ。 一人だからこそ感じる不安感と緊張感。それを癒してくれる自然。単独行ならではの醍醐味を感じた山歩きだった。

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