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2012年05月20日13:06

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池木屋山

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台高山脈の池木屋山、かねてからの憧れの山だった。

お天気が良さそうな18、19日にテント泊で明神平から池木屋山を往復しようと相方と相談していた。ところが間近になって、やまのねこさんが19日に日帰りで宮の谷渓谷から行くということがわかった。
とても綺麗な滝のある道だが高滝の高巻きが難所で、過去に何度も滑落事故が起きているという。だが、やまのねこさん曰く「池木屋に登るなら尾根じゃなく、まずはこの渓谷を登らないとツボさん達なら何も問題ないですよるんるん」とのこと。
それで一緒に宮の谷渓谷から行くことにした。

5月19日

まだ薄暗い渓谷の中で高い木の新緑だけが日の光を浴びて輝いている。
聞こえてくるのは川のせせらぎと小鳥のさえずりだけだ。

1時間ほどで高滝に出る。真直ぐな細い滝だ。
下のほうに少し虹が見える。
滝の横の道を上がっていくと、滝に大きく虹がかかっている。
虹はいつも見られるわけではない。ちょうど日が射すいい時間に当たったのだろう。

この先が最大の難所だと聞いていた。
滑りやすそうな斜面につけられた30cmほどの幅の巻き道を進んでいく。
危険な場所はこの先だろうか?まだだろうか?と思いながら慎重に進んでいくと、「難所はもう終わりですよ。」とやまのねこさんが言った。思っていたほど怖く感じなかったのは地面にぴったりフィットする地下足袋のおかげかも知れない。登山靴だったらもっと滑りやすかっただろう。

それから登山道から急斜面を少し下って猫滝の落ち口に下りた。小さな滝だが、濃い緑色の滝壺が深そうだ。

さらに進んでからまた道から外れる。
水がたっぷりの滝に出る。その名もドッサリ滝だ。マイナスイオンが満ち溢れた滝だ。
水しぶきが踊っている。なんとも躍動感がある。

登山道に戻ると二組の登山者と出会ったが、どちらもドッサリ滝には行かない。標識も出ていないから知らないのだろう。こんな素敵な滝に寄らないなんてもったいない。

奥の出合いを過ぎると胸を突くような急登が始まる。それでも先週の奥駈でかなりの急登を経験しているので、順調に足が進む。
1時間ほどで緩やかな気持ちのいい尾根になる。やっと回りを見回す余裕が出る。新緑が見事だ。

人の姿が見えたと思ったら、池木屋山の山頂だった。単独と二人連れの二組の登山者がいた。二人連れの人たちは明神平から日帰りで往復するという。
大又の駐車場から5時間で来たというからかなりの健脚なのだろう。

山頂から少し下ると山の名前の由来になった小さな池がある。だが、今はほとんど水がなくなって、小さな湿原のようになっていた。
気持ちのいいところだ。今度はこのあたりでテント泊したい。
木の間越しに大峰の山が見える。その手前の白鬚岳の鋭角が特徴的だ。池木屋山からつなげてみたいものだ。

台高山脈の縦走路を北に進むと、展望のよい山に着く。そこが霧降山だ。しばし展望を楽しんだ後、ここから下山する。地図にはない道だ。
やまのねこさんに代わって先頭を歩かせてもらう。踏み跡はしっかりしている。所々にテープもある。

薄いピンクの花が咲いている。アケボノツツジだ。
さらに行くと、白い花が咲いている。もしかしたらと期待して近づくと、シロヤシオだった。ほんの数輪が咲き始めていた。大好きな花だ。先頭を歩くと真っ先に見つけられるのが嬉しい。

やがて道は尾根から外れて伐採地になる。鹿除けのネットをくぐって急な斜面を下りていく。やがて林道が見えると駐車場のすぐ脇に出た。

ゆっくり休憩をしても8時間ちょっとの山歩きだった。あんな素敵なところ、日帰りだなんてもったいなかったな。今度は一日のんびりと山の中で過ごしたい。

思いがけず宮の谷渓谷から登ることになったが、素敵な滝を案内してくれたやまのねこさんには感謝感謝だ。もし私たちだけで宮の谷渓谷から行ったとしても、あのドッサリ滝には寄らなかっただろう。

そして、行きがけに急遽買った地下足袋。足に合わない人もいると聞いて軽登山靴もザックに入れて持っていったが、使わずにすんだ。これからも地下足袋にはまりそうだ。

台高山脈の池木屋山、期待していた以上に素敵な魅力に溢れる山。

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