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2012年03月19日20:55

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三題噺「へその緒、キチ○イ、○んば」

「三題噺のお題、三つちょうだい」と奥さんに言ってもらったのがこのお題だ。
まっさきに出たお題が、伏せ字にしないと表に出せない単語って、うちの奥さんもタイガイだなあ。タイトルはさすがに伏せ字にするけど、本文は伏せ字にしないので、これを読んだ人はあまりひろめないように。

三題噺「へその緒、キチガイ、ちんば」

常日頃から外貨を稼ぐ事に頭を悩ませていた某国財務長官の所に、一つの提言がなされた。
「ネットオークションだと?」
「はい。技術先進国ではネットオークションで散財する者が多くいるという事です。これなら諸外国に知られずに効率よく外貨を流入させる事が出来るに違いありません。我々も国家事業としてヤフオクに何か出品しましょう」
「しかしウチの国はもうそんな所に出品するものなどないぞ」
「いいえ大丈夫です。日本人は頭にJKとかJCとかついたら何でも買うそうです」
「なに、それは本当か」
「はい、本当です。これを観てください」
部下はそう言うと、ノートパソコンを開いて長官に見せた。
「うおおお、なんだこれは! 女子学生の制服がこんな高値で!!日本人はキチガイか?!」
「はい、その通りです」
「よしわかった。なんでもいいからJKとかJCとかつけて女子学生関連のものを出品してみろ」
時をおかずして、その成果を報告する連絡が次々と長官の元に舞い込んできた。
「女子高校生の制服が仕入値の5倍の値段で売れました!」
「着古した中学生の制服の方が新品より高値で売れる傾向があるようです!」
「靴下は制服より高値で売れました!しかも両方そろってなくても大丈夫みたいです!」
「衣類じゃないですが、耳かきでもOKでした!」
「タオルでもOKでした!」
「縦笛が凄まじい高値で売れました!」
「枕もOKです!」
「布団も全然OKです」
「母子手帳も売れました!」
「へその緒もOKでした!」
「ちょっと待て、女子高生のへその緒とか、おかしくないか?」
「さあ? 日本人が納得してるんだからいいんじゃないでしょうか」
「そうか。まあそうなんだが……」
そこで長官は考えに耽るように黙り込んだ。
「どうかされましたか?」
「いやふと思ったんだが、いくらなんでもこんな汚れモノみたいなものがこんなに売れるのはやっぱりおかしいんじゃないだろうか」
「それは私も当初から思っていた事ですが、実際売れるのだから仕方がありません」
「そこだ。もしかしたらそこに、我々が見落としている重要な何かがあるのではないか?」
「はあ、重要な何かですか」不得要領な顔で部下がうなづく。
「そう。たとえばそれが、我々の思いも寄らない経済効果を生んだりするようなだな」
「思いも寄らないような経済効果、ですか……」
「もしそのようなものがあるならば、ぜひとも突き止めねばならん。なんで売れてるのかわからん、ではすまされん」
「確かに。しかしそれではどうしましょう」
「まず、日本人の気持ちになるのが必要ではないかと思うのだ」
「勝手に連れてくるというのはもう情勢的に出来ませんが」
「そんな事は言ってない。……時に、君はどう考える?」と長官は、無造作におかれた衣類の山から、靴下の片方を手にとった。
「彼らはこれを、どのように使っているのだろうね」
「ええっと、たぶん、やっぱり、はいているのでは……」
「うむ、私もそう思う。そこでだ、一度実際にはいてみるのも手なのではないかと」
「ええ!!」
部下は思わず一歩退いて長官から距離を取った。が、長官の顔色が変わったのを見てハッと我に返り、姿勢をただして言い直す。
「失礼しました。ええ。いえ、何も異常な事ではないと思います」
「いやいや。君、勘違いしないでくれ。私は別に、好きではいてみようとか言っているのではなくて、あくまで責任上、やむなくだな」
「はい、承知しております。ツンデレっぽく言うと、べ、別に好きではくんじゃないんだからねっ! という事ですね?」
「ツンデレっぽく言わなくてよろしい」
「長官、もしかしてけっこう日本の文化にお詳しいのでは?」
「はいてみた。どうかね」
「いや、どうかねと言われましても」
「もう片方がないな」
「長官、靴下は片っぽづつでも一足と同じくらいの値段で売れるので、もう片方はもうここにはないかも知れません」
「そういえばそんな報告もあったな。いったい片方だけ買ってどうしているのだ」
「片ちんばでもいい、という事ではないでしょうか。いやむしろ片ちんばの方がいいのかも知れません」
「なるほど、奥が深いな。そういえば若者がそういうファッションをしているのを見た事があるような気がする」
「長官、こっちのゆるゆるのをはいてみましょう」
「はいてみた。どうだね」
「ぶっ!……」部下は口を押さえて肩をふるわせ、必死で表情を殺しながら「い、いいです、なかなかのものです。写メとっていいですか?」
「よし次はスカートに挑戦だ」
翌日、長官の写真が政府機関紙の一面を飾り、長官は失脚した。
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