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2011年09月23日17:50

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松岡美術館「西洋絵画の中の人びと」「青のうつわ」

しばさんの日記で開催を知り、初めて松岡美術館に行ってきました。

フォト

http://www.matsuoka-museum.jp/

今回は美術館の創立者、松岡清次郎氏が一代で蒐集した絵画「ミレイ、ルノワールからシャガールまで」という網羅性に惹かれて行ってみたのですが、絵画だけでなく「東洋陶磁のコレクション」も、常設の「古代オリエント美術」「現代彫刻」そして「古代東洋彫刻」も、コンパクトな空間ながら選び抜かれた作品がゆったりと展示されており、美術館自体が一体となって大きな価値を放っているという感覚がしました。

以下、気になった作品たちです。

1.西洋絵画


↓展示期間が終わると入れ替わります。
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/201104_1.html
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/201104_2.html

ミレイ:聖テレジアの少女時代

ミレイの作品は繊細で忠実な表現が特徴ですが、背景と人物や表情にちょっとした乖離感があり、それが一層描かれた人物を引き立たせている気がします。有名な「オフェーリア」は直接見た事ありませんが、今回の作品を観て俄然実物を見てみたくなりました。

ブーグロー:編み物をする少女
ポルティーリエ:オリエントの少女

2人の少女とも意志的で、内面的な質感のある絵だなあと思いましたが、オリエント・・が正面からやや逸れた目線であるのに対し、編み物・・の目線はどこから見ても見詰められている感じがするので、誰もいない館内では少し落ち着かない感じがしました。

シャガール:婚約者

この並々ならぬ結びつきを感じさせる2人の周囲に浮遊する天使や人々。この絵はモチーフや構図、色合いなんかも大好きなんですが、HPや書籍でみるとどうしても「青」が目立つ作品です。でも、実物を観ると青というより緑の色合いの方が強いんですね。後の展示で観た「青磁」も、青というより「少し暗めのうぐいす色」という感じだったので、2つの色は視覚的には違っても観念的には近いのかなとも考えました。

藤田嗣治:二人の子供と鳥籠

日本の筆による線を中心とした繊細な人物画で、コテコテした油絵具を見続けた目には一種の清涼感が漂いました。

ピカソ:ドラ・マールの肖像

ピカソ描く女性には容易に原型が判別できないものも少なくありませんが、これは見た瞬間「美人だなあ」と思いました。あの「泣く女」と同じモデルだそうです。

ペルジーニ:束の間の喜び
リーダー:北ウエールズの穏やかな午後

写実的な表現に中に、目には見えない空気感まで描き込んでいるようで、こちらまでうっとりしてきます。

ユトリロ:モンマルトルのキュスティーヌ通り

ユトリロの絵の中に描かれている人物は小粒ながらちょっとしたアクセントになっているのですが、よく見るとずいぶんズングリとした体形で、愛嬌と安定感があり、絵全体がコミカルでかわいらしい感じになっています。


2.青のうつわ

http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/201104_3.html

これまでやきものにはあまり強い関心を持って接してきませんでしたが、やはり「味があってちょっといいかも」と感じてしまうあたり、年を重ねたせいもあるのかも知れません。

今回の展示はこれも館蔵の東洋陶磁品より、染付と青磁を中心に青い色のやきものを展示したものでしたが、今回の収穫は、自分がこれまで求めていた「深く淡い緑色」が実は青磁といわれるやきものの中で中国人が理想の青として求めてたどりついた色と非常に近いと気付いた事でした。

展示には高麗の青磁もありましたが、こちらは少し水色に近い成分が多く、中国のものとは違った味を出していました。


本当は圧倒的な圧倒的なガンダーラ石造彫刻やヘンリー・ムアなどの巨大な現代彫刻、木棺などのオリエント美術についても紹介したいのですが、こちらは常設展示ですので、あわてずまたよく観てから感想など述べたいと思っています。

2時間程度で疲れず、盛りだくさんの作品を味わえるとても良い美術館でした。(とても空いていてゆっくり鑑賞できます)

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