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2006年07月13日19:09

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若冲と江戸絵画

東京国立博物館でやっている、『プライスコレクション・若冲と江戸絵画』に行って来ました。
本当は、国立博物館に用があって行ったのだけれど、ちゃんと見て来ました。因みにチケットは新聞屋さんからの貰い物。

では、最初は若冲の感想から行ってみよう〜。

伊藤若冲という人は、18世紀の京都に生まれた絵描きさん。京都の青物問屋の長男。つまり、大店の息子さんなのだな。
そんな息子さんなのに、この方、今で言う、オタクでヒッキーだったようだ(^_^;)。商売するより、絵を描くのが好き。
『美の巨人たち』という番組でやってて「あぁ〜」と思ったのですが、この方、大店の息子さんだから、別に“絵が売れなくても”良かったんだね。だからこそ、色んな実験的な手法で絵が描けた・・・というコトらしい。
オタクが究極の趣味人であるように、若冲もそんな人だったのかも知れないね。

さて、若冲。私のお気に入り。まずは『花鳥人物図屏風』。墨絵の六曲一双の屏風。
つぐみだか、烏だか分からぬが、黒い鳥が描かれている一枚があるのだが、この鳥の表情が良い!何か、半眼なんだよ(笑)。「寝てるの?」と問いかけたくなる。
鶏も何か、素っ頓狂な顔してるし。

『鶴図屏風』墨絵の六曲一双。漫画かと思った!(笑)
丸いのよぉ〜。鶴のフォルムが。卵型の鶴!!ツルンとしたツル(ダジャレか!)。
鶴のバックショットも可笑しく可愛い。何故、バックショットで鶴を描こうと思ったんだ、若冲〜。

『鶏図』
この絵。若冲得意の鶏なのですが、見て欲しいのは、鶏じゃなくて、その鶏の足元。このまん丸いの・・・“ひよこ”よね?(爆笑)
最初、気が付かなくて「何だコレ?」って思ったよ。母と一緒に行ったのですが、思わず母に「コレ、ひよこだ!」と言ったら、母ではなく、横のオジサンとオバサマが反応(笑)。「本当だ!」と喜んでおられた(笑)。

キリッと見栄をきるのは『紫陽花双鶏図』の雄鶏。
毛づくろいしている雌鳥を口説いてるのか(?)、やたら男前だぞ、この鶏!

鳳凰のように威風堂々としてるのは『旭日雄鶏図』。
松に雄鶏がとまっているのだが、その様は鶏というより、鳳凰の風格。

鶴の絵も楽しい。若冲の描く鶴って、何か怖いよね(^_^;)。
『竹梅双鶴図』。こちらは2羽の鶴。一羽は凛と佇み、一羽は佇む鶴の横から顔を出してる。
『群鶴図』は、総勢7羽の鶴の群れ。首を伸ばしたり、引っ込めて小さくなっていたり・・・。色々なポーズをとっています。

今回の目玉と思われるのは『鳥獣花木図屏風』。枡目描きと呼ばれる技法で描かれた屏風。パッと見タイル絵のようです。
但しこれ、本当に若冲の作か疑わしい部分もあるようです。某方によれば「コレには、若冲らしい、鋭さがなく、粗悪な模造品である。」らしい。
静岡県立美術館に、もう一つ枡目描きの屏風があるのですが、私はそちらを見ていないので、何とも言えない・・・。
ただ、面白い屏風絵だとは思う。
象のまるっこいフォルムと良い、なんか鳥の方は“ドードー”みたいな鳥はいるし。鵞鳥は間抜けな顔だし(笑)。

お土産屋さんに、コレの“ルービックキューブ”があったのは笑いました。
1度バラしたら2度と戻りそうもないぞ、このルービックキューブ。(^_^;)

『伏見人形図』。若冲は伏見人形の絵を沢山描いているのですが、コレもその一つ。まるっこいフォルムの笑顔の伏見人形。可愛いよ(笑)。

その他には。
江戸琳派のコーナーに、酒井抱一や、鈴木其一の作品が沢山あり、見ごたえがありました。
お気に入りは、酒井抱一の『三十六歌仙図色紙貼交屏風』。
三十六歌仙が色紙みたいな紙に描かれていて、植物画の屏風にペタペタ貼ってあるような感じの屏風。歌の部分は光悦風味。綺麗ですよ。
抱一は、まるっこい朝顔を描きますよね。私、この朝顔の描き方が好きなのです。

鈴木其一の『青桐・紅楓図』雨に濡れる桐と紅葉した楓の絵なのですが、雨の表現の美しいコト。
そういえば、其一さんは、抱一さんのお弟子さんよね。

鈴木其一『狐の嫁入り図』。
狐の嫁入りが描いてあるぅ〜。皆狐さんだよ!花嫁行列の絵なのですが、良く見ると全部狐さん。着飾った狐さん達の大行列です。

面白かったのは、プライス氏の『日本画は、光が果たす役割が重要』という言葉を受け、光が変化するコーナーがあったコト。
朝→昼→夜。こんな風に自然光のように光が変わっていくのです。そこで見た呉春&松村景文の『柳下幽霊図』がおっかなかったです・・・。
江戸時代は自然光で絵を見ていたのよね。暗くなるとね、幽霊が本当に生々しく見えるのですよ。おっかないよぉ〜!!(T_T)

でも、そこで見た山口素絢の『夏冬白鷺図屏風』は綺麗でした。銀地に白鷺が舞っていたり、枝にとまっていたり。
銀は劣化してしまうから、今はうすぼんやりとしてるケド。作った当初は、銀地がキラキラ輝いて、さぞ綺麗な屏風絵だったコトだろうね。

他にも、長沢芦雪や、丸山応挙の屏風絵などもあります。
日本画が好きな人は行ってみるのも一興かと。

因みに私は、自分で買った前売りチケットがあるので、もう1度行きます(^_^;)。
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