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2011年06月10日01:14

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一匹狼と言えば聞こえはいいが。

組織というものがなじまない。
人に教えられるのも、教えるのも性に合わない。
それでも、教えられる方についてはかなりの忍耐で我慢した。

とはいえ、学んだ事の多くは教えられたことではない。
見て、よく見て、そして観察して、そして考えて、何が違うのかを
常に検証し続ける自己努力によって私は学んできた。

それは決して効率の良い学び方とは言えないかもしれない。
でも、それでも、検証実証された実学だ。

さて、世の中の人々を見ていると、教えられないと学べないと思っている人が
意外なほど多い。
「学ぶ」とは「教えてもらう」ことだと思っている人々だ。
そして、そういう人と一緒に仕事をすると非常に腹立たしい。

人間は誰しも最初から上手くできる人はいない。
そんなことは私は欠片も望まない。
でも、向上しない人間は、「嫌い」だ。

さて、いつも同じ所に行きつく。
「教える」とはなんぞや?

何度かこのテーマの日記を書いているが、私は人に物を教えるのが
お世辞にも上手い人間ではない。
なぜなら、そもそも教えてもらって学ぶという経験値がないからだ。
板前の世界は、そういう意味で非常に私向きだった。

教えてくれなんて言おうものなら殴られた。
「盗め!」
これだけだった。
手とり足とり、なんてもってのほか。
味付けすらも、何を使っているかすら教えてくれなかった。
ある日いきなり、魚を渡され、上手くおろせなかったら、蹴飛ばされ
お前が魚をさわるとゴミになると捨てられた。

ひたすら見る。
先輩や板長の仕事をひたすら見る。
何をやっているのかを観察する。
もちろん、その間も自分の仕事の手は休ませてもらえない。
手を休めて人の仕事を観察していたら、ジャマにされて蹴られた。
使い終わった鍋を洗う前に残り汁で味見をしたもんだ。
性格の悪い先輩板前なんて、味を観させない為に、洗剤をぶっかけてから
渡して来たりしたもんだ。

でも、この世界のルールを把握してからは、むしろこれは好ましかった。
同じ仕事でも違うやり方がある。
何が違うのかを考える。
何が手抜きで、何が意味あるのかを常に考えていた。
状況によって許される手抜きと、許されない手抜き。
そういう違いもあったりする。
常に状況は変化する。
常に状況を把握し、常に考える。
ハイピークには秒単位で仕事を組み立てる。
複数の仕事が同時進行出来る状況を自ら作る。
板前なんて頭のいらない仕事だと思っている人がいたら、大きな間違いだ。
むしろ、頭が悪い奴に板前は不向きだ。
知恵熱出るんじゃないか?というぐらいフル回転を要求される。
ま、それも仕事をパターン化してしまうまでではあるが、、、

そう、そのパターン化された仕事を学ぶ事を学ぶだと思っている人が多い。
そこがきっと最大の違いなんだと思う。
すなわち、なんで?なのかが分かっているか分かっていないかの違い。

で、私はそういったものを教えてあげちゃうんだよね。
でも、そういったものは教えられても身に付かない。
むしろ、そういう答えを教えられちゃった人は知った気分になってしまい
ますます考えなくなる。

じゃあという事で、あえて教えない、失敗してもあえてスルーする、
むしろ失敗する事を容認する。
これは、物が分かっている側にしてみるとものすごいストレスな訳だ。
だって、失敗するのが分かっているのだから。

で、案の定で失敗する。
板場の状況で言えば、腐らせたり、焦がしたり、まあ、そういう結果になる。
1度で学べとは思わないさ。
そう自分に言い聞かせて忍耐。
ひたすら忍耐。
でも、自分で学べない奴は、結局、自分では学べない訳だ。

同じ失敗を延々と繰り返し続ける。
横で同じ仕事を問題なくこなしている人間が居てすら学ばない。
だって、学ぶというのは教えてもらう事だと思っているから、他人の仕事
なんて見ちゃいない。

仕方がないから、失敗が失敗なのだと指摘する。
自分で考えろと促してみる。
でも、自分で学べない人間は、他人の仕事を見ていないから、自分の失敗が
自分のせいだと気付かない。
だから、自分の仕事にケチを付けられたという不満だけを持ち、何も学ばない。

ついにあまりに改善しない状況に怒る。
思いっきり反発される。
「そんなやり方じゃダメだ。」
ダメな奴にダメ出しされる怒りを理解出来るでしょうか?
殴りたいのをひたすら耐える。
忍耐だよ。
忍耐。
忍の一字だ。
「問答無用だ!言われたようにやれ!」
不満タラタラ、とはいえ、仕方がないからやり方を変えるバカ。

ようやく改善される状況。
しかし、そうやって忍耐に継ぐ忍耐で教えたバカは、しばらくすると
まるで以前からそういう仕事をしていたような顔をする。
そして、自分が一番仕事を知っているような顔をする。
だって、周りの人間の仕事なんて見ていないから、余裕で自信過剰になれる。

結論。
殴って上下関係を明確に理解させる以外に学べないバカは、世の中に
確実に居る。

で、殴っちゃいけない時代でもあり、ヨーロッパでもあり、殴れないのに
バカを相手に教えるなんて、一種の拷問です。
ほんと一人で仕事がしたいです。

ちなみに、板前という職業は、「頭が悪いから板前になった」と自ら語る
おバカさんが多い業界なので、むしろバカなのを前提に殴って教える方が
効率的だと思います。
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