mixiユーザー(id:22359459)

2011年02月16日01:03

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こういうこともありました(18禁的シーンはあまり出てきません)

男は車内のオーディオを指差すと、早口で告げた。
「ゆっくり支度していいよ。この曲が終わるまでいて構わない」
しかしわたしはその歌が何分何秒だか知らないし、全裸より着始めるとは違うにしても、狭い車中で服を元通りにするには時間がかかりそうだ。それに、あとせめて15分くらい一緒にいたかった。
ぽ「一応急ぎます」
男「あぁ」
携帯電話を取り出して、男はメールを打ち始める。心はもうわたしにないと認めざるを得なかった。準備ができると、彼は車を降りた。コインパーキングに駐まっていた分の料金を払いに行ったのである。駐車位置番号を見るために振り返る時間が長いようだった。明らかに人の2倍の時間がかかっていた。わたしはそのあとで、この隣のスペースに置いている自分の車で帰る。男が戻ってきて助手席側に立つ。わたしは扉を開けた。
男「君の分も払っておいたから」
ぽ「え! どうして……」
男「自分のだけ出して帰っちゃうのもどうかと思った」
ぽ「だってあなたは300円で、わたしの料金は2,100円くらいしたでしょう」
男「ジャストその通りだね」
ぽ「いいの? すいません、ありがとうございます」
男「いや」
わたしは嬉しくて抱きつこうとしたが、払いのけられる。米国政府から来た在日米軍基地交渉の相手を待たせていたんだそうだ。彼は職場に帰った。夜の0時を回っていた。


後日、男は自慢気に話をするのだった。あの晩、深夜の政策協議のあとで、
「(取材の)カメラを向けられたけど、一言もしゃべらなかった」
それは正解である。なにしろ彼は、わたしとキスして付着したグロスのラメが、口まわりにキラキラ光っていたのだから(爆)。


会って20分でさよならしなければならない夜ばかりが続いた。男は、
「ちょっとだけキスしよっか」
とほほえみ、わたしのハートをさらって逃げるように仕事へ戻った。呆然と立ち尽くしてしまう。
「かわいい子」
男は、胸のふくらみを指一本でツンとつついたりしたが、反応を見るのみで、それ以上のことをする時間はない。実のところぽっぴんHには、相手の意図がわからなかった。
ぽ「会って何のためになるの?」
男「僕の心が満足する」
ぽ「そんなんじゃ読者に対する説得力がありまへん」
男「ふむ」
ぽ「まぁいいですよ」
男「心を論理的に説明することはできない」
ぽ「知ってます」
男「いつ会える」
ぽ「あなたがキスだけでがまんできない夜」
男はわたしを抱きしめた。

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