初詣は例年、２日にご祈祷を受けに行く。参拝客の前の部屋で、その人達がお参りするのを背中に受けながら祝詞を読み上げてもらう。なんか申し訳ないですわー。そして白く細長い紙の束を頭上でシャ〜ッシャ〜と振られる。祝詞は年々短くなる気がする。しかし重要なところが届いていればよい。
「ぽっぴんは〜病気〜平癒を乞ひー願ひ」
そうそう、そこんとこ大事。今年から御神酒が出なくなった。あれでうちの兄弟は寝込むから、飲まずに済んでほっとした。
本殿での祈願祭の次は、駐車場の２台の車のお祓いだ。家族と宮司さんが移動する。そのときわたしは、参拝のしかた案内の看板をうっかり蹴って、派手に倒してしまった。よりによってワイヤーの刺してある右足の親指で。こちらの被害はストッキングが破れるのみ。ただし、お願いごとをしている最中の人の正面しかも目の前１ｍでドカーン！ だったため、超迷惑かけた。すいませんすいませんってよろけながら謝った。
この神社のお嬢さんはうちの弟の同級生だ。御守りを売っている。おや、今年は別の人。なんか見たことのある顔。栄光ゼミナールで英語のアルバイトをしていた学生さんではないか。年齢的にお嬢さんの弟君。そうと知らずに２００９年春にわたしは職員ルームで、彼と何やらいろいろ話したものだ。
車のドア、ボンネットすべてを開けると、英語先生のお父さんがあの紙の束で清める。これでお祓いは滞りなく終了した。おみくじを買いに、母が英語先生のカウンターへ走って行った。
その方角をふと見ると、すごい美男子４５歳前後が歩いていた。しかも見覚えあり。なぜか本殿と参道の入り口の間を往復している。そこへ奥さんが登場し、彼の半歩うしろを歩き始めた。わかった、栄光の生徒の保護者だ。子供は母親似の男の子だったがお父さん超美男。わたしが電話すると、塾からとわかっていて、
「はい、こちら地球防衛軍です」
と出る。びっくりして、
「うわ間違えました、すみません」
切ったらすぐにかかってきた。
「○○の父親です〜失礼しましたパトロール中です」
と明るい声。やるな美男子。その彼が初詣。子供の姿はなかった。お参りせずに参道を行ったり来たり。謎。地球防衛軍たるもの、神頼みには迷いがあるのか。
わたしは家族と帰宅した。親指が痛み出す。母親が「病院行くー？」。正月ですよ。
「次いつ」
「２８日」
「そんなにないの！」
「そう」
じんじんするー。がまんだがまん。
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