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2010年08月28日01:09

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常連さん

今日カウンターで話をした常連のお客さん。
週に1〜2回、毎回特上寿司を食べていく。
もともとは、「や○どり(同じ会社の別店舗)」の常連さんだったらしいが
ある日そちらが満席でこちらに来店して以来こちらに乗り換えた人だ。

とりあえず、「バルセロナで一番うまい寿司はここの寿司だ!」と
大層気に入ってくれている。
いろんな所で食べてるそうで、他の和食店を引き合いに出してくれる
のだが、、、
困った事にバルセロナの有名どころの寿司板さんはほぼ全部知り合い。
あんまりこきおろされても同意する訳にもいかないんだよね。。(汗

ただ、はっきり言えるのは、私の仕事はさほど高級な仕事ではないと
本人が知っている事。
売値が安めなのにクオリティーを求める社長がいるので、使用する魚は
生のクロマグロや天然物の白身が基本。
微妙なラインまでロスを出さないでギリギリの原価を維持している。
だから、時としてスジが強いこともあるし、味が落ち始めているものも
使っている場合がままある。
ただし、ロスを極力出さないために、魚の処理に関しては極めて気を
使っている。
バルセロナNO,1と自称している「や○ま」さんで働いていた時などは
朝一でその日の魚を全部サク取りしてしまっていたが、私は極力魚を
おろさないでいるし、保冷温度の気の使い方は神経質と言って良いほど。
骨付き皮付きで保存しておけば、皮や骨ぎわの身が保護材となって
酸化劣化を防いでくれるので、2〜3日経過しても熟成は進んで美味しく
なることはあっても味が落ちる事はないし、温度管理が完璧ならば
たとえ1週間たっても匂いが出ることなんて絶対にない。
こういった基本的な知識や気遣いが出来ていない「自称高級店」が
世の中にはいっぱいある。
変な話、築地で仕入れた魚をその日のうちに使い切ることを売りに
しているような高級店などがあったりするが、仕事を知らないと思う。
そもそも新鮮すぎる魚は熟成が足りず美味しくない。
しかも、そういう高級店で働いた人間は鮮度管理の知識が足りない。
だって、常に新しいものを使える事を前提にしているからね。

そういった基本的な知識と気遣い、状況に応じて〆たり、炙ったり、
そういう積み重ねをしているだけのことであって、私は極めて真っ当な
普通の仕事をしているだけの事。
でも、海外に出てくる職人さんの多くは、実の所、、、そんな基本的な
知識や経験すらもっていない人が多いのだよね。。
ほんと残念ながら、、、
という訳なので、私の仕事は真っ当な事を真っ当にやっているだけ。
たまに、最高級を常時要求するお客さんが来て、ダメ出ししていくが
それは仕方がないと思っている。
だって、最高級を出せる料金を貰っていないのだから仕方がない。
例えば脂の乗り切った中トロが常時ないからダメだってダメ出しされても
だって当店はそういう商売はしていない。

でも、そういう真っ当な知識と経験をもって仕事をやってますので、
分かる人には分かってもらえます。
値段は比較的安めだけど、ちゃんとしたものを出している。
高級店を名乗ってる割にちゃんとしていない和食店が数多い海外。
数は少ないけど分かってくれる人の満足した笑顔が私のやる気の糧です。
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