結婚指輪

ティファニーに行ってきました。
妻が亡くなる少し前に紛失した結婚指輪と同じものを作ってもらうことにしました。

質素で倹約上手な妻からは、そんな高価なもの買いなおすなんて勿体無いって言われるのは承知。
作り直しても同じものじゃないことも、それはものに過ぎないことも承知。
それでも妻のために欲しいと思ったから、新婚旅行用だった貯金を使うことにしました。
誰の指にもはまることのない指輪だけど。

僕らが指輪を買った時の担当さんが覚えていてくれて、「その後お元気ですか」と尋ねられ、誤魔化すこともできずに事情を話しちゃいました。
彼女、絶句して、それから泣いてくれました。私も話していて泣けてしまいました。

そういえば亜希はここに来るたびに透明感のあるブルーの飲み物を頼んでいましたっけ。この店舗のカウンター席に座っていると、私と亜希が２人でウィンドウの指輪を見ているシーンが浮かんできます。

受け取りに行くときは、結婚式の写真を見せようと思っています。こんな風に指輪の交換をしたんだよって。最高の笑顔の新婦さんを見せに。