ウキウキテレフォン

今さっき。夜勤明けで家に帰ってきてカバンを下ろした瞬間に電話。

「もしもし？」
「あ、西野さんのお宅ですか？ご主人様でいらっしゃいますか？（女声）」
「そうです」
「私○○（企業名）と申しまして、光触媒の新しい外壁塗料を扱ってる会社なんですね。」
「はあ」
「現在、普及キャンペーンの一環としまして、ご協力いただいたご家庭の足場代や工賃などを無料サービスさせていただきまして、塗料代のみの・・・」
「1平米あたりいくらですか？」
「はい？」
「塗料代は1平方メートルあたり単価いくらですか？」
「いや、その、ですからね、お家を拝見させていただいて係の者がお話を・・・」
「塗料の単価あるでしょ？それを教えて欲しいんですけど」
「・・・ご主人、外壁の塗り替えとか考えてらっしゃるんでしょうか」
「そうですね。だから比較の参考にしたいんです。単価を教えて下さい」
「いやあの、ですから係の者がですね。一度お家を見せていただいてから見積もりを出していただくという・・・」
「塗料の単価あるんでしょ？1平米あたりの」
「まあ、ありますけど・・・」
「それを教えて欲しいって言うてるんですけど」
「ちょっと今わかりかねるんですが・・・」
「手元に資料ないんですか？単価の載ってる」
「資料はありますよ」
「じゃあそれを教えて下さい」
「ちょっと今この場では教えられないんですが・・・」
「なんでですか？貴女は営業でお電話してらっしゃるんですよね？ということはぼくは客ですよね？客が契約するかせえへんかの判断材料の一つにしたいから単価を教えて欲しいと言うてるのに、教えられない理由てのは一体何なんですか？」
「いやだから、それは係の者がきちっとした見積もりを出す時に言いますので、今はお教えできないんです」
「それでしたら結構です」
「こ　ち　ら　こ　そ　！（ガチャッ）」


直後に同じく夜勤明けの妻が帰ってきた。さあ昼メシは何にしようかな。