恐怖の代替療法

私の風邪も、どうやら昨夜２時をピークに治ってきました

ひたすら、ビタミンとクエン酸を飲む代替療法が、功を奏したのかもしれません

代替療法といえば…
今日来られた人が、自己流の代替療法をしていると言われたんですな

水虫の改善のために、毎日、超熱いシャワーを、足の裏に浴びせていると…

当然、治るわきゃありませんな
真菌は、そんなことで殲滅できません

だが
世の中には、無謀な代替療法に挑むチャレンジャーがいるのですよ…

その昔、友人のポールが電話してきて、こう言うのです

『ひとつ、聞きたいのだが、インキンタムシは、熱に弱いのだろうか？』
『え君は、あの業病になってしまったのか？』
『うむ、不覚にも…』
『そいつは大変だ。薬はつけたのかい？』
『いや、まだだ。インキンタムシは、要するに菌なのだから、やつらは熱に弱いに違いない毎日、超熱いシャワーを、患部に浴びせて殺菌しているのだが』

ポールは、熱いシャワーによる真菌殲滅作戦を展開していたのですな

私は、不可能だと伝えました

『ええっふ、不可能なのかい？』
『うむ…残念だが…』

彼の無謀なチャレンジをさとそうと、私はあるエピソードを語りました

『手塚治虫が医者になった理由を知っているかね？
彼はある日、右腕がひどい水虫になり、化膿して、このままでは右腕を切断しないといけないという状態になったのだよ。
そんな時に医者が施した薬によって、みるみる治るっていくのに感動し、彼は医者になったのだよ。
ブラックジャックも、この体験からできたのだ』

『そ、そうだったのか…』

『うむ。インキンタムシも水虫も、同じ真菌だが、やつらをナメてはならない。下手すれば…切断そうなれば、お家は断絶由々しき事態だ』

『そ、…それは由々しき事態だよねわかったよ、ダディに聞いてみるよ』

実は、ポールのダディは、ドクターなのですよ

ダディに連絡したところ、
『扇風機を設置してから、薬を塗布すれば、ある種の快感が発生する』とのこと

かくして、ポールは由々しき事態を乗り越え、現在は科学を志す者として、物理学の世界に日々邁進していますな

…でも、ポールよ
熱いシャワーは科学じゃないよね