少し前になりますが、三越でやっていた「春の院展」というのを見てきました。デパートの美術展って、なんだかゴミゴミしていて印象悪かったのですが、今回行った水曜の閉店間際と、土曜の開店直後はとても空いていて、思いがけず出合った素敵な絵とともに、感動して癒される時間を体験しました。
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/64inten/
→これを或る友人にお得情報としてメールで勧めたところ、urlを見て、「お得な三越の移転セール」と勘違いしていたので、是非内容は確認されることをお勧めします・・。
年齢を重ね感じ易くなっていることもあり、これまであまり縁のなかった現代日本画が、有名な古典絵画のように一枚一枚、かなりの迫力で迫ってきました。気になったものをいくつか・・・
先ずは、
・下田義寛「月明」(同人)
富士の頂はまだまだ厳冬の世界なのですが、藍色の闇を隔てて下の山々には夜桜が浮かび上がり、少し笠がかかった月明かりがそれらを引き立てています。春の柔らかさに、凛とした空気が張り詰めて、とても好感が持てました。
・小山硬「追憶満州」(同人)
政治的なメッセージのある絵をあまり理解しないのですが、この絵はそれよりも、作者の体験と強い想いがシンプルに伝わってきて、それだけでも迫力があります。
・那波多目功一「早春譜」(同人)
・前田力「灰の空」
・荒木みどりこ「ゆく秋」
・神谷菜穂「風の音」
窓から差し込む光とやわらかな風に向かい、本当に(人間みたいに)気持ちよさそうに風を感じている猫。(その眩しいのか気持ち良いのか分からない表情も素敵です)風に膨らむカーテンの具合もちょうど良い感じです。
・川地ふじ子「蔓梅擬・立冬」
・川瀬伊人「水ぬるむ」
・佐治満澄「ひなの夢」
・日隅映「春の風」
なんだか懐かしいシーソー(ぎっこんばったん)で思い思いに遊ぶ子供たち。光の力強さにも、吹いている風にも、細長いシーソの影の湿り気にそって吹き溜った桜の花びらも、全部が清々しい絵です。
・古屋雅子「望」
・牧野環「雨後晴の道」
夕立の後の一瞬の明るさ、明日に向けて健全に湿る大気を感じます。
・水野淳子「赤い服と蛇」
グレーが基調の絵なのですが、その中で、女の子の赤い服と、蛇の青い柄がいいアクセントになっています。取り合わせも変わっているのですが、籠の中がインコだったらここまで気にならなかったかも・・です。
・水見剛「薄日」
感想も書ききれず、また、ここに挙げなかったものにも気に入ったものが数点あったのですが、忘れてしまいました・・。仕切りやガラスなしに岩絵の具の涼しい感じを間近で味わえましたので、来年も是非、また行ってみたいと思います。
写真は順に、三越横の日銀、常盤橋(写っていないですが、水面は桜の花びらでいっぱいです)、近所の夜桜です。
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