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2009年02月14日01:54

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加山又造展(夕方の美術館)

毎朝、勤め先最寄の地下鉄駅を降りると目に入る“加山又造展”の圧倒的な「春秋波濤」のポスター。我慢できずに行ってしまいました・・。

日本画の常識を超えるようで、でも、日本的な要素をより強く引き出す大胆な試みの作品たち。詳しくは、こちらで↓

http://www.kayamaten.jp/ (加山又造展公式サイト)

音声ガイドを受け取って、数歩でいきなり現れる巨大な壁画3作。

「雪」「月」「花」 雪の中の小川はこのあと繰り返し描かれる「天の川」に似た濃い藍色に金銀の箔。雪も単純な白ではなく・・いくら説明しようとしても私の乏しい語彙ではあの圧倒される迫力と吸い込まれるような感覚は表現できません。夜の桜をあやしく照らす赤い炎。気が付くと、最初の部屋に20分はいたようでした。

冬の裸木と山々、オオカミ、カラスが描かれた「冬」 ブリューゲルへの傾倒が説明されていましたが、私には、ただただカラスの鳴き声の響き渡る夕暮れの荒涼とした雰囲気が染み込むばかりでした。なんだか、私がよく訪れる八ヶ岳の麓の雰囲気がするのも好感を持った理由の1つです。「木枯」の夕陽は絵の背景なのに、炎に照らされた桜の花びらのように、赤く染まるのは手前の枝…とても妖しい。

屏風絵に見られる複数の時間を1枚の絵に描き込んだ作品の中で、「七夕屏風」「春秋波濤」 素晴らしい作品たちの中でも特に私好みでした。季節や時間の境目に入れる巧みな緩衝材の効果でそれぞれが独自の宇宙を作る。「千羽鶴」“鶴たちが一斉に飛び立つ羽音が美しい”と言って描いた感動がそのまま伝わって来るような作品です。

「桜」は昼見ると、まったくの純粋絢爛なんですが、夜は、特に一連の作品では炎やかがり火との組み合わせで妖艶な感じがします。「夜桜」もそうした意味で花見の夜桜とは違った“妖しさ”をどうしても感じています。ちょっと前にアニメでやっていた「夜桜四重奏」を思い出したせいかも・・。(妖怪モノ・・)

“色彩を超える色”と題された水墨画。 「水墨山水図」霧の深い山中で、水音だけが響き、突然開いた視界に目前の木々や滝。絵から確かにマイナスイオンが出てます。「凍れる月光」剣岳のように鋭く盛り上がる単独峰。富山県立水墨美術館蔵とありました。(剣岳は富山県にあります)

他にも気に入った作品がいくつもあったのですが、長くなる(すでに充分長い)ので、このあたりで。。ネコと牡丹を描いた作品も素敵でした。

隣でやっていた「文化庁メディア芸術祭」も面白そうでしたが、ピアノの時間になるので後ろ髪引かれましたが、断念。






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