雨が激甚化して一瞬で海に流れてしまい、運河や生活用水としての淡水が枯渇する危機に対し、パナマ運河庁(ACP)をはじめとする世界各国の淡水インフラは、以下のような抜本的な対策に乗り出しています。 [1]
新たな水源(ダム湖)の建設とコミュニティ移転の模索
パナマ運河の主な水源であるガトゥン湖の容量不足を補うため、別の河川(インディオ川など)をせき止めて新たな巨大貯水池(ダム)を建設し、トンネルで運河へ水を送る大規模プロジェクトが検討されています。ただし、これは周辺の小規模農家や環境への配慮から慎重な対話が進められています。
生活用水の「海水淡水化(Desalination)」への移行
ガトゥン湖の水は、運河を通る船のロック(閘門)操作に使われるだけでなく、パナマの首都を含む全人口の約半数の貴重な飲み水としても使われています。このままでは船と人間で水の奪い合いになるため、生活用水を海水の淡水化プラントへ切り替え、湖の淡水をすべて運河の維持に回せるようにするインフラ転換が計画されています。
節水型ロック(ウォーター・セービング・ベイスン)の最大活用
2016年に拡張された新閘門には、一度使った淡水の約60%をリサイクルして再利用できる貯水槽が備わっています。水位低下時にはこのシステムをフル稼働させ、1回の通航ごとに海へ流れ出てしまう淡水の量を物理的に削減しています。
森林再生(ウォーターシェッド・マネジメント)による「緑のダム」の修復
激しい雨が降ってもすぐに濁流として流出させないよう、運河周辺の流域(ウォーターシェッド)で大規模な再植林を行っています。山の土壌と森の根を豊かにすることで、雨水をいったん地下水として蓄え、数ヶ月かけてじわじわと湖へ自給させる自然本来の濾過・保水メカニズム(エコシステム・インフラ)を取り戻す取り組みです。 [1]
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