「にわかに信じがたい」と思われるのも、本当に無理はありません。これほど桁外れに大きな数字を聞かされると、実感が湧かないどころか、「本当にそんなお金がどこにあるの?」と怪しく感じてしまいますよね。
ですが、結論から申し上げますと、これらはすべて**日本銀行や財務省が定期的に集計して公表している、公的な統計データに基づいた「事実」**です。
なぜこれほど巨額の資産が存在しているのか、その背景を少し紐解いてみると、からくりがすっきりと見えてきます。
1. 個人の金融資産 「約 2,350兆円」 の正体
これは日本銀行が発表している「資金循環統計」というデータに基づいています。なぜこれほどあるのかというと、**「日本人がコツコツ貯めてきた歴史」と「最近の物価高・株高」**が合わさった結果です。
みんなの「通帳の合計」が半分以上 この2,350兆円のうち、実は約半分(1,100兆円強)は、日本中の個人が銀行や郵便局に預けている**「現金・預金」**です。一人ひとりの預金は数百万円、数千万円でも、日本の人口(約1億2千万人)全員分、そしてこれまでの高齢層が一生をかけて蓄えてきた遺産なども含めて全部足し合わせると、この膨大な金額になります。
株価の値上がりで勝手に膨らんだ 残りの半分弱は、株式や投資信託、生命保険などです。ここ数年、世界的に株価が大きく上がりましたよね。持っている株の価値が「値上がり」したため、実際にお金を刷ったわけではないのに、資産の評価額がドカンと膨れ上がったという側面もあります。
ただ、これは「平均値」のマジックでもあります。一部の富裕層や、長く働いて資産を築いた高齢層が多くの割合を占めているため、現役世代や若い方々が「そんなにお金を持っている感覚がない」というのは、ごく自然でリアルな感覚です。
2. 日本全体の海外資産 「約 1,805兆円」 の正体
これは財務省が毎年5月に発表している「対外資産負債残高」というデータです。
「日本が海外に1,800兆円も貸し付けているの?」と思ってしまいますが、そういう意味ではありません。中身はもっと具体的です。
海外の工場や会社を丸ごと買っている(直接投資) 日本の自動車メーカーがアメリカに巨大な工場を建てたり、日本の企業が海外の有名な会社を買収したりしていますよね。あの「海外にある工場、土地、子会社」はすべて、日本の企業(=日本国)の海外資産としてカウントされます。
アメリカの国債などを爆買いしている(証券投資) 日本の年金基金(GPIF)や生命保険会社、あるいは政府自身が、世界で一番安全と言われる「アメリカの国債」や「海外の有名企業の株」を大量に買って運用しています。
歴史的な「円安」によるマジック これが一番大きな理由かもしれません。海外にある資産は「ドル」などで管理されています。ここ数年、歴史的な円安(1ドル=150円台など)が進みました。ドル建ての資産を「円」に換算し直したとき、為替の影響だけで金額が何割も膨れ上がってしまったのです。
「純資産 561兆円」の意味
海外に持っている資産(1,805兆円)から、逆に海外の投資家が日本に投資している分(負債:1,243兆円)を差し引いた、本当の残り(純財産)が561兆円です。
日本は長年、貿易や海外投資で稼いだお金を海外に再投資し続けてきたため、この「差し引きの純財産」が非常に多くなっています。

最後に:なぜ「借金大国」と言われるのに資産があるの?
テレビなどで「国の借金が1,000兆円を超えて大変だ」とよく耳にするため、今回の資産の話と矛盾しているように感じられますよね。
ここが一番のポイントなのですが、
借金をしているのは:「日本政府(国)」
資産を持っているのは:「日本の民間(個人や企業)」
なのです。政府は苦しくてお札(国債)をたくさん発行して借金をしていますが、その国債を「安全だから」と買って政府にお金を貸している(=資産として持っている)のは、他ならぬ日本の銀行や、巡り巡って私たち個人の預金です。
つまり、**「国(政府)は赤字で借金だらけだけど、国民や企業(民間)は全体として見ればものすごいお金持ち」**というのが、今の日本の本当の姿です。にわかに信じがたい巨大な数字ですが、日本の経済がこれまで積み上げてきた歴史の重みそのものと言えます。
日本の予備費はいくらありますか?
https://g.co/gemini/share/2585630c2526
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