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2024年08月06日22:13

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紙の新聞の発行の危機!地方都市を中心に夕刊が消える

今回のテーマは、年々購読者が減り続ける紙の新聞である。現場で取材する記者が属する新聞社、配送を担う新聞販売店、2つの業種の役割について紹介する。

     <紙の新聞、発行の危機!地方都市を中心に夕刊がなくなる>

       � /景垢�届けられるまで

 右肩上がりに経済成長を遂げた昭和時代、高校、または専門学校や大学を終えると、就職、結婚を通して、家庭を築くことが一般化していた。1960年代に都市部から始まり、1971年の農地転用法が施行され、分譲マンションが次々と建設された。新しく団地が出来るたびに、住民が買い物を出来る商店街たちあがった。経済学では、異種業種が互いに作用しあい、成長していくことを「シナジー効果」という。

 新しく出来た団地の住人向けに、新聞販売店も立ち上がる。かつては、一家に一紙は、新聞を購読していた。2022年には一世帯あたり平均0,56部、一家に2つの新聞をとっている例を踏まえても、二軒に一軒は購読していないことになる。2023年初頭時点で新聞通信調査会のデータによると、60代以上では8割前後が定期購読している。高齢者の間では、在宅時間の長さも相まって、新聞を読むことが習慣化していた。世代が下になるに連れて、新聞離れは顕著だった。30代ではおよそ3割まで下がる。別の調査では、紙の新聞を読んでいる人は20代では6.3%、10代ではわずか2.5%にとどまっていた。新聞購読率に反比例して、インターネットの利用は10代で90.1%、20代では96%に達している。つまり若い人の間に根付いてない限り、産業としての未来はないことになる。

 調査結果 RKBオンライン 2023年1月6日付 https://rkb.jp/article/162087/

 
新聞販売店側も、購読者減は、経営に大きな支障を及ぼす。不規則な勤務を強いられ、休日の少なさから、求職者から敬遠される傾向にある。朝刊と夕刊の発行に伴い、一日に2回に分けての勤務体系である。従って、朝刊の配達に伴う勤務時、従業員の給料には、深夜手当てがつく。一日は真夜中から始まる。人々が寝静まっている頃、新聞を積んだトラックが販売店の前で止まる。従業員らが、荷下しを手伝い、梱包していた新聞を運び出す。紐を解いて、新聞紙を一つずつ選り分け、前日に用意していた広告を挟み、各家庭へと配達に向う。

 写真=新聞配達のイラスト イラスト屋より
https://www.irasutoya.com/2013/08/blog-post_8714.html
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 販売店の形態は、主に3つに分けられる。一つは、特定の新聞のみ扱う「専売店」、もう一つは、主に全国3大紙の一つを中心に、地方紙も販売する「複合店」、3つ目は、その地域に配布される全ての新聞を引き受ける「合売店」である。都市部では、新規参入時に、配達エリアを巡る熾烈な競争から、合売店は少数だった。「専売店」または「複合店」が中心といえる。

 全国紙は、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の3大紙に、日経新聞と産経新聞をくわえ、5大紙との呼び方が残る。

次にブロック紙とは、地方単位で発行する。カヴァーする地域内において、全国紙よりも人々の間に根付いていた。東海地方は「中日新聞」、九州地方の北部は「九州新聞」北海道は「北海道新聞」が、全国紙を凌ぐ購読者数を誇る。一方原則都道府県単位で発行する地方紙は、地元民に寄り添うような内容の記事を書く。地方紙の一つ静岡新聞に限ると、発行対象地域は同県西部に限られながら、愛知県豊橋市に本社を置く。発行部数は朝夕刊セットで約53万2千部(2022年現在)。静岡県内の市場占有率は朝刊59%・夕刊80%と優位性を保つ。静岡県西部の浜松市を中心とした遠州地域では、中日新聞(浜松市に所在する中日新聞東海本社が発行する)と競合する。購読料は月額3,300円。1部売りは140円。

 写真=静岡新聞より 2021年3月15日付 https://www.at-s.com/pressrelease/article/detail/870512.html
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販売店に関すると、複合店や合売店の場合は、用意していた配達カードに従い、新聞の組み込み作業をしながら、折込チラシを挟み込む。

 朝日新聞、または読売新聞のみ扱う専売店は、配達員が受け持ち区域内の折込チラシの入った新聞を抱え、速やかに出動する。複合店や合売店は、組み込み作業にやや時間を要する。

 従業員の立場に立つと、夜型の勤務になる分、体内のリズムが整いにくい。新聞販売店は、住宅地に隣接している場所に拠点を構えていることが多く、治安維持の役目も担っていた。今、ファミリー世帯の減少と共に、デジタル化の波により、新聞自体存続の危機にさらされている。

 2024年7月に入り、紙の紙面の危機感が露になるニュースが、続けて2つあった。次章以降2つの出来事を考察しながら、新聞の役目や未来と共に、販売店についても取り上げる。

          �∨萋�新聞が、9月末日にて朝刊の配送をとりやめる

 7月17日(水)付けで、毎日新聞が、富山県内にて、9月末日にて朝刊の配送を取りやめると発表した。既に同地域では、夕刊は発行していない。全国47都道府県で唯一の休止である。なお富山県内では、朝日新聞と読売新聞は、朝刊の配達を続ける意向である。

 東京都千代田区にある毎日新聞社の社長室広報担当によると、紙の新聞の発行を終了する富山県内においても、支局を残し、取材班を置き、地域に根付いた記事を作成するという。購読者にはDEGITALへの以降を薦めていく。富山県内では、とりわけ発行部数が減少していた。富山県で圧倒的なシェアを誇るのは北日本新聞、発行部数208,161部(2022年6月現在、一般社団法人日本ABC協会調べ)、県下普及率は53.86%(2019年時点で第1位。特に県東部でのシェアが高い)日本新聞協会・共同通信社加盟している。

 写真=北日本新聞のロゴ 掲載元同社ホームページより https://webun.jp/ud/hanbai
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 写真=北日本新聞の2016年1月5日の記事 掲載元 長野県文化財データーベース 2016年1月14日付 http://bunkazai-nagano.jp/modules/d3blog/details.php?bid=189
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コロナ禍後に円安や資源高が重なり、購読料も確かに値上げをした。毎日新聞は、最新2023年6月1日に月ぎめ購読料(消費税込み)を改定している。朝・夕刊セットは現行の4300円から4900円に、統合版(朝刊と夕刊のセット)は現行の3400円から4000円へ、2割アップしている。

 注意:統合版は、夕刊の配送をしていない地域のみ販売している。

購読料が上がることにより、解約者も後を絶たず、新聞社側も販売店側も、利益を確保できたとは言いがたい。人件費高騰も相まって、嵩んだ費用を十分に価格へ反映できず、配送網の維持が困難だったと明かす。

 詳細 毎日新聞の富山県内での発行取りやめについて 朝日新聞DEGITAL 2024年7月17日付 https://www.asahi.com/articles/ASS7K354TS7KOXIE04BM.html

 全国3大紙で、特定の県での配送中止は、初の事例だった。産経新聞に限ると、2002年3月末の時点で 25万部発行していた夕刊を全国規模で廃止していた。

 少なくとも新聞発行の危機は、インフレに重なっている。もっとも1956年から1973年まで続いた高度経済成長期は、平均一年間で4,3%も物価が上がっていた。当時は、物価を越える賃上げが実現していた。サービス価格が上がっても、人々は懐を痛めず、受け入れていたのである。郵便局の定額貯金の金利は、1974年(昭和49年)9月・10月、1980年(昭和55年)4月14日から11月30日まで過去最高の年8.0%を記録している。物価の上昇率よりも、定期預金の金利が上回っていた。

 現在は、コストプッシュ型のインフレである。全てのサービスが、嵩んだ費用をそのまま販売価格に上乗せできるわけではない。新聞のように年々購読者が減り続けている産業は、打撃が大きくなる。地方都市は、一戸建て住宅が多く、配送網の維持にも効率が悪い。郵便と同じく、町から離れた数件、または数十件の集落へ、届ける必要性も生じる。今後課題となる「コンパクトシティー化」が求められている。

 �� 新聞販売店の実情

新聞の発行には、記事を作成する「新聞社」と共に、各家庭へと届ける「販売店」の2つの業種で成り立つ。新聞社はいわゆるメーカー、一方販売店は、小売店に相当する。販売店は、「正社員」、「アルバイト」の雇用形態がある。他には、学費を肩代わりしてもらうことを条件に正社員の補佐役として業務に従事する「新聞奨学生」が存在する。

 業種によっては、正社員もアルバイトも、勤務時間以外に、大きな差はない。スーパーへ買い物に行くと、外から見ただけでは、どの従業員が、正社員かアルバイトか、見分けがつかない。新聞販売店は、正社員とアルバイトでは、業務形態が異なる場合が多いという。アルバイトは、基本配達のみを担当する。出勤時間も正社員より遅くて短い。朝刊の休刊日が、月に1度のみの特性から、正社員もアルバイトも勤務はシフト制である。休みのアルバイト配達員の担当区域を、正社員が引き受ける場合も考えられる。正社員は、昼間に行う営業の一環として、広告を取得するための企業や団体との「交渉力」、集金作業の際、顧客を引き止めておくための「話術」がなければ、評価は下がってしまう。購読料の支払いは「自動引き落とし」を選択できるとはいえ、抵抗がある世帯向けに、集金も用意している。勤め先の販売店の店主や社長との付き合いもあり、営業にはノルマがある。社長に関しては、近隣の複数の店舗を持っている場合が多いという。

 一方でアルバイトは、配達の担当区域が変わることはなく、慣れてしまえば、比較的楽である。正社員に必要な「交渉力」や「話術」も不要で、人間関係も厳しくない。求められるスキルが違うゆえに、アルバイトから正社員へ昇格しても、長く勤まるとは限らないという。

写真=新聞社から販売店を経て、各過程へ届けられるまでの流れ 掲載元 NTT data
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/shinbun_hanbai/
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 近年販売店は、新聞の配達や集金、広告取りを含めて、従来の業務だけでは、利益を得られなくなった。新聞購読者数の減少は、広告収入に直結する。新聞は、駅の売店やコンビニ、また販売店へ出向いて直接買うこともできる。もちろん、定期購読を申し込めば、わざわざ所定の場所へ出向かなくても、自宅のポストに入れてもらえる。一部辺りに換算すると、どの形態で購入しても販売額に差はない。購読者の自宅へ配達するために、販売店は新たに人件費がかかるはずである。実のところ、配達網の維持には、広告料によって支えられているのである。


 販売店はほとんどが中小・零細企業、配達員を確保するべく、他業種よりも高い給料を払う必要性から、人件費が嵩む。朝刊業務においては、集合住宅内にて、わざわざ階段を昇り降りしながら、購読者宅一軒、一軒に新聞を入れる必要性から、配達員が受け持つ区域も限られる。正社員だけでは賄えず、アルバイトを採用する。夕刊の場合は、集合住宅内にて、入り口のポスト投函で済む。したがって、一人一人の配達区域が必然的に広がるのである。業務の特性上、決められた部数を購読者に届ける必然性から、アルバイトの給料体系は「歩合制」である。つまり、届ける部数に応じて、給料が支払われる仕組みだ。決められたルートどおり配達をすれば、アクシデントが無い限り、時給換算すると他業種よりも軒並み高い。リーマン・ショックが起こった2008年を例にとると、最低賃金は時給換算で東京都と神奈川県で、最高額766円、一方時給が最も低い宮崎県、鹿児島県、沖縄県は627円だった。2024年は、物価高を踏まえて、政府の要請に応えて、最低賃金は大幅に上昇した。2024年6月の情報によると、最低賃金は最も高い東京都で1113円、続いて神奈川県が1112円、最も低い岩手県は893円、全国平均1004円だった。労働者からすると、最低賃金では、生活がなりたたないと訴える。政府は、近いうちに大都市の最低賃金時給1500円を実現できるように、支援を表明した。

 写真 掲載元 SDGs ACTION! 2023年8月21日付 https://www.asahi.com/sdgs/article/14985229
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2008年に都市部の最低賃金が766円の時代、新聞販売店は、朝刊配達において、2時間以内で配り終えることを前提に、時給換算で1500円以上支払うことを想定していた。高い報酬との引き換えに、配達網の維持に努めていたのである。朝方悪天候の配達には、少々危険は伴う。慣れてくれば、誰とも会うことなく、一人黙々と作業をこなせる。

 現在では、人付き合いが苦手で、対人恐怖症に陥った方でも、社会参加が可能になりつつある。後押ししたのは、スマホのアプリ機能だった。隙間時間に、面接や履歴書提出を不要とするアプリを活用した「タイミー」や「メルカリ・ハロ」など、長期的な人間関係を築くことなく働ける職種も用意されている。2024年現在個人事業主扱いだが、Uber Eatsや出前館などの配達員も、一人で働ける。一日のうち数時間のみ業務に就くことができる新聞配達の代わりとなる業種も多くなった。

詳細 日記 2024年7月13日付 経済関連 苦境の焼肉店 人手不足の救世主メルカリハロで単発バイト https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987986302&owner_id=32437106

過去に販売店は、大学の入学費用や授業料を肩代わりする「新聞奨学生」を活用していた。住み込みの寮を与えることにより、学生は家賃の負担もない。国や自治体、大学が設けた奨学金制度の拡充により、新聞奨学生は、減少している。朝夕の配達、月末の集金業務にくわえ、学業との両立、いわゆる二束の草鞋を履くには、体力的な犠牲が大きかった。

 2024年現在、各業種が人手不足を解消するべく、軒並みアルバイトの給料を上げる中、新聞販売店はさらに待遇を良くすることは難しい。夕刊を中心に相次いで発行が休止される背景には、販売店側の苦しい経営事情にあった。


  写真=北海道新聞の一日仕事体験募集広告 同社の新聞を扱うまきぐち販売書より 掲載元 https://www.d-maki.com/pick_up/6048/
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           �ぁヽ禿垰圓罵軸�が消えていく

全国3大紙の一つ朝日新聞社は、販売店の事情を察し、首都圏や関西圏を除き、相次いで夕刊の配達を取りやめている。2015年時点で人口229万の名古屋市を抱える愛知県を含め、東海地方は、中日新聞が、全国3大紙を凌ぐ購読者数を誇る。愛知・岐阜・三重の東海3県を中心に7県で販売する。発行部数180万、東海3県での購読者率38%を保つ。

 詳細 中日新聞より https://adv.chunichi.co.jp/media/chunichi-shimbun/ デターは2023年7月から12月より

 朝日新聞社は、東海地方に根ざした中日新聞に太刀打ちできず、2023年5月1日から、競合区域の愛知、岐阜、三重の3県で夕刊の発行をとりやめた。既に休止している他の4県を含め、東海地方のシェアは明らかに縮小している。

 2024年4月1日から北海道でも休止した。道内での夕刊の販売部数は2024年2月時点で約1万3千部だった。朝刊のみとなる4月1日からの月額購読料は4千円。夕刊休止を機に朝刊をリニューアルし、道内のニュースを掘り下げる企画を拡充する。8月2日付けで、静岡県、山口県、福岡県で、9月末日で夕刊の配送を取りやめると発表した。

 集合住宅が中心の都市部に限ると、配達の効率が良いうえに、広告もとりやすく、商売として成立しやすい。当面は配達網を維持できるとみられていた。物価高の波は大都市でも影響を及ぼした。新聞業界衰退の危機を悟るニュースがもう一つあった。

 7月18日付、中日新聞の東京本社が発行する「東京新聞」が、8月末日で、東京23区を除き、夕刊配達を終了すると発表した。合わせて、朝刊と夕刊の統合版の月決め購読料を9月1日から280円引き上げて3980円(税込み)とする。

 写真=2023年の東京の暑さを伝えた記事 掲載元 東京新聞 2024年2月3日のWebサイト https://www.tokyo-np.co.jp/article/307188
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 東京新聞は、1967年10月1日に、東海地方のブロック紙を発行する「中日新聞社」の傘下に入った。首都東京を中心に関東地方をカバーし、地域の魅力を発信してきた。関東地方は、全国3大紙が優勢であり、購読者数は伸び悩んでいたのである。

 円安物価高により、原料の紙やインクを輸入に頼る新聞の作成には、コストがかかる。購読者数の減少に歯止めがかからず、値上げをしても、その場凌ぎにとどまっていた。

 過去のデーターを遡ると、全国紙・地方紙すべてをあわせた新聞発行部数は1997年の5376万部を頂点に減り続けていた。当時はWindows95が普及したばかりで、ネット利用も一般化していない。

  2017年までの購読者の減少率は最大年間3%台、X(旧ツィッター)やTiktokが出始め、情報の共有が楽になると、新聞自体に人々が目を向けなくなった。2018年の発行部数は、前年比マイナス5,3パーセントまで落ち込んだ。2020年のコロナ禍で在宅時間が長くなっても、新たに購読を始める人は少なかった。減少幅は加速し、2019年以降も5〜7%ずつマイナスに転じた。2022年10月時点の部数は3084万部、物価高の影響により、購読者離れが進み、2024年はさらに少なくなったことが予想される。

 参考記事: 週刊現代 2023年12月27日付
https://gendai.media/articles/-/120913?page=2

 新聞を各家庭へ届ける役割を担う新聞販売店は、大きな打撃を受けた。東京商工リサーチの調査によると、2023年度新聞販売店の倒産は39件(前年度比56%増)、うち2024年2月で10件が廃業した。1994年以降、過去30年での年間倒産件数は最多である。2023年の新聞発行部数は約2,859万部(前年比7.3%減)、1年前に比べ約225万部減少した。2020年コロナ禍で窮状に陥った中小・零細企業を支援する政府のゼロゼロ融資の効力が切れた結果、倒産ドミノが起こった可能性がある。

 詳細記事 東京商工リサーチ https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1198478_1527.html

 新聞販売店は、基本的に受け持ち区域が決まっている。首都圏では、同じ区域内で、朝日新聞と読売新聞の専売店同士が、顧客を奪い合う。それぞれの販売店の配達員が、同じ区域を回ることにより、それぞれ人件費が嵩む。市場規模が縮小するにつれて、専売店の経営自体も成り立たなくなりつつある。統廃合が進み、専売店から「合売店」となり、建て直しを図る。地方都市では、昔から、販売店の競争がなく、合売店が一般的だった。

 合売店のメリットは、同じ配達区域内で沢山の部数を扱うことにより、収入増に繋がることにある。専売店のように顧客の奪い合いからも解放され、少ない人数で配達網を維持し、空いた時間を他の業務に割くことができる。

 大手新聞社も販売店も、共通して、年々従業員を減らし、コストカットで凌ぐ。全国3大紙を例にとると、夕刊はずいぶんと薄っぺらくなった。読者側に立つと、購読料が上昇したうえに、サービス品質は悪くなったと感じられる。食料品にたとえると、一つの商品のパッケージの価格が引き上げられた上に、中身が減らされる。経済学では、価格帯が同じでも、サービスの質が低下した場合、「ステルス値上げ(シュリンクフレーション)」という。新聞に限ると、コロナ禍の2020年まで、軽減税率の対象に加わり、購読料は据えおかれたままだったものの、夕刊を中心に、ページ数が削減されていた。いわゆる「ステルス値上げ」が起こっていたのである。2021年から次第に原油価格が上昇すると、2022年2月24日に、ロシア軍によるウクライナ侵攻が重なり、インフレに拍車がかかった。新聞社は、取材費用から、原料となる紙代、インク代を賄うべく、商品の価格引き上げに踏み切ったのである。大都市圏では、2024年現在でも夕刊は配達されている。今後、購読者数の減少に伴い、販売店側も専売店から合売店になり、配達網の維持に努めていく。広告のない夕刊の業務が難しくなれば、将来的に全ての新聞において、朝刊へ一本化していくことが予想される。

       �ァ/景校罎閥Δ貌�本経済の行方

 ネットニュースでは、紙の新聞の代替手段になりえるのか、議論が巻き起こる。画面越しと、印刷物を比較すると、文字の認識に差があった。書籍と同じく、印刷物を読む方が、目にも優しく、疲れにくい。パソコンやスマホの画面だと、目に負担がかかり、無意識の疲れから、より内容が頭に入りにくい傾向があるという。また正しく後世に情報を伝える意味でも、紙の新聞は重要な役割を果たす。全てデジタル化された場合、時の政権の都合により、過去に報道された内容を削除することが可能である。対して、紙の新聞は、一度発行されると、全てを回収して、記事を修正することは不可能である。一般の人々は、紙の新聞が持つ意味合いを理解していない。

新聞は、古くから文化の一つだった。既に政府も手を打っていた。販売部数減に伴い、2019年10月から導入された消費税10パーセントへ引き上げられた際、食料品と共に軽減税率8%の対象に、新聞購読料も追加したのである。政府の支援策も力にはならず、各紙で夕刊の休刊が相次いだ。
 
写真 掲載元 サイト名 弥生 消費税改正あんしんガイド 軽減税率への対応
https://www.yayoi-kk.co.jp/kaiketsu/shouhizei/keigenzeiritsu/
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 新聞社は、販売店の立場を踏まえて、足並みをそろえて、月1回の朝刊の休刊日を設けている。1月2日は、1年に一度だけ、販売店に休みを与えるように、調整した。

 夕刊がなくなれば、販売店側は、朝刊の組み込みから配達作業を終えると、慢性的に人手が足り無い荷物の宅配サービスを始められる。

 昭和時代や平成の中ごろまで、新聞はテレビと共に、我々一般人が、情報を入手する手段の一つだった。気軽にネットでアクセスできるようになった時代、新聞業界は、役目を終えたかのように衰退していく一方である。

 若者の活字離れも拍車をかけた。購読者が、在宅時間の長い高齢者が中心となると、やがては、産業の寿命も迎えることになる。

 過去を振り返ると、我々の生活は、先代の科学者によって、便利になってきた。暗闇の中一筋の明かりを灯すランプで生活していた時代に、トーマス・エジソンによって、発電機が考案された。白熱電球が登場したのは1879年10月21日、発明者のエジソンが32歳の時だった。

 人々の移動手段も、1900年までは馬車が中心だったものの、より早く、安定的に遠くへいけるように工夫を凝らした結果、ガソリンで走る車が発明された。1908年にフォード社が開発した車が、アメリカのニューヨーク・シティで普及した。同じ町の1900年と1913年の写真を比べると、道路を走るのは、馬車から車へと様変わりしていることがわかる。

 写真=1900年と1913年のニューヨーク・シティ 5番街の光景
https://blogs.itmedia.co.jp/itsolutionjuku/2021/06/323_1.html
フォト

 乗り物が進化するように、我々の情報を得る手段も、原則朝夕発行される新聞から、速報性に優れたネットへ移行したといえるのである。

 日本はIT後進国と呼ばれるように、労働移行も進んでいない。なぜなら、第二次世界大戦後から始まった終身雇用制度が根付いているからである。街中からCD屋さんに始まり、本屋さんが消え、家電量販店の数も縮小傾向に陥った。セルフレジの普及により、販売員の数も削減できる。反対にAIでの登用が難しい介護従事者や荷物の配達員、建築現場の労働者は、今後ますます人手が足りなくなる。バス路線の廃止や減便を含め、すでにインフラには影響を及ぼしていた。道路工事においても、人員不足により、将来的には作業に時間を要する分、車やバスの運行に支障を及ぼす。

 余った業界の人員を、足り無い業種に回すことにより、人手不足解消に繋がる。人口減少により、経済規模が縮小していく中でも、インフラの担い手は必要である。将来的に労働供給制約がかかる日本経済は、今岐路に達している。

 
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