撤退は困難で事業継続に妙味も、ロシアに残る西側企業の危うい立場
Dasha Afanasieva、Daniela Sirtori-Cortina
2023年2月15日 1:03 JST
P&Gやユニリーバ、コルゲートは侵攻後もロシア事業継続
ロシア政府が「戦時経済」に移行すれば企業のリスク高まる
ロシアがウクライナに侵攻してからもうすぐ1年になるが、モスクワでフランス企業ダノンのヨーグルト「アクティビア(ビオ)」やドイツ企業ブラウンの電動歯ブラシ「オーラルB」、仏ロレアルの化粧水を買い求めることは可能だ。侵攻が始まる前から残っていた商品も一部あるが、多くの製品は欧米企業のロシア部門によって供給し続けられている。
こうした企業が法的および評判上のリスクの高まりから事業継続の方針を変更しようとする場合、ロシア当局は撤退をより費用のかかるものとしつつあり、現時点では新たなハードルが生じている。
日用品セクターには西側諸国から制裁が科されていないものの、ロシアの銀行や個人に対する制限措置で同国内での事業継続は一段と困難になっている。残留の方針を公にしている米消費財メーカー、コルゲート・パルモリーブや同業の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、化粧品メーカーのロレアルなどの企業は微妙なかじ取りが求められている。最終損益と現地スタッフを守り、主要市場の一つでの足場を維持し、ロシア政府に納税はしても道義的に妥協していると受け止められないようにしなければならない。
英食品・日用品メーカー、ユニリーバのアラン・ジョープ最高経営責任者(CEO)は、ロシアの従業員3000人に対し責任があり、国内4カ所の生産施設がロシア政府に近い実業界大物や同国政府そのものに渡るのは避けたいと語った。同氏は退任が決まっている。
デンマークのビールメーカー、カールスバーグは9日、意図的に価値を下げていると疑われる場合には、侵攻前の水準に雇用を維持するためにロシア当局は事業を国有化する恐れがあると警告した。こうした主張に答え、ロシア大統領府のペスコフ報道官はロシアでは労働者を守るための労働法が整っていると指摘し、「長ったらしいプロセスだ」と付け加えた。
こうした点は、多くの有名企業のロシア撤退が単純には実現しない理由を説明する。家庭用品メーカーの英レキットベンキーザー・グループは昨年4月にロシア事業の所有権を第三者か現地従業員に移す方針を示したが、これまでのところ実現していない。ダノンも10月に撤退の意向を明らかにしたが、まだ買い手が見つからない。米たばこメーカーのフィリップ・モリス・インターナショナルは昨年末までの撤退を計画していたが、ロシア当局からの承認を得るために依然として努力を続けていると説明した。
ウクライナ侵攻から3カ月となる昨年5月にロシア店舗を売却した米マクドナルドのような断固たる動きを見せた企業は少ない。そうした行動はもはやさほど容易ではない。制裁の影響を受けていない買い手候補が減っていることに加え、西側諸国による事業売却への承認にロシア政府当局がますます消極的な姿勢を強めているためだ。
もう一つ別の要素もある。ロシア経済が昨年マイナス2.5%成長と、予想されたほど大幅には落ち込まなかった。少なくとも長期的には、依然としてもうかるということだ。ユニリーバは9日、投資家に対しロシア市場を去ることに付随する金融リスクを警告。一方、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は撤退した場合に発生する損失が従来予想より大きくなる見込みだと明らかにした。
企業の主張
ユニリーバとコルゲート、P&Gはロシア市場に「基本的」「必要不可欠な」製品に絞って供給すると自らの判断を擁護するが、そのレンジをどのように狭めたかについてまだ説明はない。
また、企業幹部は将来のことも訴える。「ある日、ロシアにおける状況が劇的に変化して安定した際、自分の後任の後任、そのまた後任にその選択肢を与えたいだけだ」とカールスバーグのセースト・ハートCEOは電子メールで指摘した。
ただ一部では規模縮小の動きも見られ始めている。ロシア国内に2工場を構えるP&Gは意思決定権限を現地従業員に移すとともに、国内の売り上げ鈍化を背景に3月31日から年末までに従業員数を2500人から1800人に削減。ロレアルはなお2500人の従業員を維持するが、店舗閉鎖などを行っている。一方で、飲食品メーカーの米モンデリーズ・インターナショナルは、現地生産の「ミルカ」チョコレートなどはロシア人の生活に不可欠だとして、生産継続の正当性を主張する。
難しい撤退
撤退がいかに複雑であっても、残って事業を継続することにはリスクが伴う。フランスの食品メーカー、ボンデュエルは昨年12月、ロシア兵士が同社製品を手にする写真がソーシャルメディアに投稿されたことで、軍に缶詰食品を供給していたとの指摘を受け、否定する事態に至った。これはロシアで事業を継続する他の西側企業への警告となった。
食料品や日用品を販売する企業は気づかないうちに戦争の取り組みに巻き込まれる高いリスクを抱えており、ロシアが「戦時経済」に移行すればなおさらだ。ペスコフ氏は企業が強制的に巻き込まれる可能性を否定するが、今春の戦闘激化見通しによって企業が懸念を強める公算は大きい。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-14/RPZUS0DWX2PS01
ロシア市場で収益が上がらず、事業を続ける判断に迷っている企業は、ウクライナ戦争を機に撤退していますが、成功している企業は、簡単に撤退できません。
撤退や規模縮小した日本企業は、従業員の多い企業で、招集されて人手不足になることが予想される企業です。
海外市場からの撤退は簡単じゃない^^;
ロシアから事業撤退の西側企業、わずか8.5%
2023年1月20日 18:36
https://www.afpbb.com/articles/-/3447885
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