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2022年09月09日21:23

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エリザベス女王と東海道新幹線

前の日記でちょっと書いた、1975年のエリザベス女王の日本訪問においての、東海道新幹線に関する歴史秘話をば。

女王陛下と夫のフィリップ殿下は、京都・伊勢志摩をご訪問されることになり、往復には東海道新幹線にご乗車されることになっていた。
ところが、当時の国鉄の全国統一ストに日程が重なってしまわれたのである。(余談ながら、当時国鉄がストライキ行為を行うのは違法行為であった。)
国鉄当局は、女王列車だけは運転する事を最後まで検討したが、他の列車が運転されない中女王列車だけが走る「異常な状況」は国鉄組合員や世論の賛同を得られなかった。
状況を理解された女王陛下は飛行機で京都に向かわれ、ご乗用列車として整備された新幹線の編成は動くことはなかった。

京都に続き、伊勢神宮やミキモト真珠島を訪問された女王陛下、帰路は新幹線にご乗車するご希望がかなえられた。指定された列車は一般の営業列車、但し11号車から16号車までは女王陛下一行の専用車とされ、博多から名古屋まで締め切り扱いで運転されてきた。なぜ6両分の車両が必要かと言えば、供奉者や日本政府関係者、各県警本部長が同乗することと、一行のお荷物の量が膨大だったからである。無論、女王陛下とフィリップ殿下は11号車のグリーン車にご乗車になった。

実はこの列車、名古屋到着時点で2分の遅れを擁していた。名古屋駅の停車時間を所定の2分から1分に切り詰める予定も、一行のお荷物の量が膨大だったため、停車時間は3分を擁し、名古屋駅は3分遅れての発車になった。
さらに途中、大雨の影響で遅れは4分に拡大。日本国と日本国有鉄道の威信をかけて何が何でも東京駅に定時到着させねばならない。運行指令と運転士との緊迫したやり取りが続けられ、神業的な遅延回復運転が展開された。
そんな中、列車が富士川にさしかかると雲間に富士山が。女王陛下に富士山を観て頂くため、列車の速度を落とす一幕もあったのである。

時速209キロを維持するための神業的なノッチ裁きのおかげで、女王列車は東京駅に無事定刻に到着されたのである。当時の国鉄は労使関係が荒廃していたが、鉄道屋のスピリッツは失われてはいなかったのである。
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