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2019年03月19日03:05

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今から40年も昔の「古き良き…」に感動する

それはもう、お題のとおりだった。
とにかく驚き、喜び、感動してしまったのだ。
しかも「古き良き…」という良い意味での Nostalgic な「それっ!」だったりする。
何故に何をに私は感動したのか…? 
その前置きからの詳細をも記して、自分の記憶に残しておきたい。
 
その昔、TRIO(現在の JVC KENWOOD)という Audio 関連の会社が発売した AD Player の Turn Table が凄かった。
それはまだ「Quartz PLL が当たり前!」になる前の話である。
Turn Table の回転を制御する Servo 回路だけでは正確無比に Control しきれない…。
そんな「過渡的な負荷変動」に着目した TRIO の開発陣がとった、その秘策とは…? 
なんと Heavy 級の Turn Table による「大慣性質量!」という発想だった。
 

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それは ’76年に発売された TRIO “KP-7300” がその「走り」とされている。
写真は「オーディオの足跡」さんから拝借したもの。
当時の価格は ¥46,000 の普及価格帯 AD Player だ。
普及価格帯とは言え、’76年当時の ¥46,000 は現在の価値に換算すれば「倍以上」だったのかも…? 
この私がまだ「小学生」だった頃の製品である。
直径 330mm で重量は 2.6kg という、当時としては猛烈に重かった Turn Table が齎したその慣性質量は…
 単体で 400kg・cm2
 Rubber Sheet も含めると 440kg・cm2 
…にも達したのだ。
Motor の起動 Torque はまだ最大で 1.1kg・cm の頃である。
 

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翌年の ’77年に発売された TRIO “KP-7700” からが、更に凄い。
写真は「オーディオ懐古録」さんから拝借したもの。
当時の価格は ¥80,000 という、普及価格帯でも上位の高級機種に相当する。
直径 330mm で重量 2.6kg は “KP-7300” と同数値なのだが、遂に Quartz Lock 制御が採用された “KP-7700” では、Rubber Sheet も含めた慣性質量がなんと 550kg・cm2 にも達した。
これを当時の TRIO は「慣性 Lock」と称したらしい。
低い周波数成分による乱れや Thermo Drift は Quartz Lock で抑制。
一方、Random に回転し続ける際の一時的な負荷には、その 550kg・cm2 という大慣性質量で抑制。
なので「慣性 Lock」なんだそうな。
ん〜、なるほどねぇ〜。
21世紀の今となっても説得力のある Naming の「慣性 Lock」である。
そんな Heavy 級の Turn Table を Direct Drive する Motor も当然に Ver. Up されたのは言うまでもない。
20極30 Slot DC Motor の起動 Torque は 1.5kg・cm 以上と、これもまた立派な数値性能だった。
 

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’79年に発売された TRIO “KP-7070” も、その凄さを継承する。
写真は「オーディオの足跡」さんから拝借したもの。
当時の価格は ¥70,000 とあって “KP-7700” の廉価版のような製品。
でも基本性能は “KP-7700” と同じ。
Quartz Lock と 550kg・cm2 という大慣性質量による「慣性 Lock」のそれもしっかりと継承。
20極30 Slot DC Motor の起動 Torque は 1.5kg・cm 以上も変わり無し。
 

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一方、私が未だに愛用している TRIO “KP-700” が発売されたのは ’81年のこと。
写真は「オーディオの足跡」さんから拝借したもの。
事実上 “KP-7070” の後継機種に相当する。
当時の価格は ¥64,000 だった。
この “KP-700” では Motor が大きく変わった。
それまでの 20極30 Slot DC Motor を捨て、新開発された8極6 Coil 構造の3相 Switching Plane Drive Motor を採用した。
起動 Torque は 1.5kg・cm 以上に変わり無し。
なんだけれども、諸事情により Turn Table は軽くなってしまったのだ。
直径は 330mm と変わらぬものの、重量は 2.6kg から1.9kg にまで減少。
そのため慣性質量も 450kg・cm2 に減少してしまう。
これ以降の TRIO または KENWOOD 製の普及価格帯の AD Player はこの Turn Table が標準化する。
 
550kg・cm2 から 450kg・cm2 に減ってしまったと言っても、この慣性質量は大変に立派な数値であり、普及価格帯の ¥64,000 というお値段も考慮すれば「凄いぞ! これっ!」だった。
因みに、当時の私が憧れた高級機種と比較してみると…
 Technics “SL-1015”(’79年発売 ¥220,000)が 380kg・cm2
 現在も愛用の TRIO “KP-700”(’81年発売 ¥64,000)が 450kg・cm2
 Pioneer “PL-50L�供鼻福�81年発売 ¥95,000)が 330kg・cm2
 Pioneer “PL-70L�供鼻福�81年発売 ¥170,000)が 480kg・cm2
 VICTOR “QL-A95”(’82年発売 ¥170,000)が 470kg・cm2 
…なのだから、TRIO “KP-700” は「倍以上の価格帯の製品」と肩を並べてしまうのである。
¥64,000 で 450kg・cm2 という大慣性質量は、同価格帯の他社製 AD Player を圧倒! 
TRIO の Big Hit 商品になったのは言うまでもない。
 

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左が TRIO “KP-700” で、右が DENON “DP-900M�供� という我が家の2台構成。
私の “KP-700” は友人から譲り受けたものなのだが、21世紀という今も大事に愛用している。
Rubber Sheet は純正品ではなくて、Pioneer 製の “JP-501” に交換した状態で譲り受けた。
そう、我が教祖様(Audio 評論家の故・長岡鉄男氏)も好んで使っていた Pioneer 製の Butyl Rubber(日本ではブチルゴムという)の Sheet だ。
Butyl Rubber ならではの「ねっちょり柔らか」なそれによる振動抑制力は教祖様の好評もあって、この Turn Table Sheet も売れに売れたよなぁ〜。
で、この “KP-700” と “DP-900m�供� は互いに全く異なる Character の持ち主。
“KP-700” も結構に古い AD Player なのだが、その Sharp で Straight な音は私も気に入っている。

でも、不満が無い訳でも無い。
言い方を変えると、弄れば弄る程に「また良くなっちゃったじゃん !?」な弄りしろが満載の AD Player だったりする。
Maker 側にしてみれば「この価格帯だったら、ここはこんな程度で…」な Cost Down(安い材質や製法)は当然のことであろう。
そこを「上位機種のように…?」で弄ると「また良くなっちゃったじゃん !?」に至る。
まぁ〜当然と言えば当然のこと。
だから Audio 弄り、AD Player 弄りは楽しい。
 
で、今回は「慣性 Lock」を更に強固なものにする事を目指す。
なんだけれども、Quartz Lock(回路)は弄らない。
弄ってもイイのだけれど、それには大きな Risc も伴う。
だから、危ない橋は渡らないのだよ。
そうとなれば慣性質量を増やすしかない。
つまりはおよそ40年も前の “KP-7700” や “KP-7070” の重たい Turn Table に「交換しちまえっ!」なのである。
 
早速に某 Auction Site を Check したらば…? 
素晴らしい Timing で驚いた。
入札開始価格は ¥3,000 で、”KP-7070” の Turn Table と純正 Rubber Sheet の組み合わせが出品されていたのだ。
それを ¥7,000 ちょいで無事に落札する。
イイね、イイねぇ〜。
実は “KP-7700” や ”KP-7070” といった、当時の重量 2.6kg Turn Table の AD Player 本体を買って「部品取り」にしようと思っていたところだったので、もう「願ったり叶ったり」だったわさ。
 

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落札したブツが届いたのは 03/15(金)のこと。
では早速に確認がてら、”KP-700” のと比べてみよう。
 

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右が “KP-700” の Turn Table と、Pioneer 製の Rubber Sheet “JP-501” との組み合わせ。
左が今回入手した “KP-7070” の Turn Table と、純正の Rubber Sheet との組み合わせ。
 

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“KP-700” の Turn Table は経年劣化で表面の錆も多く、見た目はこんな感じ。
Pioneer 製の Rubber Sheet は、それが Butyl Rubber とあって細かいほこりもしっかり吸着? 
不思議と、この面に付いているほこりは AD には付かないのだ。
 

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一方、“KP-7070” の Turn Table は思いの外に綺麗! 
純正の Rubber Sheet も「経年劣化でカチカチに硬いかも…?」と思っていたそれを覆す、上々の Condition だったぞ。
イイね、イイねぇ〜。
 

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Rubber Sheet を剥がすと、こんな感じ。
やっぱり “KP-700” のは汚い…。
 

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裏返してみよう。
おぉ !? 
お〜、お〜、おぉ〜〜〜っ! 
そうか、そうか、こんなにも違ったのか !? 
ん〜。
イイね、イイねぇ〜。
 

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直径はどちらも 330mm なのだが、外周内部の厚みはこんなにも違う! 
右は重量 1.9kg で左は 2.6kg という違いは、この厚みの違いからなのだ。
 

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Rubber Sheet も比べてみよう。
 

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なんとも「ねっちょり柔らか」系の Pioneer “JP-501” は、穴も溝も無い「のっぺら坊」なそれ。
 

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一方、TRIO 純正の Rubber Sheet は上面に小さな穴がある。
実はこの穴には大きな意味があるのだ。
これを裏返してみると…? 
 

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小さな穴の下には大きな穴が…? 
これぞ、Helmholtz's Principle(ヘルムホルツの原理)を応用した「防振設計」の Turn Table Sheet なのだ。
Turn Table Sheet の表面に小さな孔、その裏面には大きな孔というこの構造。
Turn Table に密着することで裏面側の大きな孔は「内部空間」を形成し、表面側の小さな孔はその内部空間の「気抜き」となる。
この内部空間に Helmholtz's 共鳴させることで、Analog Disk の盤面に発生した分割振動を吸収する! 
…という理屈の Turn Table Sheet がこれなのだ。
更には材質面でも検討を加え AD の Hold 効果を高めているという。
 
で、そもそも “KP-700” の純正 Sheet はどうやらコレだったらしい…? 
’81年に発売された “KP-700” の純正 Sheet を、21世紀の ’19年になって漸く入手という本末転倒な話である。
 

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翌日の 06/16(土)のこと。
では、早速に試してみようぞ! 
 

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“KP-7070” の Turn Table を “KP-700” に移植する。
Center Shaft 径も外径も同じだから、何の問題もなく Install は完了する。
 

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先ずは今までどおりで Pioneer 製の Rubber Sheet で試す。
では、電源を入れ、回転させてみよう。
 

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おぉ〜! 
イイね、イイねぇ〜。
ちゃんと Quartz Lock も掛かる。
Turn Table が物理的に重くなった分、やや、起動に時間が掛かるけれども問題なし。
では、いよいよ音出ししてみようぞ。
 

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Mal Waldron の “Left Alone”(Stereo 盤)で試聴開始。
 
おっ… !? 
おぉ! 
うぉ〜〜〜っ !! 
 
す…、凄いっ!
凄いぞ、おいっ! 
低域の Energy 感が全く違うじゃん? 
その伸びと量感が更に Up しちゃったのは「もちろん!」と言わんばかりに加え、キレと分解能がまるで違うのだよ。
High Speed な低音は更に「磨きが掛かった!」感じで、低音に宿命的な曖昧さが「無い!」と言い切ってしまいたいくらいの素晴らしい変わりように私は驚いた。
何と言っても Contrabass がイイ! 
とにかく、猛烈にイイ! 
それはもう…
 弦を指で弾いている瞬間の音
 に遅れること数千分の一秒で続く Contrabass の胴体が奏でる Real な響き 
…をだよ、今、この私の目の前で「真実を再現させてくれた」と「勘違い」させてくれたのだ。
そう私が錯覚してしまう程に、この低音が凄くイイ! 
猛烈にイイ! 
この Contrabass の生々しさに、私は感動…。
ん〜。
正直、こんなに「違っちゃうの…?」が「半信半疑」状態である。
興奮は冷め止まらいのだが、せっかくなので次も試してみようぞ! 
 

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次は Rubber Sheet を TRIO 純正の「ヘルムホルツの原理…」なそれに替えてみる。
 

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今から40年以上も前に考案された、その「理屈」による音はいかに…? 
 

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勿論、同じ AD で聴き比べる。
Mal Waldron の “Left Alone”(Stereo 盤)で試聴してみたらば…? 
 
えっ…? 
えぇ〜〜〜 !? 
来たっ…。
うん、来たぞ! 
遂に来ちゃったぞ、おいっ !? 
うぉ〜〜〜っ !! 
 
…で、またも私は歓喜してしまった。
低域の音の改善具合が同じなのは当然なのだが、そこへ適度な締りも加わったのだ。
良い意味での Solid 感というそれ、そのもの! 
ぼよんぼよん…のだらしない低音とは無縁、なのに硬過ぎずという絶妙な引き締まり加減が素晴らしい。
前述のとおりで、Pioneer 製の Butyl Rubber Sheet は「ねっちょり柔らか」系のそれ…。
一方、この TRIO 純正の Rubber Sheet は結構に硬め…。
その「Sheet の硬さ」がそのまま音に反映された感じ。
…に加え、AD 盤面の微細な振動をも抑制されたかのような感じだ。
その効果は低域のみならず、中高域の音も激変させた。
特に中域の音が激的に「綺麗になった」のだ。
透明感、響き、伸び、Speed 感は Pioneer 製の Sheet の音を圧倒するかの勢い。
Piano がイイ! 
Sax がイイ! 
もう、いつまでも聴いていたい素晴らしさだ。
ただし、高域は線が少し細くなってしまった。
綺麗な響きは美点なのだが、全体の Energy Balance からすると「やや弱まっちゃったのかな?」な印象を受ける。
ん〜。
透明感が一気に向上してしまったので、そのように聴こえるのかも知れない。
それにしても、Turn Table の Sheet だけでこうも変わってしまうとは…? 
Analog Audio 、恐るべし! 
 

フォト

あぁ〜。
弄ってしまったらば、またまた良くなってしまったではないか…。
TRIO “KP-700” と純正 Rubber Sheet との「相性の良さ」には脱帽である。
そして何よりも、慣性質量が 550kg・cm2 という Turn Table の威力、破壊力、その音に感動。
’79年に発売された TRIO “KP-7070” の Turn Table は凄かったぞ! 
ん〜。
1979年と言えば、今から40年も昔だぞ… !? 
そんな40年も前の製品が、21世紀の今を生きる私に感動を与えてくれるだぁ〜なんて…。
あぁ〜、やっぱり…
 イイものはイイ!
 ダメなものはダメ! 
…を再認識させられた思いである。
 
我が家の Listening Room は安価な Audio 機器の集合体である。
安価に加え、御老体の数々…。
でも、未だに弄れば弄るほどに変わってしまう。
これだから、Audio 弄り、Audio 遊びを止められないのだよ。
大好きな音楽は自分好みの音で聴く。
知恵と創意工夫、そして最小限の支出で自分好みの音を追求する。
言い換えれば「永遠の未完成」なそれ…。
その「完成」という領域を追い求め、これからも嘆き、苦しみ、歓喜し続けるであろう。
安価で御老体の数々だけれど、まだまだ「これから…」なのである。
 
よしっ! 
これからも大いに働き、大いに遊ぼうぞ!
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