以前から書きたかった内容だが、構成的にヘビーなので書く気がしなかった。んが、マイミクさんの方でも言及があったので一念発起して書く。あてつけているわけではない。ネタをありがとうございます。
なるべく圧縮して書く
実質賃金の増減はサラリーマンの関心事なので、政治の具にされやすい。いつぞやの実質賃金が上向いたというニュース以降、びっくりするほど各方面がノータッチなので、WEB政治評論家とメディアに対する怒りを禁じえない感はある。実質賃金を根拠に叩いていた以上、それが改善したのであれば追跡記事くらいはあっても問題はないだろう。ちなみに、そうやって埋没しているので、私は直近の実質賃金の動きを知らない。
今回の話は実質賃金が政権の評価に影響するかどうかではなく、実質賃金というもの自体がまやかし臭いという話をしたい。これは政治的な話ではなく、論理的な話だ。
実質賃金の算出は下記の式で行われている。
平均給与/消費者物価指数
消費者の給料が10倍になっても、物価が11倍になっていたら実質賃下げだよね、という意味ではわかりやすいし、簡単な指標ではある。
ところが、実際には消費者負担であるにもかかわらず、ここに乗っていない数字がある。
社会保険料である。社会保険料は労使折半という名目になっているので、半分は会社が負担しており、労働者の額面給与には含まれないが、社会的に見ればそれも人件費のうちである。
そして、この社会保険料の使い道、つまり社会保障費が年々恐ろしくかさんでいるのだ。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280915/shiryou3-1-2.pdf
我々は「年金制度なんか破綻している!無意味!」など言ってしまいがちだが、もしこれがなければ、自分の親の介護や生活費は全て自腹で賄う必要がある。平均月収が額面30万円だとすると、現状、会社負担分と合わせて7〜8万円支払っている。
この社会保障費用は、先進国では日本が突出して負担の変化率が大きい。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia271009/03.pdf
最大の原因は説明するまでもなく高齢化率の変化で、他国の高齢化率と社会保障費の変化率の相関と比較すれば、日本は良く抑えて(=出ししぶって=労働者の負担を軽減して)いる。
この社会保障費は現在120兆円にも及び、給与の総額210兆円のほぼ半分を占める。さらに毎年+5%程度で伸びているので、「社会保障費を修正に入れた実質賃金」であれば、その程度ずつ伸びていることになる。(実際は予算全体の40%弱が国債発行によるものなので、統計処理上は同じ比率で増加率を削減しても良い)
結論として、社会保障費が伸びている現状を考慮すると、実質賃金の低下はよく抑えられている。社会保障費を削ると実質賃金は簡単に上昇するし、実際、少なくともアメリカやドイツでは直近でもそういった措置を取っている。日本は、負担増はあるものの今のところは以前と同じ比率で国民全体に還元されているので(労働者一人当たりの還元率は低下している。老人が増えているので)、まあいい勝負といったところだろう。
いずれにせよ、「社会保障を肯定するのであれば」、実質賃金では生活の苦しさの是非は問えない。まあ、病気もせずまだ親が元気な若者層には無意味なものではあるが、それはミクロな視点であり、事故にあったケースや難病にかかったケースを考慮すれば必要な支出と感じられるのではないか。ただ、SNSが若年層の政治意識を変えている部分はあり、今後若年者よりの世情になっていく可能性はある。そうすると我々の世代はホント、悪いとこどりの世代ということになるね(笑。
■死亡保険料、今春大幅値下げ相次ぐ 長寿化で支払い減る
(朝日新聞デジタル - 03月10日 00:10)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5020657
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